日録●太田代志朗●2025年 

11月28(日) さいたま赤十字病院。
朝8時前に家を出て車を駅前に預け、電車で東岩槻~大宮~さいたな新都心。
日赤病院(整形外科)で混雑する待合ロビー、9時半に再診察。
神経根ブロック(ルートブロック)を受けることになる。神経が圧迫されている部位に造影剤、局所麻酔薬、ステロイド剤を注入。ブロック後に痛み、痺れの経過を評価。痛みの改善、神経症状の経過をみて今後の方針を決めるという。入院・手術でなく、この神経ブロック療法でよくなればいいのだけれど。
疲れ切り、跛行しながら、大宮駅(すしし兆)で太巻きなど買って早々に帰る。
人形の町の通りには、ことしも破魔矢などの幟がはためいている。


11月27日(木) 晴れ。七十二候は「朔風払葉」。
晴れ。七十二候は「朔風払葉」 (きたかぜ このはをはらう)。
木枯らしが紅葉の葉を吹き払い、紅葉狩りを楽めむのもあと少し。
定例の運動ジムで家人とともに90分。
家に帰って昼食にフランスパン。そしてNHKプレミアムシネマ『西部戦線異常なし』(1930年アメリカ制作)完全版見る。第一次世界大戦の西部戦線に投入された若きドイツ志願兵の恐怖と苦悩。
日の暮れが早く、気がつくと夕闇になっている。
・河豚鍋のゆかしき去年(こぞ)や夢かたり

11月26日(水) 晴れ。公園ウォーク3500歩。
朝から晴れ、気持ちよく起きて髭を剃る。
小庭の樹々がしっとり濡れて陽にキラキラしている。
昼前の公園ウォーク3500歩。いつものコース。シニアやご婦人方がテニスをやっている。*持参の旧型NIKONデジタル一眼レフカメラD80で辺りを撮る。
「成城だより」ならざる「本丸だより」は別段何もなし。「年末年始はそこもと安寧・養生・治療に平臥いたし申候」とそっけなくメール発信。
・口切や髭剃りお召し四畳半


11月25日(火) 時雨、黒蜥蜴。
冷たい小雨の1日、だいぶ寒い。
NHKーBS映画『黒蜥蜴』)(松竹:1968年)。監督・深作欣二、丸山明宏、木村功。
現在(いま)から見れば稚拙なシーンもあるがーー哀悼・三島由紀夫。
東京電力より電話。天城高原・丸の平別別荘地の大木が電線にかかり、その木の伐採をしたいのとのことで承諾。さて伊豆も、老骨には気軽に行けなくなった。
家人が小雨の中、東京の茶道具店へと出かける。
同行しようと思ったが、新宿の喧噪に巻き込まれる自信なく閉じ籠っている。
・冬ごもり川柳狂歌に糞笑い

11月24日(月) 晴れ。晩秋。
明るく暖かい日。小庭の背高くなった竹を1本切る。
家人は運動ジムで90分、元気に帰ってくる。
昼下がりの公園、跛行2500歩なり。修行僧のように歩いている。
この町が終の棲家になり85歳、われながらようここまでやってきた。
マッチョな小林秀雄から柄谷行人までの文藝評論とはさりながら、青山二郎「利休ノート」、大岡昇平「成城だより」、安藤礼二「光の曼荼羅」読了。
大相撲九州場所も終わった。安青錦(21歳)、戦禍のウクライナを遁れてきて初優勝。
・埋火や茶を飲みそっと置き手紙

11月22日(土) 晴れ。
晴れて明るく穏やかな日がつづく。
3連休だが、小庭の水やりや枯葉拾い。
特段のことなく散歩と転寝の老残好日。
図書館に寄ってから、小公園を跛行3000歩。
夕食に浦霞で一献、美味しいぶり大根。
・山茶花の散り乱れてや侘び住い


11月20日(木)
 運動ジム&定期検診。

晴れ。朝方は冷えむが、陽がさし穏やかになる。
運動ジムで90分。支援プログラムはゆるやかにすすむ。
午後、S総合病院で循環器、呼吸器科内科の3カ月検診。
検体検査の結果はよくなり、HbAIcは6.8。
診察は予約通りの時間で有難くも、薬代3カ月分6.850円也。
・しぐるゝや城下の路地の薄灯り

11月19日(水) 晴れ。
朝の冷え込みが厳しく、紅葉が深まる。
ゆーぱるひざこ健康福祉センターで温浴&サウナ。
家人も元気に、公園散歩にでかけられるようになった。

またぞろR・ジェフリズの『わが心の記』を書棚の隅からとる。
ボロボロになった川村泉・訳、昭和23年3月発行、発行・養徳社。
中学生時代からの愛読書、古めくページからその大地や光や風が匂う。
・霜月やショスターコーヴィッチ第5番


11月17日(月) 晴れ。
晴れ。日中は暖かく、大気が澄んでいる。
R院でマッサージ(もみほぐし)50分。
公園ウォーク30分。時が過ぎる。
パソコンの起動が遅くなっている。
ショスタコーヴイッチをきき、ひたすら石川淳を読んでいる。
・断捨離も終活もなく冬の月


