「ご紹介します!」 お姉さんの方が語り始めた。
「自分はセブンヘブン教・第7師団聖戦士団長!ローラと申します」
「は?はい?・・・」
「私は見習い魔法使いのシルフィラです!」
幼顔の少女が明るく自己紹介をした。
「え?」 (よく解りません)
『きっとドッキリカメラか何かで、変な事を言うと全部カメラに収められて
あとで放映されるんだ・・・その手には乗らないぞ・・・』
龍也は慎重なまなざしで二人を眺めている。
「シルフィラ・・・あんたは見習い魔法戦士でしょ?!魔法使いだけじゃなくて、戦士入ってるのよ!」 ローラが言う。
「え?はははそうかもしんない。でも剣重いし・・・」 (エルフ・・・)
『エルフって言えば耳がとがった妖精・・・しかしよくメイキャップされているなー・・・』
「将来の夢はグラマーな女性になることです!!」 エルフが言ってる・・・
「魔法戦士でしょ!将来の夢は!」 ローラが突っ込む。
「どうでもいいけど・・・何なんですか?お姉さんたちは?」 龍也が聞く。
「自分たちは貴方様をお守りする使命を受けてまいりました」 ローラは敬礼の姿勢で言う。
「でも・・・なんかショボイわね・・・」 エルフのシルフィラがつぶやいた。
「大司教さまの御子息と聞いたからもっとハンサムかと・・・」
このコメントにローラは驚き途中で止めたが龍也の耳には聞こえていた。
「もっと・・・ハンサム・・・」
「いや、若様(わかさま)!人は外見ではございません事!」 ローラは慰めの・・・
「何だよその若様ってのは」
「頭が変になりそうだよーーー」
「どうすんのよ!シルフィラ!若様が私たちに拒否反応を示しちゃったじゃないの!」 ローラは怒った。
「まあ、仕方ないわ。いきなり私生活を壊されれば誰だってパニックにおちいるわ」 エルフのシルフィラが言う。
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「私に任せなさーーい!」
シルフィラは懐からペンダントを取り出した。
「太古のエルフ王国より伝わる秘伝!」
「これで若の心をなだめてしんぜよーーう!」 (大丈夫かシルフィラ?)
ペンダントを龍也の顔の前で揺らしはじめた・・・
「さー・・・あなたは眠くなーる、眠くなーる」
(どこが太古のエルフ秘伝じゃ!いんちき催眠術やんけ!)
「全然眠くなりません・・・」 龍也はムカついてきた。
「シルフィラ、本当に大丈夫なの?若様の機嫌を壊さないでよ」
ローラも気が気でない。
「うるさいわね。私たちエルフはこれで4000年なのよ」 (よくわからん)
「もういいですよ!あなたたち新手の押し売りですね!」 龍也はきっぱり言った。
「ほらほら、もう!怒っちゃったじゃないの!」 ローラも激怒。
「解った!若もエルフ族なんだわ!」
「だから眠りや魅了の魔法が効かないのよ!」 (はいはい) |
「出て行ってください!」 とうとう龍也は怒ってしまった。
「僕をバカにするのもいい加減にしてくれ!」
「ここはひとまず退散するわよローラ!ファーストコンタクト失敗・・・とメモメモ」 (何かメモってるし・・・)
「あんたねー・・・」
龍也がマジで切れてしまったので彼女たちは、この場は退散するしかなかった。
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その晩、龍也は枕を濡らしながら眠った。
形的には二人の女の子が部屋まで押しかけてきて侮辱した事になる。
少なくとも龍也にはそう受け止めらざるを得なかった・・・
「どうせ僕なんか・・・」
事態を飲み込めない以上、仕方がないことであった。
龍也の心はまた一つ扉を閉鎖した。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
次の日
「龍也ーーー起きなさい」 母が龍也を起こす。
「なんだよ母さん・・・今朝は早いんだね・・・」
「お母さんね、今度出張でロスへ行く事になったのよ」 (かっこいいー)
「そうかい・・・」
「でね、あんたを一人にしとけないでしょ?」
「そうかい・・・」
「聞いてるの!?」
「聞いてるよ・・・」
「そこで、新しいお手伝いさんを雇うことにしたのよ」
「え?」
「紹介するわ・・・新しいお手伝いさんのローラさんとシルフィラさんよ」
「お手伝いのローラです」
「おなじく、シルフィラでーーす」
「どうぞ、よろしくお願いします!」
ハモル二人の少女はとても可愛かった・・・
二人とも満天の笑みを浮かべている。
「君たちは昨夜の・・・」
龍也は頭を押えながら叫んだ・・・
「一体どう言う事なんだよーーー!」
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この先はどうなる事やら・・・・