日録●太田代志朗●2023年 

3月30日(木) 花が散りはじめる。
夕べの雨がやみ、曇ったり晴れたりする。
花がいっせいに散りはじめている。
その落花の舞いに、ぶらぶら歩いてくる。

千古の愁い、百壺の飲ーー半醒半酔、遊ぶこと三日。
昼からぼんやり横になっている。


3月27日(月) 花曇り。
・われらみなアカンタレ共つどひなば何語らむや京のしぐれに
・曼荼羅の花にまゝよとうそぶきて背なさみしきや中西省吾
・思想も実存もさはれ軽やかに捨て置ききたる京の小路よ
・花ふぶき友よかくなれ謡ひてよ風に発ちゆく男のこゝろ
・洛北の里の夕暮れ君はまたほゝえみている駆けんとするに


3月25日(土) 雨に花びら舞う。
・花散りて哭(おら)転がり比良坂のゆめのかぎりにけふも行かなや
・老いぼれてなほさがしなむあかときにほゝゑみをりしきみが簪
・花の雨に濡れゆく夕べうたひてや「乾杯、今君は人生の・・・・」


3月23日(木) 花の雨。
花の雨の一日。雨の城址公園を回ってくる。
不沈千古なれ、この春も花の巡りに会えたことを慶ぶ。


3月22日(水) 野田パブリック:ひばりコースで。
青天。9時15分、INスタート。
初夏の陽気、空気が澄みわたり桜花、菜の花、鶯声。
超・反発ドライバーで飛ばすが、少しぶれる。

いつもより河川敷のコースが広々と感じる。
バックナインになり少し疲れがでてくる。
だが、怯まずすすむーー河本、前田、太田の3サム。
スコア101(50:51)、愉快な18ホールだった。

ゴルフ場の支払いはポイントを使い300円也。
帰路の渋滞のR16、車中でWBC優勝を知る。
夢の世界一、侍ジャパンの総力戦に感動。

3月18日(土) 春しぐれ。
冷たい雨の一日。花が咲きはじめている。
惜別の春、終日炉辺に自ら鎖す。

コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ


3月16日(木) 愈々の桜まつり。
朝から北発射ミサイル飛行の報に緊張がはしる。
初夏の陽気に城址公園ウォーキング。3年ぶりの桜まつりの準備が行われている。
顧みるに東京へでてきたのは早春3月、当地に棲み40年余。
老残は衒気を誇るでもなく、隠忍して過ごすべく申し得る。


3月14日(火) 開化宣言。
晴れ。家人とスーパーへ1週間分の買い物。
京都のN君1周忌に供花。

大江健三郎氏、逝去。88歳、老衰。
1960年代、その初期においては夢中に読んだが、その後はまったくスルーした。
ーー東京に開化宣言、春が慌ただしくすぎてゆく。


3月13日(月) 弥生三月花の鬱々
朝からの雨が午後にはやむ。
公園近くの祠の花が満開になっている。
ことしも早咲きの紅が匂うように華やいでいる。

・老いの身の眠りのきはにみるゆめの弥生三月花の鬱々
・華やぎの紅の化身に語らばやあはれそよげるこの命なれ
・一日を愛(いと)しく何の遊びとぞ憂しやこの身の春の夕暮れ

3月10日(金) 春、温かい陽気。
きょうもぽかぽかと温かい陽気。
家人をHクリニックの整形リハビリに車で送りとどけてから、公園散歩。
白木蓮、連翹、早咲きの櫻。シラサギが水辺で餌をねらっている。
昼には20℃になり、君子蘭、月下美人、ベンジャミンを外のベランダに出す。


3月9日(木) 野田パブリック・ひばりコースで。
晴れ。OUTを9時15分スタート。
絶好のゴルフ日和。P72,6.200Y。河川敷の18ホール。
気軽なノースローのいつものラウンド。
かすかに鶯の初音、時々の風が静かに流れる。

新調の超高反発ドライバーが気持ちよく振り切れる。
その分、力みなくボールがまっ直ぐとんでゆく。
老いて勢いも何もないが、とまれスコア99(52:47)
校友会メンバーとの話もはずみ、楽しい1日となった。


3月6日(月) 啓蟄。くれなゐの雨。
春のひと雨が降ったり止んだりしている。
まだ寒さは感じられるが、菰はずしの時期になった。

くれなゐの雨ふるこゝろ春の雨老いにけらしも老いざらめやもーー山中智恵子
山中さん(1925~2006)らとの連歌会は山ノ上ホテルで行われ、その時、色紙に書いてくださった。老いて春のこころ、春の雨がひとしを滲み入る。
ーー午後から晴れて温かくなる。


3月3日(金) 確定申告。
確定申告を終える。
今年も家人の全面協力をたまわった。

午後からぽかぽか陽気になる。
雛祭りに”すし萬”の小鯛すし、箱すし。美味極上。
思わぬ大阪くいもん市の新宿京王デパートの土産物なり。


3月2日(木) 雛祭り。晴れ時々曇り。
桃の節句。
家事のことであれこれ。
小庭の枝折戸の杉皮拭きがいたみ、それが気になり、自流で薄板を張って直し、ペンキを塗る。
Y電気に修理をたのんだ掃除機・クリーナーが直りとりにゆく。帰路、AQUAにガソリンスタンドで給油満タン。
風がでて冷え込み、日が暮れぬ。


3月1日(水) 弥生。春寒。
3月弥生ーー水ぬるみ春めきの季節になった。
ぐっすり眠り体調もよく、昼前のウォーキング50分。
枯野が明るく気持ちがほぐれ、汗ばむ。

人生80を超すと終わりの身近さを感じる。
それにつれ、世相にたいする関心も淡くなり、万事にこだわらなくなる。
流残の隠士はもって黙すべきだが、何やらん業深くあれこれ踏み迷っている。

ウクライナ戦争、物価高、壊滅的人口減少、迎撃巡航ミサイルなど世事多難。
旅行や観劇、美術館、美味巡りをと思うが、その気にもなれない。
家人は茶事、園芸と余念なく、喘息懸念の老いぼれ茫々とマスク必着なり。

とまれ、デジタル全集の最終編纂・解題の執筆が終わった。
最終段階で一部手直し訂正があり慌てもしたが、無事治まる。
5月最終発信ですべて完了になる。何かと感慨ふかい。
編集企画打合わせから足かけ4年の仕事になった。

 
 日録2010年1月~2023年3月
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