第18話
マンティス
2005 4/3 UP
「ほう・・良くやったなスコン博士」 センター長は、ゆいが超能力を使ってマーピック教授の
心からマイグレーターに関する情報を引き出したレポートを読み満足げに言った。
「センター長。ゆいが申しますにはこの情報はディスクに収められて第三者の手に渡ったと・・・」
「なに!!それはまずい・・・して、その第三者とは?」
「は、名前は朝倉朋子と言う教授の助手を務めていた者です」
「朝倉・・・そうか、あの女狐か・・・」 センター長はニヤけた。(悪代官か!)
頭の中でまたエロビデオのシナリオが構築されていく。(実は本業はエロ監督だったりして)
「んーーー良いシナリオになってきたではないか」 センター長はエロ目になっている。
「そ、そうだ!あの女狐にはこの前のパーティーの時に名刺をもらったな・・・」
「私が直接携帯で連絡を取ろう」 嬉しそうに電話をかけるセンター長。
「彼女には断る事は出来ないのだよ・・・ぬふはははははは!!!」
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マンティスと吉野達は・・・
「マンティス・・・か・・・」 吉野は過去にこいつと戦った事があった。
「こいつを生身の人間が倒す事は難しい・・・」 にらむ吉野。
「核弾頭でもあれば別の話だが・・・」 冗談を皮肉っぽく織り交ぜてつぶやく吉野。
「村上!田中!二人で力を振り絞ってホールドしろ!」
「了解!!」
さっそうとしたBGM入る!
村上 吉野 田中 ”三人のサイオニクサー”
「パーパーッパッパー」
それ幻魔大戦やんけ!!
ホールドとは押さえ込み、金縛り状態にする事で相手の自由を奪う事である。
念力を集中して押さえ込む。少しでも気を許すとホールドが解けてしまう。
吉野はサイキックを使った。体が見る見るうちにゆがんで空間に溶け込んでいった。
マンティスはもがきながらも吉野のほうを見ている。
田中と村上には吉野の姿は見えていない。
それは吉野が空間の狭間を移動しているからである。
しかしマンティスも空間の狭間を行き来できる存在が故に吉野の姿を見る事が出来るのだ。
空間の狭間とはエセリアルプレーンの事である。
我々が存在するこの次元と他の次元をつなぐ空間とでも言おうか。
一番我々の次元に近い異次元である。
そこに入り込むと景色はまったく我々の次元と同じである。ただ・・・
色というものが無くモノクロの世界になるのだ。
そして壁や床等の障害物は見えているだけでそこに存在していないかのごとく
すり抜ける事が出来る。有機物(生命体)をすり抜ける事は出来ない。
異次元人(マンティスも含む)やサイキッカーが壁をすり抜けるのも、一旦この
エセリアルプレーンに入り込み、壁を抜けてからまたもとの次元に戻る事で
あたかもそう見えると言う事なのだ。
このままでは勝ち目がないと悟った吉野は、マンティスのパトロンすなわち藤堂麗子を
速やかに発見してコントロールを断ち切るしか方法は無かったのだ。
吉野はいくつかの壁を通り抜け、各部屋を探した。
「いた!!」 吉野は藤堂麗子を発見した。
呆然と疲れ切ったように、たたずんでいる藤堂麗子はとてもマンティスを操っているようには
見えなかった。
麗子の全身には守衛を殺した時に浴びた返り血が ベットリ付いている。 「こ、こいつかなり強い・・・ホールドしきれない・・・」 村上はうなり声を上げ始めた。 「くっそーー!」 息が荒くなった。限界に達したのだ。 吉野は麗子に近づき実体化した。 吉野が近くに来ても麗子はずっと放心状態である。 「いちおバリアーを張っているらしいが・・・そんなものでは・・・」 吉野は精神に働きかけるサイキックを打ち込んだ。 「いやあああぁぁぁぁ!」 麗子はのけぞりかえった。 その瞬間にマンティスが姿を消していく・・・ コントロール不可となったのだ。 「このような意思では・・・容易過ぎるわ・・・」 簡単であった。麗子は一般の人間以下の意思しかなかった。 精神的に病んでいた彼女には吉野のそれに 対抗する力は無かった。 |
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「吉野様ここでしたか・・・」 村上と田中がやっとこの部屋に入ってきた。
吉野がエセリアル経由で麗子の部屋に来たので二人はこの部屋を探し出すのに
時間がかかったのだ。 「連れて行け」 吉野達、三人組は藤堂麗子の捕獲に成功した。
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一方・・・朝倉朋子はマイグレーターに関する情報を読んでいた。
異次元よりさまよっている物体で生命体であって生命体ではない。
人間に隠されている潜在能力を覚醒させる力を放って移動している。
しかしその力は今の世界では使わなくても良い・・・いや使っては成らない力である。
おそらく覚醒した者の人生を大きく狂わせ、そして覚醒したもの同士の戦いが始まるであろう。
私はマイグレーターの存在を心のどこかで否定したかった。がしかしマイグレーターの存在を
裏付けるものを手に入れてしまった・・・
これより先はパスワードでロックされている。(おいおい寸止めかよ!!)
その時、朝倉朋子の携帯にセンター長から電話がかかってきた。
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「朝倉朋子さんでしょうか?」 「は、はい」 「レフィカル心理学研究所の・・・」 「あ、いつもお世話になっております」 「じつはマーピック教授をこちらで預かってましてね」 「え?・・・」 「マイグレーターのディスクを持ってこちらに来て頂きたいのですが」 「マイグレーターの・・・ディスク・・・はっ!」 朝倉朋子はそう言う事だったのかと悟った。 マイグレーターに関する秘密を守る・・・だれから?・・・ 狙っていたのはセンター長だったと確信した。 しかし事は慎重に運ばなくてはと朋子は思った。 「わ・・解りました。今からお伺いいたします」 朋子はだいたいの事が予測できた。 恩師であるマーピックを救助しなくては・・・。 そして彼の財産であるマイグレーターに 関する研究資料を守らなくてはと頑なに心に誓った。 |
つづく・・・
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