第 3 章

どーやって作るの?


3−1−3  酸化鉄(V)粉末は?



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酸化鉄の入手源としては、使い捨てカイロの中身が有名だが、その中ではロッ●電子工●株式会社の「●カ●ン」が一番良い。原材料名のところを見ると、「鉄粉、水、木粉、活性炭、食塩」と書いてある。他のメーカーのものだと、木粉の代わりにバーミキュライト(ヒル石)を使っているものもあるが、バーミキュライトは完全に取り除くのが難しいので、これが入っているものはなるべく使わないほうが良い(だが、後述の方法で強熱して水分を飛ばせば問題無く使えるかもしれない)。

 食塩は鉄粉の酸化促進の触媒として(ちなみに炭鉱用ダイナマイトには、ガス爆発や粉塵爆発を起こさせないための減熱消炎剤として食塩が配合されているらしい)、木粉・バーミキュライトは水をたくさん含みながらも鉄粉がべとつかないように、保水剤として加えられているのだが、テルミット反応にはジャ魔ピーなだけなので、可能な限り取り除くのが望ましい。(
「ホ●ロ●」の詳細については、化学同人の月刊『化学』1995年2月号か、『別冊化学 CMをにぎわしたヒット化学商品』を読んでね)


 
「●カ●ン」からFe2O3を取り出すのは、残念ながら少々めんどくさい。具体的にどのようにやるのかを見てみよう。


▼  1  ▼

 パッケージ(外袋)を開けて丸1日ほったらかして、中の鉄粉を酸化させる。使用済み(笑)のものがある場合は、この段階は飛ばして良い。
(未使用の「ホ●ロ●」の中身は活性炭のせいで黒いが、使用済みの「●カ●ン」の中身はやや茶色(Fe(OH)3の色)になっている)

★ 筆 者 注 2 ★

 「ホ●ロ●」における鉄の酸化反応式

Fe+3/4O2+3/2H2O→→→Fe(OH)3+96kcal/mol

  なお、Fe(OH)3の組成はFe2O3・xH2Oである。


▼  2  ▼

 固まっている部分をよくもみほぐしたら、アルミホイルやアルミ板(レンジフードなどを利用)で作った耐熱容器の中に中身を出す。陶器製の容器を使うと、
Fe(OH)3Fe2O3の色が落ちないので注意(これは実験済み)。


▼  3  ▼

 電熱器やガスコンロなどでこれを加熱して、活性炭と木粉を焼いて
ポアする。このとき、Fe(OH)3Fe2O3となる。


▼ 4 ▼

 活性炭と木粉を
解脱させたら、放置して冷ます。


▼ 5 ▼

 食塩と木粉の灰の水溶性成分(不溶性成分は簡単に分離できない)を取り除くために、何回か水洗いしてから良く乾燥させる。乾燥は天日にさらしても直火で加熱しても良い。
(この洗浄段階は省略しても良いかもしれないが、洗浄する場合はなるべく薬局・薬店などでコンタクトレンズケア用品として売っている
精製水を使おう。蒸留水ならなお可。)


 以上のようにすれば、
「●カ●ン」より得られるFe2O3の純度をかなり高めることができると思われる。


 またその他にも、試薬屋さんに行って
純鉄粉(第2類危険物)を買ってきて酸化する(ほんとはこれが一番良い方法)スチールウール(ナベの焦げ付きをこそぎ落とすときに使うアレ。当然洗剤のついていないものを選ぶ。)を買ってきて燃やす、磁石を持って公園の砂場に行って砂鉄Fe3O4・磁鉄鉱)を集めてくる、という手もある。

 
Fe3O4は空気中で加熱すればFe2O3になる。テルミットに使った場合、Fe2O3とくらべてAl2モルあたりの発熱量はやや劣るがその差は3%以下なので、そのまま使っても実用上問題は無いはずである。

 ちなみに公園の砂場は犬や猫のトイレと化している場合が多いので寄生虫の卵に注意しよう。あ、それから
変質者だと思われないようにね(笑)。


★ 追 記 ★

 どうやら1997年あたりに、「ホ●ロ●」は若干のモデルチェンジを行ったようだ。旧モデルよりも薄くなり、持続時間が短くなった。さらに木紛のかわりにバーミキュライトが使われるようになった。「もまずに衣類の上からご使用ください」なんて書いてあるし。おそらくPL法対策とコストダウンをいっぺんにやったためなんだろう。せっかくここまで書いたのになぁ。削除するのももったいないから残しておこう。




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