買い物をすれば当たり前のようにもらえるレジ袋。小さな個人商店はそうでもないが、流れ作業で精算が済んでしまうスーパーなどでは、「袋は使いません」という意思表示をするタイミングが意外と難しかったりする。何となく言いそびれ、不本意ながらレジ袋を受け取ってしまうケースも少なくない。
環境のためには、不要ならば袋をもらわないのが肝心。そこで、全国のスーパーなど約百社が参加する日本チェーンストア協会は今月から、毎月五日を「ノー・レジ袋の日」として、レジ袋の利用削減を進めることにした。
全国約六千三百店で、レジの前などに、はがき大の「レジ袋ご不要カード」を置く。買い物袋を持っている客が、精算時にかごに入れた商品とともにカードを提出すれば、店員は袋を渡さない。この仕組みならタイミングを気にすることもなく、スムーズに事を運ぶことができる。
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手本になったのは、ダイエーが独自に導入していた「不要申し出カード」。同社は一九九一年、なるべく買い物袋を持ってきてもらおうとスタンプ制度をスタートさせたが、実際の持参率は六%程度で伸び悩んでいた。しかし、カードを使うようになってから、買い物袋持参の客が着実に増えているという。
レジ袋はせいぜい数日もすれば捨てられてしまうが、原料となる石油は地球が数百万年かけてつくり上げた貴重な資源だ。そんなふうに考えれば、自前の買い物袋を用意する手間は、重荷にはならないはずだ。
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