第17話
少女ゆい


2005  3/27 UP

  マーピック教授は抵抗も無いまま連行された。

吉野にはマーピックの心境が解っていた。それは人生をかけて築き上げた

ものを失った男の心境であった。吉野の気持ちも複雑であった。

「また・・・崩れる音を聞いてしまった・・・つまらぬ物を築き上げ・・・そして崩れる・・」

タバコをアスファルトで消し、吉野も自分にかぶせていたマーピックへの気持ちを消し去った。

「よし・・・研究所まで搬送するぞ」

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センター長は、ここ最近見せたことのない笑顔を見せつつ高笑いをした。

「ふぁ はっ はっ はっ!!!」 (いつもならここで止め絵になってつづくとなる)

「よくやった。では早速尋問に入れ!」

「これでマイグレーターの情報が手に入る」

センター長は笑いをこらえる事は出来なかった。

「はははははは!!」 「ふぁはははははは!」 (まだ笑っている)

これ以上センター長にカメラを向けていても笑っているだけなので次へ行きます。

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 所変わって高志達は・・・

「どうもなにがしらの研究をしているようだ」 エイジは言う。

「あいつらきっと悪の組織だぜ・・・危険極まりない」 

「シャドールーかも・・・」

「まあとにかくだ。リベンジをしたいんや」 アキラは怒りを抑えられない。

この三人に水をさすようにユリは

「みんな待って。どうして危ないと解っててそこまでこだわるの!?」

高志は 「俺はあの究極奥義をもう一度見たいんだ・・・そして、俺もそれをマスターして

もっともっと強くなりたいんだよ」 高志の目には炎が渦巻いた。

アキラは 「おれはどうしても納得いかへんのや・・・負ける気のしない奴に負けた。

このままでは自分を見失いそうなんや。」 アキラの目に稲妻がほとばしる。

「・・・・・・・・・・・・・・」 一瞬間が空いた。

次ぎ話すはずのエイジにみんなが注目している。なのにエイジも聞き手にまわっている。

「天白の番やで・・・何か言わな・・・」 突込みが入ってエイジは

「お、おれか?・・・・・・・・・」

「俺は・・・お前・・・そ、そう・・・悪の組織に立ち向かうんだて」

「だから何で立ち向かうんだよ。理由!理由を話せって」

「そりゃ・・・お前・・・なんか良い事あるかもしれんだろ?」

みんなエイジの目に映る物に注目した。

$マークが映っていた・・・ (なんでやねん!)

「とにかく俺達はこのままでは気がおさまらねえ!」 三人はハモル。

「ユリさん刑事さんなんやろ?絶対邪魔はせえへんからさ、たのむわ、このとおり」

アキラは土下座した。

「し、仕方ないわね・・・」 

高志が 「でもこいつは絶対邪魔になる。というか目に$マークやし」

「なんか盗むとか、えらい悪い事しそうや」 アキラも付け加える。

「ちょっと、まてってその$マークって何!?映らんてそんなもの」 (たしかに)

「わははははは!!!!!!!!!!!!!」

笑い声が響き渡った。


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「センター長。マーピックは強情な男で口を割りません」

「マッチョに任せたのか!?」

「はい!そのマッチョがお手上げだと・・・」

「なに!本当か・・・くそ、マーピックめ・・・」

「お待ちください」 

扉の向こうから白衣のスコン博士が入ってきた。

「おお博士。何か良い策でも?」

「この子に任せていただきたいのですが」

見るとその少女は今ベッドから起きたばかり

という感じで熊のぬいぐるみを抱えている。

「・・・・・」 センター長は一瞬考えたが

スコン博士に対する今までの信頼から

「任せよう。では早速取り掛かってくれ」

「かしこまりました」

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「だめだ・・・これ以上やっては生命力に関わる・・・」 筋肉質の男が4人、汗をかき・・・(べそだろ?)

「これ以上の肉体的苦痛を与えても無駄じゃ」 スコン博士が入ってきた。

「ゆいちゃん。あのおじさんに良い夢を見せておあげ」 スコン博士が言うとゆいはコクリとうなづいた。

マーピックは全身に苦痛を浴びているのだが、表情一つ変えていなかった。

精神学の中には神経を遮断することで肉体的苦痛を感じなくする方法があると言う。

マーピックはそれをマスターしていたのだ。がしかし・・・

「うう・・・うううう・・・・」 マーピックは苦しい表情になり声を上げ始めたのだ。

「これでマイグレーターの情報も入手できると言う事だ」 スコン博士はニヤけた。


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 吉野たちは藤堂麗子の確保する事になった。

「相手の力を未確認のままってのはちょっと・・・」 田中は車にノートパソコンを置き去り渋い口調で言った。

「時間がない。センター長はすでにマイグレーターの情報を確実に入手できると言った」

「情報を元に次の手を打つには藤堂麗子の力が必要なのだ」

「強襲をかけるぞ」

「了解!」 村上と田中は何時までもぼやいてはいなかった。

それはまるでSWATが突撃するかのごとく見事に屋敷に侵入していく。

「うっ!これは!?」 村上が見たものはこの屋敷のガードマンの死体だった。

「吉野様!もう始めたのですか?」 田中は言った。

「いや、わしではない」 吉野はガードマンの死体を調べた。

「こ、これは!」 吉野は目を見開いた。

「何も外傷はないようですが・・・」 村上は言う。

「お前達に私の思考を送る」 吉野の目で見たままの画像を思考としてテレパスで

二人に送り込んだ。

「これは!」 二人は驚いた。ガードマンの首筋がパックリ切られている。

「マンティスの仕業か・・・・」 吉野は考え込んだ。

その時、壁からニュキっと大きなカマが生えてきた!

「いっ!いかん!!」

「後退しろ!!」 

「うあああ!!」 田中がそのカマの犠牲になった!

「間に合え!」 吉野はサイキックを使い田中にフォース(バリア)を張った。

間一髪、フォースが早くできたおかげでその一撃を防ぐ事が出来た。

マンティス・・・それはカマキリである。壁を通り抜けて廊下に躍り出た。

でかい・・・高さだけで3mはあるだろう。まともに戦って勝てるはずがない。

そして半透明な体質で壁や床をすり抜ける事が出来るらしい。勝ち目はない。

はたしてこの三人組は生き延びられるのか!?

つづく・・・

                       マッチョ


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