第11話
マイグレーターとよばれし者
2005 2/6 UP
中場ユリは幻覚を見せられていた。自分が屈辱的に犯されていく・・・。
彼女は超能力のおかげもあって、肉体的には男性にすら負けたことは無かった。
現にオレロフとの戦いにおいても負ける事は無かったのだ。
がしかし、吉野はユリの心に入り込み抵抗できない彼女をもてあそんだのだ。
「人間の体というものはそう言ったものだよ。」 吉野は気合を込めた。(こめるな!)
「私にはどの神経を刺激するとどのような感情におちいるのかが解る。」
「さらに、どこを刺激すれば体がこうなるのかもな!ひゃひゃひゃひゃ!!!」
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吉野が神経を刺激するたびにユリは失禁し続ける。 彼女の意思ではもう我慢する事は出来ないらしい。 「お前の体はかなり鍛えられているようだが・・・直接神経に刺激を与えると・・・」 「あああああぁぁぁ!!!」 ユリは地面にのけぞり返った。 今まで味わった事のない激痛だった。 「この激痛は耐えがたい。失神しようと体は働くはずだが・・・そうは、させん。」 「あああああぁぁぁ!!!」 もんどりうつとは、まさにこういった状況なのだろう。 人間の感情は恐ろしいものだ。もしこの小説がゲームだったらどうだろうか? おそらく君はユリがどの様にもんどりうつのか? 刺激を強めるとどうなるのか? きっとユリが動かなくなるまで験すであろう・・・ 吉野はその感情をむさぼっているのだった。 |
それを見ていた徳重高志は限界を超え、阻止するために突撃した。
「やめろぉぉぉーーー!!!」
力強く地面をけり突進する。田中がブロックに入るが・・・
田中は高志のボディで一発で沈んだ。
村上は一歩間に合わなかった。
吉野はターゲットを高志に合わせサイキックを打ち込んだ。
高志の動きは止まる事は無く突進して来る。 「なっ!なぜだ!!」
「吉野!そいつはキャンセラーだ!」 オレロフが叫んだ。(オレロフ合流)
キャンセラー。組織内の用語でサイキックを打ち込んだ際にそのサイキックを跳ね返す
ことが出来る者。
「どおおおーーーーーー!」 吉野はぶっ飛ばされた。
すかさずマウンテンスタイルに持ち込む高志。
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「くそ!俺のサイキックが・・・」 オレロフは今また高志に攻撃したが、やはり効かなかったのだ。
吉野の顔がくしゃけて行く。
村上は腰の入った蹴りをかます。 「ゲシッ!!!」 高志には効かない、いや気づいていない。
「てぬるいっ!!どけっ!!」 オレロフは離れた所にあった鉄のくい(ロープを張って柵にする奴)を
超能力で地面から抜き取りとそのまま高志に襲い掛かった!
肩に突き刺さる鉄くい。
「なっ!なんて奴だ!なんとも感じないと言うのか!」 オレロフは信じられないと言う表情だった。
肩に鉄くいが突き刺さったままマウンテンスタイルでボコボコニしまくる高志にオレロフと村上は
とりあえず引きはがそうとする。
吉野の体は徐々に液体になり地面に吸い込まれていく。
これには高志も驚いたらしく 「な、なんだ!?」 われに返った。
数メートル先で吉野は地面より生えてきた。 「小僧・・・」 顔がボコボコだが次第に治っていく。
「よ、吉野様」 村上も驚いている。田中も起き上がって、やはり驚いている。
「オレロフよ。こいつはキャンセラーではない。」 吉野の眼鏡も治ったらしく怪しく光った。
「キャンセラーじゃないって?じゃあこいつは・・・・」
「ブランカーだ。」 吉野は眼鏡の位置を補正しながら冷静な表情で言った。
「ブランカーだと?!!!」 オレロフ、村上、田中、三人とも驚く。
「生かしておくな!!殺せ!!」 オレロフは腰のサバイバルナイフを抜いた。
その時!!
「ピキーン・・・」 「ピキーン・・・」 「ピキーン・・・」 この音は一般の人間には聞こえないであろう
周波数である。しかし特別な力を持つものにはしっかり聞こえている。
「何だこの音は?」 オレロフたちは振り向いた。
すると!!!
突然空間がひび割れた。
「い、いかん!」 吉野はあせった口調で言った。
空間は異次元とつながっているのか?中から大きなナメクジのような物体が現れた。
ガコーーーーーー!!グイングイン!!!
いちばん近くにいたオレロフにナメクジは突っ込んでくる。
「邪魔しやがって!!」 オレロフはサバイバルナイフで襲い掛かった。
「オレロフやめろ!撤退するんだっ!!」 吉野はそう言うが早いか走り出していた。
田中と村上も何かわからんがとにかく逃げる事にした。
「ガッ!!」 オレロフは何かの攻撃を感じ取り、バリアで対抗した。
しかしその攻撃力はオレロフの防御値を上まっていたらしくバリアはとけてしまい
攻撃をモロにくらった。
「あうううう・・・・」 オレロフの体は固まり、目は白目をむいている。
「ひい・・や・め・ろ・・・」
「うわあああぁぁぁ・・・」 そしてナメクジの体に飲み込まれていった。
顔らしい物があるのだが悲しそうな美しい女性の顔が浮かび上がっている。
よく見るとそう言った模様か、しみにも見える。
よく岩にしみが出来てそれを心霊現象とか言われるようなそんな感じでハッキリしている訳ではない。
ナメクジは吉野たちを追う様に去っていった。
「助かった・・・いや・・助けられたのか?」
「あ・・・あれは何だったんだ???・・・」 高志は何がなんだか理解できなかった。
あまりにも無茶な体験で頭がおかしくなりそうだった。
結局、エイジは石黒を、高志は中場ユリをかついでその場を去った。
次に石黒晶が意識を取り戻した。
「無理すんな。家まで負ぶって行ってやるって。」 エイジはつぶやいた。
「すまねえ・・・みんな無事やったんか?」 晶は心配そうに言った。
「ああ、弟達も無事だ。」
「お兄ちゃんしっかり・・・」 気がついた兄に泣きながら弟達は近寄る。
「何や疲れてしもうたわ・・」 晶の心中には屈辱と敗北感が渦巻いていた。
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高志はユリを自分の部屋に連れて行きベッドに寝かせた。
ゴッツイ、アーミーのベストを脱がせた時にペンダントが光った。
「こ、これは・・・」 高志はあわてて机の引き出しを引っかきまわし始めた。 「あった!・・・・」 高志は彼女の身に着けているペンダントと同じ物を 引き出しの小箱から取り出した。 それは二つの頭を持つ鷲をかたどったプラチナの ペンダントであった。 「こんな妙な物を持ってる人が、他にいるはずがない・・・」 理解に苦しむ高志。 ペンダントが徐々にアップになる・・・ |
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一方 吉野たちは・・・
「オレロフの事は残念ですが、被害は最小限に押さえられました。」 吉野は携帯で話をしていた。
「はい。では至急研究所に帰還します。」
「やはり、この次元をうろついていたのか・・・」 吉野は明るくなりつつある東の空を見てほくそえんだ。
センター長のアップ
「ぬははははは。やはり存在するんだ。間違いではなかった。」 拳を握り締めている。
「マイグレーター・・・情報収集してなんとしても捕獲せねば。」
センター長の後ろから覆いかぶさるようにナメクジの化け物が・・・そして
希望に満ちたセンター長の笑い声とともに止め絵になり
つづく・・・