◆イベントのごみを削減◆


▲使った食器はすぐ洗って使い回す

 週末になれば各地で屋外イベントが開かれる。人が集まる場につき物なのが、スナックや軽食を提供する模擬店。様々な店を回るのは楽しいひとときだが、食べた後のことも少し考えてみてほしい。プラスチック製の使い捨て容器や割りばしが築いたごみの山を目に一したことはないだろうか。
 なるべくごみを出さないイベント運営を後押しするため、石川県が投入した切り札が、食器と自動洗浄機を積み込んだトラック「ピカピカ号し。県内の行事向けに貸し出し、模擬店などでの使い捨て容器の利用を減らす狙いだ。
 ニdトラックの荷台に、前洗い用のシンクと業務用の洗浄機を取り付けた。模擬店で利用する三百人分の皿やスプーンを洗って使い回せば、千人規模のイベントに対応する能力があるという。食器を洗っている様子を外から見ることができるので、自分が使う食器への関心を来場者に持たせる効果もありそうだ。
 ピカピカ号を借りるには、ガスや電源、排水用の溝などの確保が必要。料金は無料だが、燃料を満タンにして返すことになっている。車両を管理する同県の県民エコステーションの東浩一事務局長は「秋のイベントシーズンは学園祭などの予約でいっぱいだった。『次回もぜひ使いたい』と利用者の反応も上々」と笑顔をみせる。
 利便性から使い捨て用品が重宝された屋外イベントにも、変化の兆しが出ている。人けがなくなった終了後の会場で、大量のごみの処理に追われるむなしい光景を見ずに済む日もそう遠くないような気がする。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2003/1/11(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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