◆環境会議の内側を発信◆


▲家事や子育てとメール編集をうまく両立

 「読者十八人でスタートしたメールマガジンが、今では四千六百人のメディアに成長した」と笑顔をみせるのは、環境ジャーナリストの枝廣淳子さん。環境問題をテーマにしたエッセー風のメールマガジンを、インターネットで発信しており、一九九九年の創刊以来七百五十号を超えた。
 このメールマガジンの特徴は、環境関連の国際会議でやり取りされる最新のニュースを紹介すること。通訳としても活躍する枝慮さんは、自身が通訳を務める会議の場では、走り書きながらメモをとる。メモは通訳の仕事が終了すれば用済みだが、興味を持ったエピソードごと捨ててしまうのはもったいない。そこで、もちろん外部に漏らしてはならない情報は除き、オープンにして差し支えない「ネタ」から厳選して取り上げている。
 人気を集めるもう一つの理由が、様々なニュースをわかりやすく説明している点。地球温暖化のことを「地球のセーター」と表現するなど、専門知識を持たない人でも、問題の本質が理解しやすいよう工夫している。どちらかといえばお堅い国際会議の内容だけでなく、身近な環境イベントなども積極的に盛り込み、親しみのもてる内容になるよう心がけている。
 メールマガジンはホームページhttp://www.ne.jp/asahi/home/enviroから登録できる。
あるニュースを発信した後、読者が関連情報を提供してくることも多く、深みのある環境情報をやり取りできる場に成長している。ネットを活用したエコロジーの輪の広がりに期待したい。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/9/21(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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