| 日録●太田代志朗●2023年 |
8月31日（木） 西武売却、ストライキ。 炎天猛暑。体調ととのえ（？）、公園ウォーク30分。 枯葉、蝉声、パラソル、サングラス、水。沢胡桃、栃の実が転がっている。 西武がついに外資系ファンドに売却されることになった。 思えば、当初、西武池袋本店地下には闇市的雑多な食堂街があった。 そして奴がれは3Kの団地に世帯をもち、つましい生活を始めた。たまさか西武池袋本店で子どもたちと食事し、一家の写真を撮り、屋上で遊んだ。セゾングループは新たな文化や生活を創造し、その一族の興亡とともに時代を彩った。 事務所はサンシャイン60ビルに移り、スタッフと講演や打ち合わせでメシも食った。時に堤清二・辻井喬氏を訊ねた。 8月30日（水） きょうも暑く、陽が照りける。 浦和の病院へ家人につきそい、電車乗り継ぎでゆく。 来月予定（9月12日～2週間）の人工膝関節手術で麻酔科の説明、また入院説明をうかがう。大変だろうが、何とか乗り切ってくれるようねがう。 帰路、大宮そごう・レストランの"歌行燈えべっさん"で食事。 ーー夜、月煌々。秋はさらさらと、さらさらと射しているのでありました（中原中也）。 8月28日（月） 猛暑、元気に。 湿度が高くむっとする暑さで、やりきれない。 昨日は雨が降ったりで、ちょっぴり秋を感じたが、また暑さがぶり返す。 歯科院で奥歯の治療、また家人の眼科の送り迎えなどで、午前中は慌ただしく過ぎた。AQUAにガソリン（＠179円）も入れてきた。何とか気をはり、あれこれ動いている。ーー疲れてひと眠りし、舟和の葛もち。 8月25日（金） 厳しい残暑。  厳しい残暑。東北、北陸、北海道も猛暑となっている。炎天下、それでも何とか公園ウォーク30分。 PCのキーボードは叩くが、未だスマホなど使わぬ手合いである。さて、コンピューターテクノロジーが社会や人間それ自体を変える。AIは人知の代わりになるのか。言語なんてものは解体飛散し、人類はフォントと空気振動が媒介するネットワークへ接続されると落合陽一著『魔法の世紀』、『デジタルネイチャーーー生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』（ＰＬＡＮＴＳ）読む。 ・亡国の密偵不明のその夕べ美貌の君の紅きくちびる 8月24日（木） 猛暑35℃。台風9号発生。 8月22日（火） ゆく夏に。  なぜか、夢ばかり見ている。夢なのか、断片的に思いがおりかさなる。 三島由紀夫の「椿説弓張月」公演は国立劇場で1969年11月。 みんなで観劇し、あとは銀座”ケテル”で楽しい食事になった。身重な妻は大きなお腹をかかえ、ワインを少し飲んだ。子どもは来年春に生まれる予定だった。世はモーレツからビューティフルへ。さあ、みんな元気にやろう。 その横尾忠則作の弓張月のポスターは文化庁にいた友人にもらった。夢のすべてをかけたシルクスクリーンの繚乱の世界である。 爾来、書斎にかかげているが、もうみんな夢の中ーーひとときの光芒をはなち、さまざまな思いがながれてゆく。 8月21日（月） 猛暑、35℃。 早朝起床、入浴。サッパリした気分になる。 炎天の昼前、公園ウォーキング30分。汗がふきでる。 何とか、老骨しなやかに竜胆、花茗荷、真砂の月。 解題原稿100枚をコピー整理（因みにコピー100枚：400字詰＝約300枚）。 夕方、盆があけての2週間ぶり、身体硬直し整体マッサージ1時間。 8月18日（金） 炎天36℃、熱中症警戒。 Twitterが「X」になり、Twiter離れという。 Twiter「悪漢と密偵」も閉ざされた。 同Twiterは”書物と日常”に鋭く切り込み、「高橋和巳電子全集」についても再々ポストされており、SNSには無学なる老残にし印象的なことであった。 ８月17日（木） 関東は朝から晴れ、36℃。  台風7号は近畿～東海～日本海へ甚大な被害をもたらした。盆休みも明け、蝉しぐれ、桜の落葉。 データ原稿3枚、4枚。転寝、書棚、萩の露。 さよなら、さよなら！ いろいろお世話になりましたーー中原中也。 8月14日（月） 台風7号接近。 台風7号、災害級の大雨が予想されている。 関東は雨が降ったり止んだり、また強い陽ざし。 S総合病院（循環器内科）定期診察、10～12時で帰宅。 よしなしごと、あやしうことものぐるほしく。 「漫才とナショナリズム」（対談：富岡多恵子・柄谷行人）は何とも畏れおおい。 確かに大阪漫才の誕生コードは秋田實という東大出マルクス主義者による実践逃避であったのだろう。 それで思いだしたが、大学を出てぶらぶらしていたら、「笑いの研究」をしていた梅原猛先生が心配して、秋田實のところにつれていってくださった。