なみだぞかなしき

太田代志朗


 
熱い伝統を継ぐこころには悲痛な魂の叫びがある。
今、ここにその伝統が甦る。「心に滲みる和の音」に情熱のすべてをかける川口慧耀は、己を一度捨て去り、そこから回生する新たな自己の悲痛な魂の叫びこそ己の芸なのだ、という。

地歌筝曲の奥深さを伝える使命の重さを凛と受け止めながら、「なみだぞかなしき」(八橋検校作曲『薄衣』)無限のあえかな音色のもとに、四百年余の星霜を経た古曲の真髄に迫る。
そして、同じく尺八で活躍の石川利光、安田知博が、古典本曲の耐え抜かれた豊熟の世界を展開する。
 
晩秋の夕べのひととき、長岡天満宮に筝曲と尺八の冴えた音が奏でられる。

「心に滲み入る和の音」Vol4 公演チラシ 
於:2008年11月29日 長岡天満宮

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