◆神戸を走る子供無料バス◆


▲市営バスの割安感を強調する

  子ども連れや荷物の多いときなどには便利なマイカー。バスや電車の料金と比べ、コストでも有利な場面も少なくない。排ガスなど環境ヘの影響を考えて、できるだけ公共交通機関を利用しようと心がけてはいても、一雨降ればそんな決心ばどこかへ吹つ飛んでしまうのも無理はない。
 国内有数の観光都市である神戸市の交通局では、公共交通の劣勢を一気にばん回しようと、きょうから、新たな料金割引サービスをスタートさせた。土日など休日には、同伴の大人一人につき、小学生以下の子ども二人の料金を無料にする。バスでは運転手が乗車時に年齢を確認、自動改札機がある地下鉄では駅で無料キップをもらう仕組みだ。

 全国では、定期券の所持者に同伴する家族らの料金を割り引く「環境定期券」制度などを導入するバス会社は多いが、定期券の有無を問わず子ども料金を一律無料にするのは異例だ。
 同市では、多くの観光客が訪れるにもかかわらず、地下鉄の休日の利用者数は平日の六割にとどまるという。それに引きかえ中心部の道路は慢性的な違法駐車や渋滞に悩まされており、のろのろ運転で無駄に消費される燃料や排ガスの影響も気になる。空席が日立つ休日こそ、公共交通機関を使わなければもったいない。
 地元商店街では、新サービスの導入に合わせ、地下鉄かバスで訪れた買い物客向けに、代金を割り引く制度の導入を検討しているところもある。街ぐるみで公共交通を有効活用する取り組みは、長い目でみれば「お得」なはずだ。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2003/10/11(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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