◆エコ商品で会社のごみ減量◆


▲グリーンステーションで食事もできる

 ごみは暮らしを映す鏡。環境に配慮したライフスタイルを確立する入り口になるのが、身の回りのごみとの付き合い方を見直すことだろう。健康・生活関連図書などを出版する東京法規出版(東京・文京)はごみ減量のため、全社挙げてのユニークな取り組みを進めている。
 まずは現状把握とばかりに、オフィスのごみを徹底調査。社員約九十人が出すごみは、 一カ月当たり二、三d。リサィクルに回している紙類が七割を占めたのは予想できたが、びっくりしたのはそれ以外。缶やペットボトルなどの飲料容器は何と約五千本、弁当や総菜、カップめんの容器などが山のように捨てられていたのだ。年間の処理費用は約二百六十万円に上り、コスト面でも無駄を重ねている実態が明らかになった。
 結果はすぐ全社員に通知、エコグッズをそろえた社内購買部「グリーンステーション」をオープンさせた。扱うのは針がいらないホチキスなどの事務用品から、社員が仕事の合間に食べる食料品まで約七十点。会社近くの商店では入手しにくいものばかりだ。
 中でも人気は、大量のごみを出すカップめんの代わりを務める袋入りめん。社内にはどんぶりとはしも用意した。国内産の小麦粉を原料に、かんすいや化学調味料を使わず仕上げてあり、社員の健康にも配慮。価格を九十円に抑え、買いやすくしたのもうれしい。
 ごみ減量作戦のスタートで、社員の環境に対する意識も高まっているという。ちょっとした工夫と行動力が、やがて大きな果実を生むことは間違いない。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/9/28(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
▲お役立ち情報バックナンバー
Copyright(C)2001 mypenrai, INC.All Rights Reserved