◆手動懐中電灯の明るさ◆


▲LEDは通常の電球より長持ち

 いざという時に限って、電池切れで使えないものといえば、まず思いつくのが懐中電灯だろう。暗がりでは歩くことさえままならず、不便を通り越し危険ですらある。発電機能付きの懐中電灯なら、こんな心配も不要になる。乾電池のリサイクルを考えずにすむのもメリットだ。
 乾電池の中の亜鉛やマンガンは貴重な天然資源だが、回収して再利用するとコストが高くつくこともあり、それほど普及していないのが実態。乾電池を使い捨てするたび、地球が顔をしかめる姿を思い浮かべるのはいやなものだ。
 しかし、インテリア雑貨メーカーのイデアインターナショナル(東京・港)が販売する懐中電灯「ノーバッテリーライト」は、自ら汗をかいて電気を起こして点灯させる。むしろ地球がほほ笑んでくれそうだ。
 本体を振ると、コイルの中に置いた磁石が動いて磁界が変化。するとコイルに電流が生じ、これを電子回路に蓄えてから点灯させる仕組みだ。電球には消費電力が低い発光ダイオード(LED)を採用、三十秒ほど一生懸命に振れば、三―五分間点灯する。ずっとレバーなどを動かさねばならない手動発電装置を持つ懐中電灯より、使い勝手は格段に向上した。
 乾電池を使う懐中電灯に比べれば、広い範囲を照らす場合の明るさは少々心細い感じがするが、新聞の文字を読むことができる程度の明るさは確保した。
 電池切れの心配がなく、地球にもやさしい懐中電灯は、使う人の気持ちをそのまま映し出す光で未来を照らしてくれるに違いない。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2003/6/14(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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