◆金融機関も環境配慮後押し◆


▲顧客に配布するエコグッズ

 エコロジー住宅や低公害型の自動車を選んで環境に配慮した生活を送りたいものだが、まずは先立つものをどうするかが気になるところ。滋賀銀行(大津市)は、積極的にエコライフに取り組もうという人向けに、有利な条件で融資する金融商品を相次ぎ開発して注目を集めている。
 個人向けには二つの融資メニューを用意した。まず「エコプラン」は十万円から五百万円まで融資する。フロンを使わない冷蔵庫や太陽光発電装置を購入する資金として利用できる。しかも同行の優遇金利が適用されるため、少々割高でも、環境にやさしい商品を選んだ方がそろばん勘定に合うケースもある。
 「エコ住宅ローン」は、断熱性を高める工夫などを取り入れた環境配慮型住宅が対象。新築・購入だけでなく、大掛かりな増改築でも利用できる。融資金額に応じて、電動式の生ごみ処理機や手回し発電で作動するラジオなど、好みのエコグッズをもらえる。企業向けでも、リサイクル関連設備などの資金を低利で融資している。
 行内の環境対策にも積極的だ。□座を開設したり定期預金を組んだりした顧客に配る品物五十二種類は、すべて環境に配慮した商品にした。例えば、ティッシュペーパーは成長の早い草本から作ったものに切り替え、せっけんも水質悪化につながりにくいものを選ぶ念の入れようだ。
 経済の血液ともいえる資金の流れを通して、エコロジーライフを後押しする金融機関の取り組みは、弱った地球を元気にする可能性を秘めている。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/12/7(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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