第22話
4次元


2005  5/15 UP

  「我々が住んでいる次元は、ぞくに3次元と言われる。

1次元とは点であり、2次元はその点と点を結ぶ線にあたる。

2次元の時点で平面なイラストになる。

3次元はそれに奥行き(立体)が追加されて物体が誕生する。

我々の次元には1次元のものも2次元のものも存在する。

しかし2次元のイラストはあくまでイラストでつかみあげることは出来ない。

少し難しい話かな?

例えば、絵に描いた餅はやはり絵であってそこから取り出すことも食べる事も出来ないのだ。

まだ解らない?

一休さんでびょうぶのトラを追い出す話があるがやはりびょうぶに描かれたトラは飛び出さないのだ。

そして4次元とは?

未知なる事柄である。3次元の我々にとってはありえないことが存在するのが4次元以上の次元である。

ここまで来るともはや想像の世界としか言いようが無い。

そこに存在するのがサイキック(超能力)である。

おそらく、4次元以上の世界の住民はそのサイキックを通常の能力のように使用して生活をしているはずだ。

我々がどうやっても支配できない物に時間と言う物がある。

時間は3次元のものに平等に与えられている。

我々には平等に訪れる明日がある。(あの人だけ急に明日が訪れない)なんて事は無いのだ。

死ねば別だが・・・まあ、死んだ時点で3次元から別の次元へスライドする。

異次元ではその時間すら自由に操れる種族もいると言う事だ。あくまで仮説だが・・・」

吉野は朝倉亭に向かう途中、次元の説明を村上と田中にしていた。

「吉野様、私も異次元へ一度連れて行ってくださいよ」 村上はマジな表情で言う。

「そのうちな・・・」 

吉野たち三人組は朝倉亭に到着した。

「マハマンのお守りの映像は思念でお前らに伝える」 そういうと吉野は念じた。

「これが・・・」 村上と田中はうなずいた。

「では片っ端から家の中を調べろ!手ぶらでは帰れんぞ!」 吉野の眼鏡が光る。

「了解!!」 二人の眼鏡も光る。


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 高志たちはマーピック教授の残したマイグレーターに関するデータを調べていた。

「マイグレーターに遭遇した者は潜在能力、すなわち超能力を使えるようになる・・・」 高志は言う。

「おそらく人間にも、もともとそう言った力を持っている人がいるって事なの・・・」 朝倉朋子は答えた。

「マイグレーターに遭遇するだけでその力が覚醒すると言う事か・・・」 

「あいつらが妙な技を使うのそれのせいか?」 高志は腕組みをして下を向いた。

「じゃあ、俺達はその潜在能力って奴が無いって事やな。遭遇したけど変化あらへん」 アキラもがっかりした。

「むむむ!!!感じるがや」 天白エイジが叫びだした。
                
「俺には解る!」 天白エイジは覚醒したのか?何かを感じ取っていた。

「近くに、何か敵対した物体を感じる!!!」 エイジは敵が近くにいると主張した。

「ええ!?あのデブ・・・覚醒しちゃったわ・・・」 リリスはやばいと思った。

「なーんてハッタリだがや」 演技であった。(みんなずっこける)

「何なのあのデブは・・・」 リリスも泣きそうである。
               
「でも意外と近くでこの情報を聞き出されてたりしてね」 高志が笑いながら言う。

「そやな。んで・・今頃、先回りされてお守り奪われたりしてなー」 アキラも笑いながら言う。

「わっははははは!!!」 

その笑い声は高らかと響き渡った(どこかの鐘の音か!)。

「でも笑い事じゃないわよ・・・早く手にいれた方がいいんじゃない?」 中場ユリは不安げに言った。

「でも貴方達を巻き込むわけには・・・」 朋子はも不安げに言った。

「まだそんな事いってる。あの連中とはもともと敵対してるんだよ」 

「そうや。何とか鼻をあかしてやりたいんや」

「だから、お姉さんは見方だて」

朝倉朋子はここの所、孤独で精神的にも病んでいた。

また少年とは言え、同じ目的を持った仲間が存在すると言う事が励みになったのだ。

涙が溢れてきた朋子は 「皆さんありがとうございます」 何度も礼を言った。

「はっ・・・?」 中場ユリがパソコンの画面を見て何かに気づいた。

画面の中にマーピック教授の写真がありその後ろに居る女性に見覚えがある。

「お母さん・・・」 ユリは確信が無かったので声を殺しながら言った。

そして・・・

「この女性は?誰ですか?」 ユリはとりあえず聞いてみる事にした。

「この人は・・・たしか・・・昔、教授のサポーターをしていたアルバイトの人だと思います」

(間違いなくお母さんだわ・・・でもどうして・・・)

