日録●太田代志朗●2024年 

5月30日(木) 晴れ。夏の候ーー河をわたり手に草履。
S総合病院(呼吸器内科)3カ月診療、喘息のクスリがどっさりでる(6.300円分)
AQUAの2年点検15万円。まだまだ快適なドライブ。
昨今は東京にも行かない。だが築地の嘘、森伐採、学歴疑惑、首都汚染をたたけ。

カミは遊行し、降臨し、鎮座の地を求めて順歴した。
依りしろを見出し、漂着、憑依、影向した。
カミは外来密教により垂迹・受肉・習合・化現し、衆生救済の仏・菩薩の諸尊となった。
その神話・伝承・説話ーー堀一郎、山折哲雄の書をひろげる。


5月28日(火) 前線活発、各地大雨。
当地も雨と風、夜になり激しくなるという。
家人と昼前、スーパーへ1週間分の買い物。ラッキョウ5KG買い、南高梅10KG予約。
校友某がコロナにかかり、ようやく峠をこえたとの由。
スマホで何とか元気な声を聞き、祷全快。

種村季弘の「水源の涸れるときーー北原白秋論」(『壺中天奇聞』内)
こういう文章にであうと甘美で無垢、深く、あえかに、心が揺れる。
そしてそこから大川端、レニエのヴェネチア、セーヌ河の水のゆらめき。


5月26日(日) 晴れ。大の里優勝。
庭仕事で、小庵のツゲの生垣を剪り揃え、かたずけに約2時間。
ひと汗かき疲れきり、終わって熱いシャワー。

大相撲夏場所、新小結の大の里が優勝。
幕下デビュー7場所目、史上最速Vの快挙である。
「勝っても親方に喜ぶなといわれた。強いお相撲さんになる」
23歳、インタビューに応える若い優勝力士の笑顔がた頼もしい。
新しい相撲界の夜明け、熱海富士、王鵬、阿武笑にも期待。
北の富士の名解説が聞けなく淋しいが、相撲は毎日TV観戦、面白くみていた。


5月24日(金) 晴れ、夏日。
小庭の夏椿の蕾、夕顔が咲きつづける。
夏日、公園ウォーク50分。

ここのところ、なぜか『文学におけるマニエリスム』など読む。
また種村季弘対談集「天使と怪物」は絵画、映画、文学、魔法、伝説を紐解く。
天使、吸血鬼、怪物、異界へのロマンなど、さなり、迷宮の世界を鮮やかに彩る。

Microsoft の Copilot で「太田代志朗」をみると、またも真実ならざる不快な項目あり。
これは「図書新聞」に書いた書評(今江秀史著「京都発・庭の研究」
世界思想社)の引用・紹介がWEBに混じり、当方が「京都市文化財保護課に所属、庭を研究」というプロファイルになっている。
甚だよろしくなく、Microsoft BingのAI登載チャットモードの速やかな修正をねがう。


5月22日(水) 高気圧におおわれ、晴れ。 
5月の明るい光がおどる。
昼前の公園は新緑にみちている。
風が香り、すずやかにながれていく。
少し歩き、木陰のベンチでぼんやり。
右手腱鞘炎はよくなっているが、まだムリできず。

むかし、男、武蔵の国までまどひありきけり(「伊勢物語」十段)。ーーさても、男、武蔵の国に流れきて、うらがなし扇をたためいたり。


5月21日(火) 生け花のユウガオ、タチアオイ、キンシバイ。
晴れ。30℃の夏日。沖縄が梅雨入り。
右手の腱鞘炎も大分やわらぎ、右手が使えるようになる。
気持ちも楽になり、午後スーパーへ家人と買い物。

朝ドラの「虎と翼」が面白い。
あれこれテレビを見ているが、いくつか芯のあるドラマに惹かれる。
テレビ朝日系の「DESTIJY」吉田紀子のオリジナル脚本、ラブサスペンスドラマ。
NHKの「燕は戻ってこない」(桐野夏生:原作)は代理出産をめぐる欲望ドラマ。

