◆竹のタオルで地球もきれい◆


▲きめ細かい泡立ちで肌にやさしい

 入浴時の必需品であるタオル。最近は風呂で体を洗うために専用のナイロン製タオルを使う人も多い。泡立ちよく汚れをしっかり落としてくれるのはありがたいが、問題は古くなったタオルを捨てる時だ。東京二十三区では、化学繊維は焼却処理できない不燃ごみとして回収され、埋め立て地に直行する。資源の浪費であるばかりでなく、小なりとはいえ埋め立て地の不足に拍車をかけてしまうのが気掛かりだ。
 家庭用品メーカー、ナファ生活研究所(東京・渋谷)が販売する竹製のタオルなら、すり減ったら燃えるごみとして処分できるので、こんな気兼ねは無用だ。竹は成長が速く、間伐など最低限の管理をすれば安定して採取できる豊富な天然資源。これを有効活用しない手はない 。

 切り出した竹を釜で煮立て、綿のようになった繊維を取り出し布にする。糸の表面から出た細かい産毛には、肌触りを柔らかくすると同時に、泡立ちをきめ細かくする効果があるので、体を洗うタオルとしてはなかなかの使い勝手だ。しかも竹に含まれる抗菌成分により雑菌が繁殖しにくいので、嫌なにおいがしたりカビが生えたりしないという。丈夫なので一年以上は使用できるのも売り物だ。価格は五百円。
 さらに同社では、アトピー性皮膚炎に悩む人など向けに竹製のガーゼの開発も進めている。
 汗をかくこの時期だからこそ、環境にも人間の肌にもやさしい竹のタオルを使いたい。気持ちまでさっぱりとリフレッシュすることができそうだ。

(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2003/8/2(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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