第二章
エルフの森
その一

2005 09/11 UP

     ”エルフの森 プロローグ”

     

     
            
 
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 エルフ族(妖精族)が営む村ラジアンへ向かう一人の男性エルフが居た・・・

彼の名はエルモアという。ワインシルバーの指輪を取り戻すため、危険な人間の街へ探索に出ていたのだ。

そして運良く指輪を手に入れて村へ帰ってきた・・・

     

 エルモアは帰りの道中で森で迷った一人の老婆を助ける事となったのだ。

     


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 その頃、ラジアンの村では・・・・

     

 「このままでは村があぶない!長老!!」 若いエルフのシルムは感情的に言った。

「うむ・・・」 長老はパイプをふかしながらうなずく。

「良い考えがある」 長老は何かひらめいた。

「何ですか?」 モグレフは希望を抱く・・・

「エルフの魔法を思い知らせるのじゃ」

「しかしながら魔術師がラジアンにはもう居ませんよ」 モグレフは絶望なまなざしである。

「ルトルサが居ったじゃろう。あやつはやってくれるぞ・・・」 長老は煙をふかす。

「ルーは6年前から姿を消しているのはご存知でしょう?」 モグレフは額に汗をかきながら言った。

「やってはくれませんて」

 そこへエルモアがもどってきた。

「只今戻りました。長老・・・」

シルム、モグレフ、長老の視線はドア越しのエルモアに集中する。

「こっ!これは!?」 三人の目の色が変わった。

エルモアは一人の老婆(人間)を抱え込んでいるではないか!



「村の入り口に倒れこんで居たんだよ・・・」 老婆を支えながらエルモアは言った。

「入り口は幻影魔法で隠されているはず・・・どうやってそれをかいくぐったのじゃ・・・」

「まさか!?この人間・・・魔法使いでは!?」 モグレフはあせった表情を隠す事は出来ない。

「危険だ!」

そこへ間髪入れずにエルモアが 「待ってくれ!!」

「モグレフ!この人は弱体している!」 何とか説得しようとするエルモア。

「人間なんか信じられるか!!」 シルムが叫んだ。

「エルモアも知っているはずだ!人間がどんなに野蛮で危険な生命体だって事を!」

シルムは身を乗り出して叫んだ。

     


     


 エルモアは自分の家で婆様を休ませることにした。

少し落ち着きを取り戻した婆様に熱いココアを入れて

ほんの少し村についての話をした・・・

     




     


黒い炎を吐く漆黒の竜・・・それはただのブラックドラゴンではない・・・

そしてその漆黒の竜を操る不気味な人間の存在・・・

しかし何故この老婆がそこまで知っているのか?やはり魔法に詳しい者なのか?

エルモアはそれを婆様に問いかける暇もなく、次の事件は起こった!

それは・・・グゥイントの”既に打った次なる手”であると言う事は

ラジアンのエルフ達は誰一人、知る予知はなかった・・・

   つづく・・・

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