道頓堀角座へ一緒にゆき秋田實に会った。少し太りきみな方だった。恰幅のいい社長の勝忠男氏は、「太田さんはまじめな研究肌で、お笑い芸能にはむいていない」ということだった。 漫才は面白かったが、大阪お笑いコテコテの現場にたじろぎ、不貞腐れていた。 8月12日（土） 炎暑、盆休み。 きょうも炎暑36℃。盆休みの公園は人も少ない。 ウォーキング40分。パラソル、サングラス、歩数計、ペットボトルに水。 老いぼれは危険な暑さを避け、外出自粛していればいいんだがね。 件の老作家は日々、湘南の海沿いを毎日ウォーキング。スクワットに励んだ。 また、謹直な某人文学者はその晩年、ソフト帽にステッキと背広姿（まさに永井荷風！）で鎌倉の街を毎日2、3時間散歩。小町通りの喫茶店で小憩、ビール中瓶1杯を飲み帰ったという。そして伝聞するに、某老哲学者は哲学の道を決まった時間に散歩していた。人さまざま、洒落くさく白足袋に流しもいいが、退職した某は天晴にも都内各所１日歩行5時間、20～30Km余と。 8月11日（金） お盆の帰省ラッシュ。  朝から強い照り、白雲がまぶしく流れていく。蝉が啼き、さくらの枯葉がいっぱい散乱している。 小家は積水ハウス自由設計で、15年点検の検査レポートがおくられてきた。壁や屋根の汚れが指摘されている。この地に長居して43年、年とともに虚仮も生えれば、傷みもあれこれでてくるのだろう。 ーー家でゴロゴロし、西瓜食べながらBSに「ＯＫ牧場の決闘」(1957年米）。昨日はS総合病院・呼吸器内科外来検診で喘息の薬3カ月分。 8月8日（火） 台風6号ーー奄美、沖縄が暴風域。 雲間から強い陽ざしが照りつけ、公園ウォーク50分。 急ぎ足にて少し息がハーハー。大気不安定で時々雨になる。 日大アメフト大麻事件、理事長、学長、副学長並ぶ隠ぺいTV記者会見。 佐伯一麦著『還れぬ家』（新潮文庫）、『柄谷行人発言集』（読書人）など読む。いや、ポスト・モダン論、ネットワーク社会文化論など老脳はスルーし、黒川博行のピカレスク小説を散読。文章のノリもよく性根腐った半グレも痛快に胸おどる。 8月7日（月） 猛暑18日目。 炎天下の昼前の公園ウォーク30分。 暑く体もまいっているが、ともあれ快食、快眠。 病院は喘息、循環器系の2カ所で薬8種類を服用。3カ月ごとの生体検査。また週1回の整体マッサージーー老残83歳7カ月、日々是好日なり。 ーー小庭に水撒き、転寝、読書。かき氷、葡萄。 8月4日（金） 打ち水、竜胆。 炎天下の昼前の公園にでるとシニアが元気にテニスをやっている。 暑くて体調リズムに自信なく、10分ほど歩きひきあげてくる。 家人の茶稽古で松風の会、立礼でいつものメンバーのご婦人方4人。 家の前に打ち水。竜胆、藤袴、沢桔梗。 8月3日（木） 酷暑。北関東に大雨、落雷、竜巻。 酷暑にウンザリ。それでも昼前の公園ウォーキング30分。 パソコンをたたくとHP転送できず、「APPURICATION DATAフォルダ書き込み管理者に権限はありません」と。 小家の前のグリーンベルトは公道で自主的な緑化がはかられている。 それが除草剤をまかれ、大切に育成してるクマザサが次々に枯死。 心配な環境保全、健康不安など、さいたま市土木管理課に相談する。 ところが、実際には除霜剤をまいた隣家注意だけで調査も何もしてくれない。 40年余、放置放任、草花を愛する哀れな老人は猛毒まみれの土壌に潰えよと。 8月2日（水） 猛暑。体温超えでﾌｰﾌｰ。 早朝に風呂。きょうは烏の行水でなく、顔剃り、シャンプーとゆっくり。 小庭の水撒き、メダカがたくさん孵化し元気に泳いでいる。 所用ついでに昼前の公園にでるが、炎天に10分も歩き木陰で休む。 歴史ある茨城カントリー倶楽部（8月1日,8:50東outスタート）は順延。 この酷暑をものともせずトライされてきた精悍なM君、ご免。 猛暑プレーは命がけ。況や、老骨にてすべてリセットの時機なりや。 さても、あの緑と風の18ホールはもう遠い夢のことだったのかね。 8月1日（火） 葉月スタート。 いよいよ8月。時がどんどん流れる。 夏空に雲がおおわれ大気不安定。関東では極地的に雷や激しい雨。 晴れ間の陽が照りつける公園ウォーク30分。蝉が啼いている。 体の動きが重たくハーハー、少し息が乱れる。 日本近代文学館に納めるべく資料（手紙、写真、雑誌）をやっとのことで整理。 これを以て愚老のくすぶりもきりあげ呵々、梱包し宅急便で送付する。 |
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