ーーそれにしても政治とカネ、裏金・脱税しまくり政権。
災害、貧困、円安インフレ、少子高齢化、防衛、原発と漂流する「丁寧な説明」。弛緩した国が滅びていく。


5月19日(日) 曇り。パラパラと小雨。
起床6時。朝食に白粥、鯵の開き、納豆、梅干し、味噌汁。
午後から家人による茶稽古、詩乃ちゃんも背が伸び大きくなる。
真理子も元気に加わる。終わって団らん、筝曲。

塚本邦雄著『連弾』(河出文庫)、この解説ライン、この意味が分からぬ。
諏訪哲史の「偏愛蔵書室」が面白かった。深い病をかかえる小説、言語藝術の希望と絶望。
長谷川宏の東大全共闘体験、ヘーゲルの翻案、学習塾の経営、哲学者の休日。
山折哲雄による霊魂、地獄、浄土、密教的呪法・・・・漆黒のカオス空間がせまる。


5月18日(土) 晴天。薫風。
S院で腱鞘炎の治療終え、昼前の公園の木陰のベンチでぼんやり。
帰宅し熱いシャワー浴び、右手は痛く使えず氷で冷やす。

5月詠唱
・AIサポートなどいらぬ老いぼれてなほ美しき吉野の花よ
・はつなつのそは美しき罪なれば湖(うみ)に沈めしわれのロザリオ
・よもすがら行人もなく祷りてよベツレヘムの星に嘯き
・道化師の行方知らずもゴンドラに揺れて嗚咽をきゝし夕暮れ
・緋扇の花に告げにしこともなくわれの晩年 主われを愛すか
・夜にひらくポオル・モオランいかにかはセエヌの河に詩集投げ捨て
・斧を研ぎ二つの首を斬り落とし静まりかへる里の夕映え
・父はいまリルケを殺し田園(さと)を捨て薔薇を愛してゆくへはてなむ
・断念せし男なりけりいかなればいまだ切なきはつなつの海
・遁走する西行を追ひいまこゝに花ちりばなと雨に濡れゐる
・盃に唐津備前九谷など飲むこともなく風わたる夜も
・あかしまへん、手折りたる黒薊なれ京都ア-ル・デコの女崩れて


5月17日(金) 腱鞘炎、激痛。
晴れ。初夏のまぶしい陽ざし。樹々の緑が映える。
用心していた右手の腱鞘炎で、激痛がはしる。
茶碗持てず、貌も洗えず、キーボードをたたけず。
家からすぐのH院で電気&マッサージ治療。

ボヘミヤの闇、いくさやぶれ、鶴の嘴、聖堂、ひらめく朝。
葛原妙子の世界ーー光りゆれ、畏れ、わななき。


5月15日(水) 晴れ。上弦。
朝からすっきり晴れ、公園ウォークも気持ちがいい。
薫風、緑林に80分、7.000歩。

昨日はS総合病院(循環器内科)で3カ月定期診察。
薬は血圧降下のテラムロ配合錠BP、コレステロール量を下げるピタバスチン錠。
加えて歯の治療、 月末には喘息(呼吸器内科)の診察となっている。
このところ何をやるにもすぐ疲れるが、何とか自律度を維持していきたいと思う。
ーー遁走する西行を追いかけ、さみだれに濡れる。

・シャルトルの薔薇窓知らずうつし身に語れば亡母(はは)の白きパラソル
・わが悪事告げずカフェオレ飲みをれば朝発ちゆかなカナリア島へ
・仔細にや及ぶべきこと薄月夜されば古都(みやこ)を落ちゆきて候


5月13日(月) 雨。時々激しく降る。
関東は夕べから非常に激しい雨が降る。
気圧も重く気分的にはっきりしないが、整体マッサージ受け、身体がほぐれる。
そうよ、老いて諂いもなく剥き出しに生きる。あぶれ、醜い、浮身の烏。

