「大地」というと自然で人体にも無害なものというイメージがあるが、「土」ならどうだろう。大昔に廃棄された有害物質が土壌を汚染していたというニュースは今も後を絶たない。工場の跡地にマンションなどが相次ぎ建設されているだけに、自分たちの足元の土は本当に大丈夫なのか気になるところだ。
環境分析を手掛けるドミ環境(栃木県西那須野町)は七月から、一般家庭の土壌が汚染されていないか調べるサービスを展開している。鉛や水銀をはじめとする重金属から、発がん性が指摘されるトリクロロエチレンなどの揮発性有機化合物まで、健康ヘの影響が懸念される十種類の化学物質の有無をチェックする。
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牛乳ぴんほどの大きさのびんに自宅の庭の土を入れ、同社に送り返すだけ。三日程度で数種類の分析装置を駆使した測定結果を知らせてくれる。専門的な知識のない人にもわかりやすいよう、化学物質の汚染状況を五段階で評価するなどの工夫を凝らした。料金は一件あたり二万円。
すでに検査を依頼してきた家庭の土からは、クロムや鉛が大量に発見された例もある。有害物質が検出された場合の対処方法についても説明しているので、悪い結果が出たときのことを必要以上に恐れずに済みそうだ。
住まいの足元に埋まっているのはお宝ぱかりではない。不幸にして「負の遺産」を受け継いでしまつたら、早い段階で発見して自分の身を守ると同時に、次の世代にそのマイナスを持ち込まないためになすベきことを考えたい。
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