第七話
拳に秘められた力


2004 12/11 UP
 

 幼い頃から中場ユリは叔父の家に預けられて両親というものを知らなかった。

彼女は不思議な力の持ち主だった。小学生の頃、よく男の子と遊んでいたのだが

貸してもらったミニカーを壊してしまうとか、持っていたおもちゃが壊れてしまう・・・

一緒に遊んでいて彼女が興奮すると手に持っていたおもちゃが壊れる。

彼女の手の平から何がしらの力ががあふれ出るようだ。

 
 その力をコントロールし今、悪漢を退治しようと息を潜めていた。

今回の任務も彼女にとっては簡単な事だった。ハンバーガー屋の店員がレジを打つくらい

簡単な事だった。しかし・・・オレロフが彼女に接近していた事が最大の危機だったのかもしれない。

 「へへへ、そうともよ・・・。俺の体にはあの女への怒りが居場所さえも探知するのさ・・・」 

やばい・・・オレロフが来た。


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 同じ頃、石黒晶と徳重高志の決闘が始まっていた。

  VS  

「ゆるさへんで、妹達をどこへやった!?」 

「訳のわからねえ事言ってんじゃねーぜ!」

晶の回し蹴りはがっちり腕でガードする高志。 「いつまでガードできるか、骨が折れるで!」

高志の攻撃は全て回避される・・・ 「こいつ・・・ものすごい反射神経だ・・・動体視力はサル並みか?」

晶はにやけた 「そのスピードではオレを捕らえられへんで」

回りの連中は息を潜めて見守っている。どちらが勝つのか?

高志は仕方がないので 「相打ち覚悟だな・・・」 晶が撃って来るのにあわせて攻撃を繰り出した。

「おおおおぉぉぉぉ!!」観衆はどよめいた。

晶がよろめいて倒れた。綺麗にカウンターが決まった。 「モロに決まったぜ・・・ぐっ」 高志も膝をついた。

観衆は興奮状態に歓声を上げている。そして天白エイジの策略が始まった。熱中しているシーサイドの連中を

片っ端から闇討ちにしていったのだ(後ろの方から)。 

晶と高志はふらつきながらも立ち上がった。

「あかん・・・綺麗に相打ちに持ってきよる、しゃれんならん。」

二人が体勢を立て直した時、回りがおかしいのに気がついた。 「なんやみんなも始めよったんか?」

シーサイド連合チームとバシリスクの喧嘩が本格的に始まってしまったのだ。

それは8時だよ全員集合のカーテンコール時の舞台が回るときに流れるBGMが聞こえてくるようだった。


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  一方、中場ユリは外国人密売組織の逮捕に成功していた。

 犯人は4人だった。しかしオレロフが到着した。

 「4人相手に簡単なものだな。」 

 オレロフは怒りに震えながら言った。

 「あなたは・・・」 鋭いまなざしでユリはオレロフを見つめた。

 「思い出したか?」

 「あの晩二人で・・・汗ばむ、壊れかけたビーチハウスでの・・・」 

「し、知らないわ!あなたなんかと・・・」 ユリは顔を真っ赤にして言った。

「なに!!」 知らないという言葉に怒りを覚えたオレロフはユリの思考を読み始めた

「あの時のお前はすごかったな・・・」 ユリの思考 (すごい・・なにがすごいのかしら?)

「オレの一撃を受け止めたのはお前が初めてだった・・」 (一物?を受け止めた?それってHをしたっていう事?)

「こ、このアマ・・・」 何か履き違えているユリの思考にまた怒りが倍増したオレロフ。

「お前の攻撃は効いたぜ。いいもの持ってるじゃないか?」 (え!それってほめてるの?私って〇器?な・・の・・)

「あの感触をもう一度、味あわせて欲しい物だ」 (〇×〇×!!ooOOoo!! OOOoooo!)訳わからん!

