第五話
覚醒(前編)
2004 11/24 UP
「俺の名は北村信吾(きたむら しんご)。フリーアルバイトと言えば聞こえがいいが、結局のところ無職だ。
最近ではろくな仕事が無い。
就職マガジンなるのもを読み週に1回ペースで就職活動をしていたが・・・
書いてある事は条件的によい事ばかりで、いざ入社すれば真っ赤なうそだったりする。
あれは、募集要項によい事を並べて一人でも参加してもらいたい・・・結局大嘘だ。
俺が長続きしないんじゃないんだ。そういった嘘を書きならべている会社が悪いのさ。
嘘じゃなけりゃ今頃、主任クラスだぜ。彼女もできているはずだ・・・きっと社内恋愛だな。
そんな俺にも一つ良い事がある。
家賃の安いボロアパートに引っ越してきて半年だが、ここに越してきた理由の会社はとっくに退社した。
そしてなにより広い大通りに出る一本手間に洋風の一軒家がある。
良いこととはそこに住んでいる人妻がなんと言っても美人という事だ・・・
![]() |
彼女の名前は朝倉朋子(あさくら ともこ) 28歳、血液型 A型 職業は府立大学の心理学教授のマーピック氏の 助手を務めている。 マーピックは今、品川研究所で彼女とともに研究をしている。 心理学なんてのは俺に言わせれば 占いに毛が生えたような物さ。 (ちゃうって) |
そして旦那は俺もちょくちょく会うこともあるんだが、パチンコ仲間さ。
なんでも今はファイナンシャル・サクセス・インテリジェンス(FSI)とか言う事業を興してるらしくて、
俺も一回誘われたんだが、意味が解らなくて・・・それに金が無くてな・・・資本金がいるらしい。
まあ、世の中儲かる話が無いからなー。
で、そんな旦那さんは前の仕事で多額の借金抱え込んだらしくて
金が無いくせに儲けていた頃にかよい始めたパブに今も行かなきゃならねえから、
金融に手を出しちまってる。
家で彼女が待ってるってのにな・・・。まあでもそのほうが俺にとっては都合がいいんだが。
彼女は決まって水曜日はわりと早く帰ってくる。ここがポイントだ。
旦那が水曜パチスロにはまってるから12時までは帰ってこない。
しかし金曜日の晩は彼女も旦那も帰りが遅い。」
この男の独り言はこの後も延々と続く訳だがここからは解説も入れたほうが良いだろう。
北村は実のところ朝倉朋子にストーキングしている。
北村の部屋には彼女の下着から靴下、使い終わったティッシュ、制服、靴髪の毛、歯ブラシ、コップなど
私生活用品を窃盗している。さらに盗聴、盗撮をして、編集をしオリジナルDVDを作ったほどだ。
また、重症のストーカーに見られる行為はほとんどしてきた。
そして今夜は水曜日の晩、彼女が早く帰って来る日だ。
「いや違うね。早く帰ってくるけどまた出かけるんだ。今日は研究所の連中と立食パーティーだ」
「へへへ・・・帰りは11時コースだ。」
北村は黒い服で目立たなくしている。どうやら今夜はまた進入するらしい。
最近になって北村はこう言ったチャンスを逃さない。
彼女が鍵を閉めて出掛けて行く。 隠れていた北村は彼女が出かけてからそっと玄関にやってきた。
「鍵って奴はちゃんと持ってでかけようねー」 隠し場所を知っている北村は難なく玄関から侵入した。
玄関に入ってまず、靴を大事そうに抱えた。 「今日も一日ご苦労様。くんくんってかー!たまんねー」
次にトイレにかけ込んだ。 「この便座、まだあったかい・・・すりすり」 (それは保温機能だて)
「こっ!この毛は!・・・・・・・・・・・・・旦那の可能性があるな・・・やめとこ」
そして、寝室に 「このベッドがまたたまんねー!」 体でたっぷり味わっている。
ベッドの下に引き出しがある。そこには下着類が隠されている。
しかし今の北村にとっては洗濯した後のものでは満足できなかった。
そして 「今日の分はまだ洗濯してないかも・・かも。」 浴室に走る。
「斬念!!」 洗濯機は回っていた。
だが北村は浴室に眼をやった。 「湯がはってあるじゃんー・ラッキー!!」
![]() |
一方、彼女は 「今回の研究を立証するにはまずあのセンター長を 納得させる説明が必要ね・・・」 「ああ・・・でもあのセンター長どうしても肌にあわない のよね・・・」(そりゃあわんわ) 「なんか、むっつり助平っぽいし・・・」 「あっ、しまった。発表する資料を忘れたわ。」 「気づいて良かったー」 「まだ間に合うわ」 今夜のパーティーで発表する大事な資料を 家に忘れていたのだ! 慌ててひき返す朝倉。 しかしその頃、見ず知らずの男が一風呂浴びているとは 誰が想像できようか・・・ 「ああぁぁぁ・・・ええ湯じゃーーー・・・」 「このお風呂に彼女もつかったのね・・・むふ」 「じゅるじゅるじゅる・・・」(のむなー!!!) |
さて、このあといったいどうなることか?!
つづく