春の声が聞かれるようになると、もっとも身近な野生生物である野鳥も本格的な繁殖シーズンを迎える。異性の関心を引こうとするラブコールが、美しいさえずりとして我々を楽しませてくれる。こうした野鳥に触れる機会は、心和ませるひとときであると同時に、自然環境に対する理解を深める第一歩にもなる。
バードウオッチング愛好者らからなる自然保護団体、日本野鳥の会では、携帯電話から様々な情報を引き出せるサービス「ケータイ野鳥図鑑」を運営。これまで野鳥にあまり興味がなかった人にも関心を持ってもらう取り組みに力を入れている。
外出先で野鳥を見かけたら、季節や場所、大きさなどを入力し、条件に合う鳥を検索する。主な野鳥二十種前後について、イラストや生態の解説、鳴き声の説明などがまとめられている。重い図鑑をわざわざ持ち歩かなくても、正確な情報に基づいたバードウオッチングを楽しめる。
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インターネット接続機能付きの携帯電話から、専用サイト(http://bird.mti.ne.jp/top.asp)にアクセスすれば無料で利用できる。もっと多くの種類の野鳥を観察したい人向けに、
一カ月三百円で約三百種の野鳥の情報を提供する有料サービスも用意した。
森林や干潟といった野鳥が生息しやすい自然環境は、開発などによって次第に失われているという。野鳥が姿を消してバードウオッチングができない未来を招かぬよう、身の回りの様々な営みが環境に与える影響についても関心を持ち続けたいものだ。。
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