第四話
策略
2004 11/21UP
徳重高志はかねてからの決着をつけるべくして倉庫へ向かっていた。
暴走族同士の喧嘩がそこで行われようとしている事、
密売組織が取引をしようとしていることなどまったく知らなかった。
彼はこの倉庫で天白エイジと決着をつける。ただそれだけだった。
薄暗くなって辺りの外灯がともり始めたころ、高志は倉庫に着いた。
「き、来ましたぜ!」 かなりあせった声でサブは言った。
遠くのかなたからバイクの廃棄音が聞こえる。「ボンバー・ボボンバー」「ボオン・ボン・・」
しかも20台や30台じゃない・・・100台近くいるようだ。
そしてそれはどんどんこっちに近づいてくる。
「まさかここに来ないだろうな・・・?」ちょっと士気が落ちた高志だったがそれより決着だった。
「天白エイジ!出でこい!」 高志は叫んだ。
石黒アキラは 「あいつ・・・徳重・・・」 なぜあいつが?という顔で高志を見つめる。
エイジが言う 「実はなアキラ。あいつシーサイドの頭なんだよ。」
「えー!!ほんまか!!」 アキラは度肝を抜かれたような顔になり驚きを隠せなかった。
「全てあいつの仕組んだ罠だな・・・」
「幼い子供を盾に俺たちのグループ”バシリスク”を解散させ吸収する気だぜ。」
「そんなあほな!?オレ関係あらへんやん!!」
「それがあいつの手口なんだ。前もやられたんだ。」エイジは説得モードに入った。
「きっと何ぞで調べたんだな。クラスメートらしいな徳重とお前は?」
「ああそうだけど・・・」
「そんなもん学校で調べればすぐだて。兄弟がいるのに気づいた徳重は目の色変えたんだぜきっと」(それはあんただろ・・)
そこへサブが来て言う。 「エイジさんシーサイドの連中が来ましたぜ!」
エイジはにやりと笑みを浮かべて 「それ部下が到着したようだぜ!」
「あのやろう・・・そうやったんか!」
「まあ、部下は俺たちが何とかするから、徳重をやれや」 エイジは笑いをこらえるのが必死だった。
「ゆるさへん!ゆるさへんで!」 アキラはこぶしを握り締めて出て行った。
「エイジさんどうします?」 サブが問いかける。
「あいつらがタイマン張ってる間にシーサイドのやつらを囲み、後ろから木刀で闇討ちにしろ。」
「了解しやした!!」サブは早速部下に伝えに走った。
エイジはこらえていた笑いをやっと開放しながら 「やつら100人はこれで全滅だな。かるいもんよ」
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一方、鼻のとがった外人”オレロフ”は、ようやく倉庫の近くに来ていた。
(こえーー書きなおそうかな・・・笑)
「何だ?バイクがたくさん集まってやがるな・・・ガキどもか?」
その時、携帯のバイブ機能がふるえた。 「なんだ?」
相手は吉野だった。 「センター長がお呼びだて。いったいどこで油を売って居る?」
「うるせーな・・俺は心の傷を癒すために・・・」
「あの女か?その事なら我々も力を貸すといっただろ!?」
「へッ!力を貸すだ?。ひっ捕らえてブラインドみたいに研究材料にする気だろ!?」
「組織の命令にそむくつもりなのか?オレロフ!我々は単体では生きてはいけない事を忘れてはいないだろうな?」
「解ってるって。だがあの女にリベンジしねーと心の傷が癒されねーんだよ!あんたもわかるだろ!?」
「ああ・・解って居る。しかたない。明日の朝、顔を出すんだぞ。あまりセンター長を怒らせるなよ。」
「了解」 オレロフは携帯をしまって夜空を見上げた。そこには一つ強く輝く星が見える。
「ガキのころから、あの星が自分だと信じていたが・・・大人になるに連れて・・・やめやめ」
「今はあの女をたたきのめす事だ。そこから始まる・・・」
大の男(しかもこの男なにやら凶暴そうだ)が女一人にこだわる・・・
自分の信じていた物をその女にごそっともっていかれたに違いない。
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暴走族グループ、シーサイドの連中はバイクを各々停止して徳重高志と石黒晶のタイマンに
本日の余興と思い込み楽しげに注目している。
「石黒!?」 何故ここにいるのかまったく見当がつかない
高志はこれからこの石黒晶とタイマンするとは思ってもいなかった。
「俺の空手は我流やけど、お前みたいな卑怯な男には負けへんぞ!!」
「はあ?」 高志はよくわからない。天白エイジとタイマン(一騎打ち)をして、決着をつけるはずが
なんかシーサイドの連中に取り囲まれるわ、クラスメイトの石黒晶はでてくるわ・・・わけわからん。
解る事はこの石黒は喧嘩空手でめっぽう強いから、このまま戦ったらただではすまないという事と
その後この100人の暴走族グループはまさか襲ってくるのでは・・・という不安だけだった。
さていったいどうなることやら・・・
つづく・・・
天白エイジ 暴走族グループ”バシリスク”のリーダーである。
腕力もさることながら、なんと言っても口がうまく策略に長けている。この男に主人公達は
いささかかき乱されるわけだが・・・