11月16日(日) 口切や小城下ながら只ならぬーー蕪村
晴れ。秋が深まり、紅葉、山茶花。
炉が開かれ、家人の茶道教室。その準備など少し手伝う。
わが夢幻庵がときめく。初炭の一碗に心がひろまる。
・茶と歌の沙汰など知らず寒椿


11月14日(金) 晴天、好日。
晴れて清澄、明るい陽ざしに穏やかな1日。
家人の通院日で早朝に起き予約してくる。
小庵の前の大鉢のカエデ、コバナズイナが真っ赤に燃えている。
開店オープン盛況のヤオコー本丸店で買った昼食の”たけのこ栗入り山菜おこわ”。
ーー凄味のある文体、変幻自在、交錯、靈氣、やつし、見たて。孤独だが平気で充実、自在に雅に往き俗に還るーーひとの命は地獄の沙汰よ、月も朧に夷斎居士。
・小城下や老いざらめやも初時雨


11月13日(木) 曇り、底冷え。
どんより雲って底冷えがする。
運動スクールで90分。堅くなっている身体がときほぐされる。
ショスタコーヴィッチ「交響曲第5番作品47」。
この社会主義芸術家の簡潔、明確、真実ーー勝利の感情。


11月10日(月) 晴れ。
晴れ。昼前R院でマッサージ&もみほぐし50分。
その帰り城址公園を散策40分、3000歩。
初冬の穏やかな陽ざし、枯葉の散乱する一面の芝生。
ナイスショットをしてから歩くような爽快感。
ーー時雨で寒かった昨日は石川淳短編小説選(ちくま文庫)読んでいた。
「マルスの歌」、「焼跡ノイエス」、「雪のイヴ」、「裸婦変相」、「喜寿童女「「ゆう女始末」、「鸚鵡石」。
”毅然として美しく、魔術的で、いかがわしい”世界。


11月8日(土) 晴れ。ツワブキ。
小庭のツワブキが10輪ほど咲いている。
メダカは亀の中の底の土に眠ってしまった。
公園ウォーク30分、2000歩。紅葉が深まる
「天馬賦」読む。全共闘運動を始め政治が沸騰した時代、 凄絶なテロの行方。
・ツワブキやむさいこの世を遊びけり


11月7日(金)  立冬。
きょうから冬の始まり。
家人の通院するH整形外科の予約など済ませ、久伊豆神社詣で。
風がでてきて、コートの襟をしめる。
飛高敬主宰「曠野」121号読む。
その飛高さんの講演(さいたま文学館)は、跛行の身にて行けずお詫びのハガキだす。
・杖行に暮れゆく日々や枯芙蓉


11月6日(木) 晴れ。紅葉。
運動スクールで90分。五体が気持ちよく火照ってくる。
午後、郵便局でマイナンバカード更新手続き。
その帰り近くの久伊豆神社を詣でてくる。
長編『白描』読了。日中戦争に向かう時代に、美を求めて生命を燃やす人々。
ラーメンが食べたくなった。いや、丸亀製麺のかけうどん&稲荷1個。


11月4日(火) 冷え込む。
朝の7℃の冷え込みに、思わずぶるっとする。
M記念総合病院(泌尿科)、1時間待ちで診察。
1週間前に転倒した家人の体調もよくなり、一緒にスーパ―へ買い物。
公園ウォーク3000歩。日々かわりながら1日1歩。
ギンナン、キンカンの実をいっぱいいただく。
「八幡縁起」再読。


11月3日(月) 文化の日。木枯らし1号。
城址公園で人形供養祭。
スマホ(らくらくフォン)を落とし、カバーがひび割れする。とんだ失態。
100円ショップで2026年暦、年間スケジュール手帳。
寒風が朝から吹いている。木枯らし1号なり。


11月2日(日) そぞろ紅葉。
思わず朝からワールドシリーズ(WS)を夢中に見てしまった。
山本由伸連投、ドジャ-スが連覇。
午後3時過ぎ、図書館に寄ってから、その近くの野道をぶらぶら歩く。
振り返ると、田畑のむこう遥かに富士山が見える。
ーーバッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」。


11月1日(土)  霜月。
晴れ。空気が澄んで晴れわたる。
いよいよ11月。ときが過ぎる。今年もあと1カ月。
桜酒汲むこともなく、老骨に風雨風霜がつもる。
あれこれ日常をこなし、転寝し、日暮になっている。
頃日、石川淳を読んでいる。

 
日録サイト:2002年7月~2025年11月

WEBサイト「花月流伝」は2002年7月より開信。
掌篇、短歌、高橋和巳研究、書評、エッセイ、著書目録など随時編纂・発信。
しかるに、指定のウェブページやデータが
「Not Found」となっている。
鋭意検討中だが、その大半はもう手に負えないのが現状だ。


とまれ、ネットワーク時代をたおやかに思索、迷走し、
わが意識の天頂にかがやく小説の形而上学。
「文学終焉」の荒野に、ロマンと鎮魂の文法体系を構築する



▲TOP▲