◆ワインびんも繰り返し使う◆


▲12月は販売本数を増やす

 街ではきらびやかな電飾が目につくようになった。「クリスマスの飲み物は?」と聞かれれば、ワインを挙げる人も多いだろうが、実はワインびんはリサイクルでは少々問題児でもある。色がまちまちなので再利用しにくく、土砂の代役として路盤材になるのが関の山。こんなことを考えながらでは、せっかくのワインも心の底から楽しめないのではないか。
 気遣いなくワインを味わってもらおうと、神奈州県茅ケ崎市の酒販組合は、商店会連合会や市民団体と協力、繰り返し使えるびんに詰めた「茅ケ崎ワイン」を販売、びん再使用に力を入れている。市内約八十の酒店でのみ扱い、先月は用意した千八百本が三日で完売するヒット商品になっている。
 日本酒向けに開発された統一規格びんを採用。七百二十_g入りで緑色んのびんは、洗ってラベルを張り直せば何度でも使える。税込み価格は千百円。びんを返せば五十円が戻ってくる。酒販組合の青年会長、斉藤直樹さんは「五十円なら必ず返してもらえる」と、あえてビールびんに比べて高い金額を設定した狙いを説明する。
 これまで、びんビールを無料配布するなど、繰り返し使えるびん容器のPRを展開してきたものの、反応はいまひとつ。そこで次の手として白羽の矢が立ったのが、世界的にも容器の再利用が進んでいなかったワインだった。
 統一規格びんを扱う全国の酒店に戻せば再使用ルートに乗る。サンタクロースから届いたプレゼントが、環境にやさしいワインだったら、どんなに寒い夜でも身も心も温かくなるに違いない。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/12/14(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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