◆再使用できるガラスびん◆


▲ 「Rびん」入り商品がずらりと並ぶ(横浜市内)

 熱戦が続くサッカーのワールドカップ(W杯)に、茶の間でビールやジュースを手に声援を送るフアンも多いだろう。試合から目を離せないのはわかるが、飲み物の容器にもぜひ注目してほしい。試合会場ではもちろん厳禁だが、自宅で手にしているのがガラスびんだったら、あなたは「環境サポーター」の一員かもしれない。
 洗浄して再使用(リユース)できるガラスびんの使用拡大に取り組むのが、全国の七生協が立ち上げた「びん再使用ネットワーク」(東京・新宿)。びんメーカーと協力し一九九四年に共通規格のリユースびん「Rびん」を開発した。
 飲料容器の主役だったリユースびんは、軽くて割れにくい缶やペットボトルにとって代わられ、苦戦が続いていた。しかし、環境負荷の面でみると、製造から廃棄までの過程での排ガスや水使用量は、リユースびんの方が優れている。Rびんは、売り場で劣勢に立たされていたリユースびんを復権させる突破口だ。
 二百―千_g入りの七種類をそろえ、紙ラベルを張り替えるだけでジュースやしょうゆ、ジャムなど百五十品目の容器になる。空きびんは生協の商品配達の際に返す仕組みで、昨年度の回収率は七七%に上った。事務局の山本義美さんは「累計で二万三千dのごみを削減した計算。行政がガラスびんリサイクルにかけるコストを約十四億円節約できた」と胸を張る。
 Rびんはほかの飲料メーカーなども使用できる。どの飲み物をどんな容器で飲むかは消費者の選択次第だ。リユースびんをくるくる回せば、循環型社会のゴールネットが見えてくる。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/6/15(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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