第20話
異次元からの訪問者


2005  4/17 UP

 モノクロの世界であるエセリアルプレーン。

我々の住む次元に最も近い異次元でもある。

そこを移動するナメクジのような物体が居た。

とある者たちはそれをマイグレーターと呼んでいた。

ミニバンくらいのサイズのそれは、ゆっくり移動している。

行く先はマーピック教授であるとは誰一人知る予知も無かった。


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 高志達はアジトに潜入していた。そのアジトは天白エイジが部下のサブに調べさせたものだった。

と言う事は、このアジトは吉野のアジトと言う事になる。

吉野達は朝倉朋子を捕獲しこのアジトに戻ってきた。

「ん・・?何やら、お客様が見えたらしい」 吉野は侵入者ありと悟った。

「我々のアジトに侵入するとなると?」 見当がつかない村上。

「まあよい・・・可愛がってやるか」 吉野は盗人でも入ったくらいにしか思っていない様だ。


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 「なあ・・・盗人みたいな真似はよそうぜ・・・」 高志はエイジに言う。

「ばーか。秘密の書類を捜してんだよ」 エイジは机とかを引っかき回している。

黒いソファにドカッと石黒アキラは座って 「どおでもええわ・・・はよ戻ってこんかいのう」

「コーヒーが入ったわよ」 中場ユリはコーヒーを沸かしてきた。(なんやこいつらは・・・)

これから死闘が繰り広げられる雰囲気ではなかった。

そこへ吉野は来た・・・

「き、貴様ら・・・何やっとりゃーす・・・・」 あきれてしまている。

「やっと戻ってきたようやな!!」 アキラだけ気合入ってる。

「お、おまえは・・・」 村上は拳を交えただけあって憶えていた。

「そうや!リベンジに来たったで!」 アキラの目が光る。

このリベンジって奴に村上は気に入ったらしく、心を躍らせた。

吉野もその戦いを気に入っている。目で村上に「やっておしまい」と合図する。


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 一方、マイグレーターは研究所に突入していた。

「センター長!!大変でございます!」 通信がセンター長に入った。

「何事だ!」 受話器を取るセンター長。

「マーピック教授の部屋が!うわぁぁーー!」 通信は途切れた。

「マーピックの部屋に保安部員を回せ!大至急だ!」

マーピック教授の部屋にマイグレーターが侵入した。

すかさず保安部員は、かけつけ拳銃を乱射する。

しかし、まったく効かない。弾はつぶれて床に落ちるだけだった。

「こ、これが!マイグレーター・・・?」 センター長はその薄気味悪い物体を見て驚いた。

マーピック教授は下半身を呑みこまれた状態で連れ出されていく。

「ま!まて!」 センター長は右手を突き出し叫ぶ。

マーピックの顔は満足した表情をしている。

「マーピック!何をした!!」 センター長は叫ぶがマーピックは口を閉じたままであった。

「まてえぇぇぇ!!!」

待つはずはない。マイグレーターは異次元へと姿を消していった。


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 吉野は石黒と村上のリベンジを楽しんでいた。

すると吉野の斜め後ろに突然、一人の少女が急に現れた。テレポーテーション(瞬間移動)で

ここに現れたのだ。吉野は驚く事も無く・・・

「やっと召還に応じたのか?・・・リリス・・・」     

「ごめん・・・それより大変よ」 少女は少しあせった表情で言う。

「どうした?」

「マイグレーターがマーピックって言う教授をくわえたまま、こっちに向かってるわ」

「なんだと!?マーピックを・・・」

「あと、1分くらいでここに出るとおも・・・」

とその時、マイグレーターはここに姿を現した。

突然空間がひび割れて異次元とつながった。

ピキーン!ドゥゥゥゥゥーーー(ドムがパンチした時の音ね)

「な!なんだこいつ!!」 天白エイジは叫ぶ。

「い・・・!いかん!」 吉野は撤退の合図を出す。

「教授!!」 朋子は上半身だけのマーピックを見て驚いた。

教授は最後の力を振り絞り 「朋子君・・・すまない。君を巻き込んでしまった・・・」

「たのむ・・・この化け物を・・・マイグレーターを始末してくれ・・・たのむ!」

「い、いやああぁぁ!!」 朋子は半狂乱と成り叫んだ。

「またこいつか!!」 高志は前回のことを思い出した。

前回、高志達はこの物体に助けられたのだ。吉野達は戦いを優勢に運んでいたにもかかわらず

急に撤退をした。そしてこの物体も吉野を追いかけて消えたのだった。

しかし今回のターゲットは朝倉朋子だった。

「朋子君!・・・あの・・・パスワードは・・・君の・・・お母さんの・・・生年月日だ!」

飲み込まれる間際に精一杯の力でマーピックはパスワードを朋子に伝えた・・・

そして沈んでいった・・・。

「うそ・・・きょうじゅぅぅ!!!」 朋子は叫ぶが教授の姿はすでに飲み込まれてしまった。

マイグレーターは一瞬動きを止めた。そして見つけたように吉野のほうへ動き出した。

「やはりサイキックパワーを感じ取り追いかけてくるのか・・・全員撤退するぞ!」

吉野は撤退を余儀なくされた。

「しかし何故ここへ導かれたんだ?」 吉野は、ふに落ちない。

これはおそらくマーピックが何かマイグレーターを呼ぶ方法を知っていたとしか考えられない。

そして、マイグレーターを操って朝倉朋子のいる所まで運ばせたのだろう。

 その時!!

マイグレーターの回りにいきなり奇怪な物体が複数現れた。

7対も現れた。先ほどのリリスという少女と同じく瞬間移動で一瞬にして現れたのだ。

不気味な物体は血のような赤い色をしている。

そして二本の足で直立歩行をして手には武器装備している。

外見はトカゲか?カエルか? コブなのか?角なのか?・・・を頭に生やしている。(つのガエルか?)

目はどこを見ているのか・・・いや、全ての方向を見ているような感じである・・・

6体はマイグレーターを攻撃し始めた。

1対は高志達へ向かってくる。(やべー!)

「また邪魔かいな! なんやもう!!こいつでもええわ!!ボコったる!」 アキラは爆発して

その奇怪な物体に・・・

吉野達はほとんど逃げ切った位置にいた。

「田中!村上!半径 5kから離脱しろ!」

「了解!」

吉野は振り向き・・・ 「スラード族か・・・」 つぶやき

そして、リリスを見つめて 「リリス・・・お前が呼んだのか?」

「ふふふ・・・どう面白い?」 ちょっと勝ち誇った笑みを浮かべるリリス。

「ロケムに知られたら厄介じゃないのかね?・・・」 

「ぜんぜん平気よ。ふふふ・・・」 リリスは可愛い顔で笑うが、見ようによっては怖かった。

二人はマイグレーターを少し観察する事にした。

カエルの化け物にアキラは突っ込む!!

「そんなのやべーんじゃねーか!?」 エイジは言った。

「いや、この拳が一度ためしてくれと疼いてやがるぜ!」 高志の士気も高かった。(なぜ!?)

「おまえら・・・かえるのかっこうした化け物に普通、生身で行かんだろ・・・こっちも変身とかして・・・」

「おーい!こう言うのは戦隊者にまかしときゃええだろ!」 キョロキョロするエイジ。

「私も行くわ!」 ユリの目つきが変わった。

「ゆりさんまで・・・。そんなバカな!奇怪な化け物だぜ!おーい!最終回か?これって・・・」

  

三人はかえるの化け物・・・すなわちスラードに向かっていった。

つづく・・・



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