第31話
二人のマハマン
2005 7/24 UP
マハマンの降臨はその二つの頭を持つ鷲のペンダントに宿っていたのだ。
ひとつは高志に、もうひとつはユリであった。
ユリめがけて振り下ろされたハンマーは半透明な腕がはじき返した。
その腕は長い剣を持っている。
スラードはムキになって何度もユリを叩き潰そうとハンマーを振り回すがその剣を握った半透明の腕が
スラードのハンマーを軽く受け流す。
スラードはお互いケロッとした目つきで顔を見合わせている。
4匹がうなづいて集まってきた。
4匹がそろって同時にハンマーを降り下ろした。
ユリの顔がつぶれる瞬間!
なんと!その半透明の腕が4本のハンマーを確実にはじき返したではないか!?
意識を失い倒れこんだユリのペンダントよりマハマンがとうとう姿を現す・・・
半透明のマハマン・・・スラードたちを睨みつける・・・
ユリに宿ったマハマンは両手に剣を持っている(ダブルウエポンスタイル)。
スラード共は一斉に攻撃を開始した。4本のでかいハンマーが音を立てて振り下ろされる。
マハマンは無表情なまま1匹のスラードの心臓を右手の剣で刺し貫いた。
そのスラードはハンマーを振り下ろす前に突き刺された。
残りの3匹の攻撃は左手に持った剣で全てはじき返した。
一瞬で3本のハンマーをはじき返したその腕は、まるで3本の腕が生えている様に見えた。
「こ、これがマハマン?」 リリスは念力でダーツを手のひらに3本作り出した。
スラード3匹が体勢を立て直し一斉に攻撃を開始する!
それにあわせてリリスもダーツを投げる!
しかしマハマンは左手の剣でスラードのハンマーをまたしてもはじき返す!
そして右手の剣でダーツ3本をたたき落とした。
まるで、マハマンは腕が6本有るかのように見えた・・・
一方、高志の方は・・・
マンティスをはじき返したマハマンがゆっくりと姿を現す・・・
高志に宿った半透明のマハマンは驚くほど巨漢である。
マンティスも一瞬たじろいた・・・
マンティスが恐怖を覚えたのはその巨漢さだけではなく、そのマハマンが持つ
異様に長い両手持ちの剣であった。(3m近くあり、しかも太く重そうである)
そして、その顔つき・・・とがった耳を持つ獣の頭をしている。
鋭い牙がちらつく・・・
高志は腰をぬかしたように、ただマハマンの行動を見ている。
「マハマンか・・・物理的にマンティスをぶつけるしか手は無いな・・・」
吉野はそう言うと藤堂麗子に合図をした。
麗子は緊張した表情のままマンティスをコントロールした。
マンティスのカマがマハマンめがけて切りかかる!
マハマンは長剣を振り上げマンティスへたたき付ける!
マンティスのカマがマハマンの太ももを切り裂き突き刺さった。
マハマンは、おかまい無しにそれと同時に剣をマンティスに叩き込む!
その一撃はマンティスの肩から胴体を分断した!
「なっ!何と言う破壊力だ!」 吉野達は驚いた・・・
長剣が放つその破壊力は想像を絶していたのだ。
「これが・・・マハマン・・・」 高志と朋子は驚くばかりで何も出来ないで居た。
つづく・・・
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