◆「予報」で広がるエコライフ◆


▲リハーサリレでエコライフの工夫を解説する飯島さん左

 「今週の後半にかけて二酸化炭素(CO2)排出量が非常に多くなるでしょう」――。NHK総合テレビの関東地域ローカル番組で、四月からスタートしたこんな予報が注目を集めている。家庭から出るCO2の量を予想して環境に配慮した生活の実践を呼びかける「エコライフ週間予報」だ。
 循環型社会づくりの必要性が叫ばれて久しいが、身近なところで環境に関する情報を入手する機会は少ない。キャスターを務める日本気象協会の飯島希(ほまれ)さんは現状に危機感を抱き、気象情報の中で地球温暖化問題を取り上げるこの予報を企画した。「気象と日々の暮らしは密接に関連している。エコライフを身近に感じるお手伝いができれば」という。
 予報には気温や湿度、風速、日照時間など気象データを使う。むし暑くなるとエアコン利用が増えて電力消費量がアップすることなどを織り込み、C02排出量を独自に算出している。この予報、今月中旬からは環境省のホームページでも公開する予定だ。
 伝えるのは予報だけではない。ガーデニングにはC02を吸収する効果があるという分析や太陽光パネルの効果など、科学的データに裏付けされた知恵と工夫を紹介している。飯島さんは「実際に家事を担う人に役立つ情報を提供したい」と意気込む。
 何げない日々の暮らしが地球環境とつながっている実感が持てれば、ライフスタイルの見直しは難しくない。グリーンコンシューマー(環境に配慮する消費者)のすそ野を広げるきっかけにもなりそうだ。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/6/8(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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