◆カップ使わない即席めん◆


▲卵を使わずめんのこしを出す工夫も

 おなかがすいたときの夜食などに重宝するカップめん。熱湯さえあれば簡単に調理できる手軽さがありがたいが、食後のカップは使い道もなく、そのままごみになるケースが大半だ。利便性のツケを地球環境にまわせば、満腹の幸福感も薄れてしまいそうだ。
 頭ではきちんと理解していても、「空腹の虫」を抑え込みながら鍋を持ち出し、袋入りの即席めんをつくるのはけっこう面倒だったりする。特に、 一分一秒を惜しんで最後の追い込みをかける受験生に求めるのは酷というものだろう。そこで注目を集めているのが、即席めんメーカーのトーエー食品(岐阜県関市)が販売する「ノンカップ麺(めん)とだ。
 袋から取り出した乾燥めんと粉末スープを丼に入れ、熱湯を注いで三分待てばできあがり。袋めんには珍しく、ワカメやネギ、トウモロコシなどちょっとした具が入っている。自分で薬味を刻む必要がないので、この時間も試験勉強に充てることができる。鍋を汚さずにすむ手軽さはカップめんと同様だが、こちらはカップのごみは出ない。丼を洗う間は鼻歌でもやりながら気分転換を図ろう。
 かんすいを使わないめんは、胃にもたれにくいようだ。スープにもこだわり、シイタケなど天然素材のエキスだけをだしに使用。受験生だけでなく子どもからシニア世代まで幅広く支持されているという。通信販売会社を経由して販売しており、価格は百円前後。
 即席めん一つ選ぶにも、地球の姿を思い浮かべる――。そんな心の余裕を持てる循環型社会をつくり上げたいものだ。

(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2003/2/8(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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