「この人が何か?」 

「いえなんでも無いです・・・」

「さーて、じゃあそのお守りをとりに行くぞ!」 全員立ち上がった。

「おバカさん達ね・・・ふふふ。もう遅いわよ」 リリスはこいつらが可笑しくてしょうがなかった。
                  
「あああ・・・それにしてもお腹すいちゃった。後は吉野に任せよー」 そう言うとリリスは姿を消した。


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 高志たちが朝倉亭に到着した時は既に夕方になっていた。

「あっ!鍵が開いている・・・」 朋子は不安になった。

「こっこれは!」 

それはひどい光景であった。泥棒が入ったというよりは、ヤクザのテコ入れであった。

ことごとく物が引っ掻き回されていた。全てのタンスは引き出しが出され、机や書類ケースも

キッチンの調味料から鍋のしまってある棚まで、探し回ったあとが・・・

トイレの水槽の中も調べたようだ。

「ジュエリーボックスのなか・・・・」

「ないわ・・・なくなってる!」 朋子は絶望を感じた。

「ちっくしょう!遅かったか!」

全員、がく然とした。

そして今後の作戦の打ち合わせをした。

「少し休もう。そしてあいつらのアジトへまた行ってみよう・・・」 高志は提案した。

「朋子さんはどこかに身を隠した方がいいな。この家はもうやばい」 エイジが言う。

「そうですね・・・あてが無いわけじゃないからそこへ行きます」 

「じゃあ明日、例の場所で。何かあったら携帯で連絡を取り合おう」

戦士にも休息は必要であった。もっともそれを確保できればの話であるが・・・


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  その夜・・・

「まったく・・・ろくな奴がいないわね・・・」 リリスはふくれっつらで夜の空を飛行していた。

「あらら。あんな所に色男が・・・彼に決めた!」

リリスはその色男にターゲットを絞ったらしく、先回りして誘いかける事にした。

男は女性が苦しそうにしているのに気づいて 「どうかしましたか?」 

外見からしても美人なリリスにとって男を引っ掛ける事は朝飯前だった。

「ちょっと胸が苦しくて・・・」 うつろな目が男を誘惑する。

「ドキッ!」 この時点で彼のハートはいかれてしまっている。

胸の谷間がやわらかそうに、いい所まで見えてしまっている。

どこかのオヤジの手が忍び出てめくり上げてしまいそうな胸元・・・

そしてセックスシンボルティックな唇と

時より舌なめずりで顔を見せる桜色の舌・・・

手をかけてさすりたくなる様な腰と尻。

次々と誘惑するその女性の部分に男は

幾度となく自制心チェックをさせられる。

無理である。男である以上・・・いや、

ここまで美しい場合に限っては女性でも魅了されてしまうであろう。

彼は完全に魅了されてしまった。

人通りの少ない公園のベンチまで誘い、

色っぽい声で男を誘うリリス。

少しイケ面の彼は自分の顔に自信があることから、

たまにはこう言ったイベントも有って当然と思い込んでしまうのだ。

自分はもてるという自信がある。これがアダとなるとは・・・

二人は絡み合いながら、

いつの間にか男がベンチに座らせられリリスが上になっていた。

魔の者の下の口。想像を絶していた。

「何と!!」 (まじかよ!すっげーじゃん!)

「こんなの初めてだ!・・・くっ!」

名器とはその感触はざらついていてちょうど人間の手の指紋ほどの堅さで

これが体液と混ざりちょうど絶妙な感覚をかもし出すのだ。

濡れていないと痛いくらいが丁度それにあたる。

「今までの中でもずば抜けて・・・あう!

自信のあった彼も5秒くらいで昇天した。

ところがリリスの下の口から分泌される体液には男を休ませる事が無いように働きかける

成分が配合されているので彼の固くなったものは柔らかい元の状態には戻る事が出来なかった。

こうなると男の快楽は5倍から8倍に・・・そして”残さず出し切る”といった形にならざるを得ない。

痺れた足のような、動かすと悲鳴をあげたくなるような感覚(快楽)が全身を襲う。

彼は動かないようにしているのだがリリスが動くので痺れた快感が全身を駆け巡る。

そして脳にエンドルフィンが大量に分泌されて感覚も麻痺する・・・

麻薬を打たれた時に似ている・・・

そしてとうとう男は・・・

「ごちそうさまでした」 正にこの一言に尽きるという感じである。

ただ、全てを残さない・・・そう・・・命の炎を残さないと言う事になる。

「顔だけで意外と薄味なのね・・・」

リリスはクスリと笑い、闇に消えていく・・・

「うーん・・・なんか物足りないのよねー」 リリスは指をくわえながらもじもじした顔で言う。

「そうだ、あの高志って言う子を頂いて見よっかなー」 そう言うとリリスは宙に舞ってダッシュした。

不気味に笑うリリス・・・でも可愛い・・・
                ちょっと似てないかな・・・

つづく・・・

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