黒騎士
2002 12/27 UP
「なんだとおぉぉぉぉ!!逃げられただと!!」
ヘルメットを取るやいなや黒い鎧の男は怒鳴りつけた。
部下を見てもそれぞれ屈強な者ばかりで何を失敗したか解らないがヘマをやらかす様な間抜けには決して見えない。
「四人もやられたと言うのか!?」
「申し訳ございません。少し油断したかと、、。途中、弓使いの何者かがあちらに、、、」
「もうよい!死体を回収して教会に運んでおけ。」
「かしこまりました。」
「それと、死体はオティフに渡すんだぞ。」
「はは。」
黒い鎧の男は丸められた羊皮紙で出来たこの周辺の地図を広げ考え込んでいる。
すると突然、隅の机においてある水晶球が音を立てて光り始めた。
「っおお!こ、これはピート様。」
水晶球から立体映像が浮かび上がりこちらを見つめている。それはとてつもない美男子で(カムリネス19)
その美形な容姿を見たものは(セービングスローの余地なしかと思うくらい)みな魅了されてしまうほどである。
その腰まである長いウエーブのかかった髪をかき分けながら何かをつぶやいたのか?(音声には出ていない)
一種のテレパシーか?
「申し訳ございません。少し油断したかと、、。途中、弓使いの何者かがあちらに、、、」
黒い鎧の男はひざまずいた。彼には聞こえているようだ。
「かしこまりました。」
「はは。」
そのピートという美男子は姿が消える最後に口元に笑みを浮かべたようだった。が、その目は凍り付いているかの様に
表情一つ変えなかった。(人形のようである。)
「わざわざ部下にしかりつけた私のセリフをテレパスでさぐり、同じ言葉でしかりつけるとは、、」
「答える私も部下と同じとは、、いや、あの場合同じでないと駄目なんだろうな、、。」
「まあよい、モーガン!モーガンはおらぬか!」
「はは!お呼びでしょうか?ロベルト様」
どうやら黒い鎧の男はロベルトと言うらしい。
「山のふもとで逃がしたと言ったな?」
「はっ!丁度この辺りかと、、。」
先ほどの羊皮紙で出来た地図に指を刺すモーガン。切れ長で鋭い目の若者だ。
「と言うことは、あのバーバリアン、、、」
「ビテアンの街に逃げ込んだな。」
「あそこには我が協会の者とアサシンギルドが御座います。」
「そうだ、入れば最後。生きては出られん。」
「よし、今晩中に捕まえるぞ!!行くぞ!!」
「わあはははははは、、、」
笑い声はこだまし、暗闇に消えて言った。
黒騎士ロベルト。STR18:INT16:WIS:17:DEX16:CON16:
CHR:16と記せば彼がいかに強いかお分かりいただけよう。(中ボスってこと?笑)
一方、死体をかつぎ込んだ部下達は、、、。
「オティフ様!オティフさまーー!」
「何じゃそうぞうし、、、。また死体か?」
「はい、しかも四人です。」
「まあご苦労じゃったの。こっちへ運んでくれ。」
うさん臭い研究所みたいな部屋は教会の隠し扉から地下へと入った所に有った。
「ここれは、、、」
部下の一人がその光景に思わず口を開いてしまった。
「真っ当な人間の出来ることではないじゃろ?」
「人間の細胞はな、死後硬直の直後ならまだ生きておる。使えるんじゃ。」
水槽の中に幾人かの死体が浮いている。
「この液体につけておけば2週間は細胞が生きておる。」
「オティフ先生の研究のおかげで我々の怪我も治るってもんだよなー」
「そ、そうだよな。この前なんかヒーフスターグの奴、見えなくなった片目を治してもらってたしな。」
「目を移植したんじゃ。」
あまりの光景に部下達は長居をしているとヤバイと感じ、出て行った。
帰り際に部下の一人が元気付けようと
「しかし、人体を提供された奴は幸せかもしれんが、提供する奴は、、なー、、。」
笑えなかった。
黒い騎士”ロベルト”と部下6人は夜の闇の中、ビテアンの街に向かっていた。
「あのバーバリアンめ、、よりによってあの巻物をかすめるとは、、」
「生かして置いては秘密がばれる、、。」
ビテアンの街に着き、しらみつぶしに探したがそのバーバリアンの姿はなかった。
「あの傷でここに来なければ死んでいるはずだ。」
「ち、のたれ死んでいると言うことか!引き返して死体を捜せ!」
「教会の連中とギルドの連中にも手を貸してもらえ!」
「100人体制を取れ!ビテアン地区を山狩りの要領で探索しろと伝えよ!」
とんでもない事になってきた。まさに戦かと思わせる勢いだった。
タイソンとイシュトはその頃、オークのキャンプ地を出てブリズド山脈のジャイアントを探しに向かった所であった。
ホントはカッコ良いんだよ
どうしてもオチャラケずには居られない作者(汗)
あまり敵のボスキャラをお笑いにしたくないが、、だめだね、おれ(笑)すんません^^
第三章に続く、、のか?