◆都心駆けるなら自転車◆


▲重い書籍を運ぶにも便利

 排ガスを出さず、環境にやさしい乗り物といえば、まず思い浮かぶのが自転車。特に交通渋滞が当たり前の都市部にあっては、狭い道でもスイスイ、駐車場の心配があまりいらないのもメリットだ。書店などが軒を連ねる東京都心のビジネス街、神保町では、便利な自転車を気軽に使ってもらうレンクサイクル店「グリーン・チャリ東京とが注目を集めている。
 利用者の多くを占めるのが、神保町周辺の顧客を訪問する会社員。渋滞の影響を受けず、予定通りに目的地に到着できるのが受けている。同店の常連、都内タオルメーカーの営業マンは、自転車を利用するようになってから営業成績がぐんぐん伸び、社内でトップセールスを記録。移動時間が短くなり、飛び込み営業をする余裕ができたおかげという。まさに手放せない仕事道具になっている。
 観光客にも好評だ。神保町から皇居まで、自転車を使えば約十分。さらに東京駅や銀座などの観光スポットにも足を延ばすことができる。街を眺めながらベダルをこげば、気分そう快。寄り道も思いのままで、思いがけない楽しみに出合うチャンスもある。料金は一時間百円なので、利用者の懐にもやさしそうだ。
 同店代表の折原琢夫さんは金融機関に勤務していたころ、「足が棒のようになるまで営業で歩き回っていたが、自転車が借りられたら便利だろうと感じていた」。こんな思いが開業につながった。
 必要な場所で必要なだけ、環境にやさしい自転車を使えるレンタサイクル。都心を動き回るなら、ぜひ選択肢に加えたい交通手段だ。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2003/2/1(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
▲お役立ち情報バックナンバー
Copyright(C)2001 mypenrai, INC.All Rights Reserved