・あけがたのわが寝台にちかづける帆船ありて人死に給ふ
・憂愁ただならざるを恋はむかな古書(ふるふみ)に「むかし男ありけり」ーー葛原妙子


5月11日(土) 大宮図書館で。
晴れ。風あり。盆栽村~大宮公園~氷川神社。
そこから参道をぶらぶら、タワーマンションがならびたつ。
大宮図書館に入ると、新設の開放感のある施設で賑わっている。
窓いっぱいの樹々の緑が映え、ゆったりした気分になる。
唐牛伝、車谷論、葛原妙子論3冊を借り、鞄が重たくなる。


5月9日(木) 昼前から晴天。
夕べの雨があがり、空が雲一つなく澄みわたる。
新緑が目にも心にも鮮やかに染み込んでくる。
小庭の枝折戸をおおう青もみじがひるがえる。
風になびき、陽の光に戯れ、濃密に彩る。

ーー京都の友人Nは三年前に亡くなった。
その部屋には、未だ謹製の「清かなる夜叉にしあらば醒めゆきて花幾千の夢にまぎれむ」の掛け軸がかけられているという。友は旅立ち、初夏の風が痛切にふきあげる。


5月5日(日) こどもの日、立夏。
唐十郎さんが亡くなる。
カオスの60~70年代、アングラ演劇の騎手だった。
よく芝居を見にいった。流浪と祝祭の新宿、渋谷、日比谷、上野、京都・賀茂川へ。
或る時、深夜の新宿の劇場ホールは熱狂の坩堝にたたきこまれた。三島由紀夫と並び二人は純白のタキシ-ドに真紅の薔薇を胸にして挨拶にたった。
時代を彩る何ともきらびやかないでたちであった。享年84、合掌。


5月4日(土) みどりの日。
晴れ。世は連休で賑わっている。
ウォーキング50分。家に帰り熱いシャワー浴び、ゴロ寝、読書。
日の出5:24,日の入り18:06。


5月3日(金) 和巳忌ーー青嵐、端座黙然。
・青嵐吹きて邪宗の門きしみ浴びたる酒のかなしき夕べ
・黄昏の橋さへ淡くかすみたれ情(こころ)の初夏(なつ)に問ひてあゆむを
・和巳さん、ながらへおれば悲しみの器に酌むも酒の濁れば
・憂愁と孤立のまぶたやわらかくまた狂はんとする闇にまぎれよ
・渺茫の荒野にたてばはためくをさらば永遠(とは)なる同志に告げむ


5月2日(木) 晴天。
朝から晴れ、きらめく青葉に爽やかな風が流れていく。
小庭のモッコウバラが終わり、シラン、テイカカズラ、ムラサキツユクサ。
クンシラン、ヒャッカビジン、サンスベリアの植え替え。
慣れないことに精をだし足腰がヒーヒー悲鳴をあげる。


5月1日(水) 皐月。冷たい雨、
5月ーー緑が美しく、清々しい季節。
早朝起床。6時過ぎ、重たい雲におおわれているが、思いたち公園ウォークに出る。
しっとりした朝の冷気に身がおどる。小雨がパラパラ降ってくる。
気温も下がり、昼前から冷たい雨がしゃ降りになる。
右手の腱鞘炎もだいぶよくなり、痛みもやわらいできている。
涅槃願望も何もないが、そのまま、ありのままーー転寝。

山折哲雄さんの書を積み、読む。
生老病死ーー人は生まれ、はたらき、歳を重ねて老いる。
やがて病み疲れ、衰えて死ぬ。
山折ワールドは翁、カミ、鎮魂、憑霊、親鸞、悪、往生、辞世、賢治、美空ひばり・・・。


日録サイト:2002年7月~2024年

WEBサイト「花月流伝」は2002年7月より開信。
近年にいたり、接続・更新の問題により、多くのサイトが消失されている。
現在、「日録」は課題かかえながら、発信している。


▲TOP▲