第27話
運命
2005 6/18 UP
高志たちはマンションに戻って最後の段取りを取る事にした。
「このお守りさえあればこっちのもんだぜ!」 高志は何か達成感を握り締めていた。
「せやけど、俺たちの目的はあいつ等をブッ倒す事やで」 アキラは言う。
「その、マイグレーターとかどうでもええんやけど・・・」
「いや違う・・・これは・・・何か運命みたいなものを感じるんだ。」 高志はマンションの窓から
外の夜景を眺めながら言った。
「退屈だった俺たちの暮らしの中で、何かが変わったんだ・・・」
「何時も喧嘩ばかりだったけど・・・何時も大人に怒られてばかりで、面白くも無い生活・・・」
「俺達は何時だってつまはじきにされ、邪魔者扱いされてきた」 高志は熱く語る。
「そんな俺たちが今、大人たちと真っ向からぶつかり合うんだ」
「それだけじゃない・・・今俺たちがやろうとしている事は」
「この世界を救おうとしている・・・」
「そうね・・・」 隣の部屋から中場ユリが入ってきた。
「もう大丈夫なのか?」 高志は心配そうに言った。
「もう平気よ・・・」 ユリは、何時までも寝ていられないと思った。
天白エイジと朝倉朋子はパソコンでデイスクを解読していた。
「どうしても、このオブジェクトについて解らないわ・・・」 朋子は行き詰った。
「封印を解くとその力というかフォースが現れるんだろ?」 エイジも謎を解いている。
エイジの携帯のベルが鳴った
「もしもし・・・エイジだけど・・・はい・・・ええ?・・・今高志んち・・・解った・・・そうして・・・はーい・・・はーい」
「どうや?そっちはなんか解った?」 アキラが様子を伺う。
「難しいわね・・・」 朋子は疲れた表情をしている。
「しゃーないな・・・今日は俺ここまでにしとくわ・・・弟の誕生日なんや」
「ふふふ。弟思いなのね。いいわよ、まだそう簡単に読解できそうに無いし」 朋子は微笑んだ。
「あ、俺もちょっと用事が入ったんで」 天白エイジも合わせるように言った。
二人は部屋を後にした。
エレベーターの中で 「何かあったん?」 アキラが聞く。
「シーサイドの奴らがリベンジしたがってやがるんで・・・」 苦い顔でエイジは言う。
「俺たちバシリスクのメンバーを集結させないかんわ、これは・・・」
「そうやな・・・俺たちにも守らなあかんものがあるんや・・・」
形はちがえども、人間には守らなければならないものがある。
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ベランダから夜景を見ながらエイジとアキラを見送った高志とユリ。
「あのさあ・・・ユリちゃんの着けているそのペンダントと言うかネックレス・・・」
「あこれ?これは母の形見なのよ」
「お母さんの?」
「そうよ。でもデザインが変なのよ。頭が二つの鳥なのよね」
「どうしてこんなネックレスを母は買ったのか解らないけどね・・・」
「いや、オレもそれ持ってるんだよ」 高志はボソッと言った。
「えええ!?」 目をまん丸にして驚くユリ。
「オレがまだ小さい頃、女の子に砂場でもらったんだよ」
「憶えてる・・・私このネックレスを砂場でなくした」
「そしたら男の子が探してくれたわ・・・」
「両親が離婚して引っ越すまでの間は短かったけど、その男の子といっぱい遊んだわ・・・」
「そ、それが・・・高志君だったの?」
「そうだよ、オレもまったく忘れてたんだけど、思い出したんだ」
正に運命であった。
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「このマンションに間違いないな?」 黒服の男とその部下が一人、マンションの駐車場にでかい外車で
現れた。
「リー様。お気をつけください。彼女は気功拳を・・・」
「解っている。貴様より彼女との付き合いは長いのだよ」 リーと言う男は部下の助言をはき捨てるように
さえぎった。しかしこの男、たいした二枚目である。(珍しい美形の男キャラ)
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「コマンドワードをとなえるには・・・屋上がいいな」 高志はその封印を解く際のロケーションを
屋上に決定した。
「今からロケ地を確認に行くとするか・・・」
その時、玄関のインターホーンがなった。
「だれだ?」
インターホーンで高志は取り次いだ。
「警察です。開けてください。」 その美男子は警察だった。
つづく・・・
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