◆植樹で自分のC02回収=


▲植樹について説明するパネル(ホメオリブ原宿店)

 英国の民間研究所の試算によると、 一人の日本人が一年間に排出する二酸化炭素(C02)量は、九・三d。世界でも多い方から十番以内に入るという。日々の暮らしのエネルギー消費が、南太平洋の島々での海面上昇など、深刻な地球温暖化をもたらしている。
 温暖化防止には、まずC02を出さないようにすべきだが、やむを得ず排出してしまったものを、C02を吸収する植物を増やして「チャラ」にする発想もある。化粧品販売などを手掛ける「ホメオリブ原宿店」(東京・渋谷)は今月三日、この考え方を具体化した「カーボン・ニュートラル・プログラム」の窓口を、ボランティアで日本で最初にオープンさせた。
 このプログラムは、英コンサルティング会社、フューチャーフォレストが主体となって運営。エネルギー使用量などからC02排出量を算定、樹木を何本増やさなければならないかをはじき出す。同社がその分を世界各地に植樹し、九十九年間は切り出したり枯らしたりしないよう徹底管理する。
 ホメオリブの窓口では、CO2九d分に相当するという樹木十三本をセットにしたプランを用意。個人が一万八千円を支払い申し込めば、世界各地に植樹される。植えた木の場所がわかるので、自分が出したC02を、どこかの木が「チャラ」にしてくれるのを容易に想像できる。
 年間一万八千円の負担は、ポンと出せるほど少額ではない。しかし、地球市民の一員として環境負荷を軽減する責任を果たしているという実感が持てることを考えれば、決して高くはないはずだ。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/9/14(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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