この女、天然か?オレロフは怒りが爆発し 「ふざけやがって!!もうええわ!!」

倉庫にある木箱が次々と浮遊し始めた。

「なっ!何?」 (ナンパじゃなかったの?) 「あほか!小娘!!」

木箱がユリに飛び掛る。

ユリは何とかかわすがそのスピードのは限界があり、すべてをかわす事は出来なかった。

その時、拳からオーラが発生した。そして飛び掛ってくる木箱を破壊し始めた。

「で、出たな!あのオーラだ・・・」 

「格闘家よ。肉体では私の攻撃は防げない事を教えてやる。」

 オレロフは金属のかたまり、鉄パイプやスクラップ

になった鉄板の破片などの山を浮かせ始めた。

 「その拳を潰してやる」

鉄くずが襲い掛かる。

ユリが拳で防げば格闘家の命と言われる拳が

ズタズタになってしまう。

「どうする!!小娘!」 

オレロフはユリの結末を想像してニヤけた。

「グワン!!ガッシャン!!」 「キャッ!!」 「ドゥイーーーン」 「なに!!」

「鉄のかたまりをはじいたというのか!!」 想像と違う展開になったオレロフは動揺を隠せない。

「PKバリアーか!!」 オレロフの顔が止め絵になる。

”PKバリアー”サイキックバリアの事でサイキックフォースとも言う。まあ、とにかく何か不思議の力を

用いて相手の攻撃を防御する。細かく言うとこのPKバリアーにも色々な種類がある。

シールド(盾)状な前面防御型。シェルター状のオールラウンド防御型。物理的のみを遮断するとか

念動力(精神支配、精神破壊)のような目に見えない攻撃を遮断するとか。それはいく種類もあるのだ。

ユリはそのバリアーを張る力を持っているという事なのだ。ただ、相手の攻撃を防げるかどうかはお互いの

ちから比べによる。

「クッ!やはりこの小娘。サイキッカーだった・・・しかも、これだけ戦えるとなればすでにウオリアーだな」

そう、中場ユリはサイキックウオリアー(超能力戦士)だったのだ。(超能力せんしー♪たがためにー鐘が鳴るー♪)

(中場ユリがクローズアップされてBGM入る)


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 「センター長!!ブラインドのモニターに画像が!!」

「なに!!!」

ブラインド(二話参照)の思念が送るモニターに中場ユリらしき少女の画像が映し出された。

拳からオーラ、黒い服装、少女、少なくともこれくらいの情報ははっきり解るが、実際のユリの

顔がはっきり映し出されるわけではないようだ。あくまでブラインドが感じる思念を映し出すだけである。

夢に出てくる人物を画像にするとやはりそんな物だろう。

「吉野!場所はわかるか?」

「場所は・・・港の倉庫地帯ですな」 オレロフがそこに向かった事は吉野の心で止めてあった。

「よし、早速そこへ向かい捕獲するのだ。」


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 一方の高志たち、健全な少年達はえらい事になっていた。もうバトルロイヤルであった。

ただ、判別できる者に聞くと 「ただいまの状況は7対3でバシリスクが優勢です。」 だそうだ。

しかし高志は20人くらいに囲まれてボコられていた。 「くそーっ!!何でこんなふうなんだよ!」

「石黒!」天白エイジが呼んだ。見ると妹と弟を連れてきていた。

「千恵!鉄平!無事やったか!」 晶は涙目になった。

「さあ、この子らを連れて離脱するんだ」 エイジは裏道を案内する。

そうとは知らない高志は白目をむきながら戦っていた。限界値を今越えようとしていた。

「何だこいつ白目むいて戦ってやがるのか?」 一斉に飛び掛り袋状態になったその時!

高志はぶち切れた 「うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」

エイジ、アキラが振り向く(止め絵)

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 「センター長!!今度はモニターにブランカーの映像が映し出されました!」

「なに!!!」

しかしブラインドが悲鳴をあげあえぎ始めた。(誰かエロい画像UPしてー笑)



「場所を特定しろ!!」

「場所は・・・・」

ブラインドの状況はまるで女性が昇天するかのごとくであった。そしてぐったり倒れた。

(ここをもう少し解説したいねー。Hゲームだったらここのシーンが長いのだろうなーくやしい・・・)

「ブ、ブラインドに何が起こったのだ。・・・あのような反応は私との間にも無かった。」

「くっ!満足そうな顔をしよって!!」 (センター長もくやしいらしい・・・)

「センター長!場所の特定は出来ませんでした。」

「エネルギー値がこれほどの数値を出した事はありませんよ。」

「何が起こったのだ・・・?デーモンでも降臨したというのか?」

センター長の顔が少しずつアップになり、止めが入る・・・

ここでフェードアウトしつつ エンディングテーマが流れる・・・

つづく

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