◆間伐材使ったエコ封筒◆


▲価格は一般の封筒と同水準に抑えた

 日本の国土の約七割を占める森林。野生動物の生活の場であると同時に、二酸化炭素を吸収して酸素を出したり、雨水を蓄えて洪水を防いだりと、人間にとっても欠くことができない重責を担っている。うっそうとした緑にふれれば、自然の豊かな恵みを感じずにはいられないが、実は国内の森林の四割強は、スギやヒノキなどを植林した人工林だという。
 特定非営利活動法人(NPO法人)のレインボー(東京都武蔵野市)は今年から、人工林の手入れで発生する間伐材を使った封筒を販売、森林を守る活動を後押ししている。長野県内から切り出された間伐材をパルプにし、新聞古紙と混ぜて紙にする。この紙を封筒に加工した。間伐材を使っていることをわかりやすくアピールするため、新たにデザインしたマークを付けることにした。
 人工林は樹木が成長するに伴って込み合った状態になり、日当たりが悪くなったり、養分を十分に得られなくなったりする。樹木の成長を維持するためには、適当な間隔を確保できるよう間引きをしなければならず、ここで切り出されたものが間伐材だ。
 もちろん良質な木材資源ではあるが、海外から輸入される木材に比べてコストは高い。これまでは国内の間伐材を有効活用しようという機運に乏しく、十分な間引きもできず荒れていく人工林も少なくなかった。間伐材を使った製品が広がれば、森林の荒廃に歯止めをかけられる可能性もある。森林の力を呼び戻す封筒からは、みんなで森を育てようという気持ちが伝わってくるようだ。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2003/3/15(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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