日録●太田代志朗●2025年 

8月27日)金) 七十二候は「天地始粛」 てんち はじめて さむし
蒸し暑くても、朝晩は風が涼しく流れる。
小公園にはつくつく法師が啼きしきり、桜の枯葉が踏みしだかれている。
間欠性跛行につき、”人のいのちは地獄の沙汰や”と嘯き、滅入る。

・老残の夏の終わりのいやはやにたたづみうめき風がふきゆく
・謡はざる祷りてねむれ疾風の”昭和”よさらば父の晩年
・下京(しもきょう)の茶の湯の帰り暗闇にまぎれ伝へむ明朝蜂起


8月28日(木) 椎間孔狭窄症。
夕べはよく眠った。血圧129-73-71。
運動スクールで90分。左脚をかばい、何とかついてゆく。
”間欠性跛行”など、健康への自信を失っていく日々。

過日の 腰堆MRIの結果所見は、
・両堆間孔の狭小化、
・有意な脊柱狭窄症は求めず、また脊髄神経、馬尾に異常所なし。
左腰~膝の痛みの原因は「椎間孔狭窄症」ということで、H整形外科の治療は内服薬、リハビリ、ブロック注射とつづいている。
■右写真は、晩年になってちょっと元気がない安寿(キャバリア)。楽しい15年間だった。


8月27日(水) 連日の猛暑。埼玉37℃。
早朝に一端起き、また寝入ってしまう。
心身の張りがなく茫洋としている。
朝食終えPCを開きキーを叩くが、なぜか手先がふるえ打つ文字が乱れる。
きょうも37℃、10日連続の記録的猛暑。
公園ウォーク20分。桜の落葉がかさばり、鈴虫が鳴いている。
樹下茫々。早く元気になって8000~1万歩と歩きたい。

つぶあん入り生八ッ橋「聖(ひじり)」)で一服。
ーー蜩が鳴き、桔梗、萩が咲き始めた。


8月26日(火) 危険な暑さ、35℃。
暑くて、外にでるとぼやっとした気分になる。東京で熱中症搬送が40人。
昼前、家人とスーパーへ1週間分の買いもの。
昼食にそうめん。そして転寝&読書&バッハ。
カメラにNikon D5300 18ー55VR2 レンズキットブラック。

・わが死する日にはバッハ無伴奏 未明の小雨に濡れて眠るを
・鱧寿司を食べたくなりし日が暮れて遠い街には花火があがる
・怒涛なす異郷にありて血に翳り詩歌にゆらぎおちゆけたわけ


8月25日(月) 酷暑。
終日、家でゴロゴロしている。
服用している薬のせか、眠くてしようがない。
夕方、内湯42℃に入る。体重59・5、血圧139,70,69。

日比谷公園の緑の樹々がつぎつぎに倒され、音楽堂も形がなくなる
小池都政の都市整備により、公園の誇りと歴史的風景が無残に壊されている。
思えば、上京して勤めたのは銀座8丁目のビルの事務所だった。
日比谷公園にはよく行った。噴水、緑と花々、音楽堂、ベンチ。
近くの図書館に行き、また松本楼のカレーは極上だった。
一夜、飲み疲れタクシー代がなく、その公園のベンチで始発電車のでる明け方まで横になって寝ていた。


8月24日(日) 35℃、暑い。
夢幻庵で家人のお茶教室。
お軸に「夏山多奇峰、蝉声一面響」、井上康史宗南方流匠の書。
夏の花なく、小庭の盆栽の樹々選んでかざる。
元気になった家人に寄り沿い家の整理・掃除をすませ、お菓子の買出し。
秋立つ日だが、酷暑に火をいれ端座し、茶趣が豊かにひろがる。


8月23日(土) 処暑。危険な暑さ。
夕べは12時過ぎまで起きていたが、今朝は爽やかに目覚めた。
二十四節気は「処暑」だが、34℃の危険な暑さがつづく。
夏の甲子園、沖縄尚学が初優勝。おめでとう。
若く素晴らしいプレー。接戦に惜しみない拍手が送られた。

『耕治人 自選作品集』に「骸骨踊り」など読むと、その私小説の切羽つまったありように身がつまる。
奴がれの「介護保険負担割合証」の負担1割。まだ介護サービスは受けていないが、バブルと円安インフレの世に余生をつむぐ。


8月22日(金) 残暑厳しく。
晴れ時々曇り。
残暑が厳しいが、少しずつ秋を感じさせられる。

「高橋和巳BBS投稿記事」(2007年8月2日~,2022年1月3日)
上記の運営管理は薄氷堂こと人見伸行氏の好意&才覚によるものである。
封印された高橋和巳をネットに自由に放ち、多くの方々の交流を計ってくれた。
諸般の事情でまもなく閉鎖となるが、有難く感謝している。
15年の歳月、プリントにして92枚ーーその思索・瞑想の日々が懐かしい。


8月20日(水) MRI(腰推)。
大宮にでて、メディカルスキャニングにてMRI(腰推)。
通院のH整形外科は総合病院でなく、かように外部検査になる。
酷暑の中、大宮駅周辺の人混みにまみれ疲れきる。
大宮ルミネの魚力で握り寿司を買って、早々に帰宅。

朝日新聞連載「語るーー人生の贈りもの」は加賀まりこ。
キュートな女優の語りが時代にぶつかり、乱れ、ほのめく。
映画「泥の河」、その入れ墨の男に覆いかぶされた売春する母親役のわが子の少年と目があうシーンなど、その体当たりな演技論。


8月18日(月) 関東で35℃。
晴れ。早々に起き出しゴミ出し、小庭廻り、メダカに餌。
暑さがまたぶり返し、熱中症警戒アラート発令。
S歯科で奥歯の治療。抜けた歯の部分の型とりに40分。
その帰りに公園ウォーク30分。陽が照りつけ、蝉が啼きしきり、散りつもった桜の落葉を踏んでいく。盆休みといっても家に籠っていたので身体が固まり、左腰に痛みがはしり、足元がおぼつかない。老兵はかくしてへたばっていくのか。
夕刻5時、H整形外科のリハビリが終わって、ゲリラ豪雨にあう。

・少年は真夏の海に叫びしも炎へ沈みゆく母のパラソル
・月光(つきかげ)に男かなしく哭きいればゆめしるなゆめ黒きロザリア
・狂王は孔雀を殺し夕暮れに宮殿ぬけて行方知れづや


8月15日(金) 終戦記念日。
朝からじりじりと暑い。
戦後80年、あの戦火の日々のことは朧げに覚えている。
防空壕、飯、焼け跡ーー核と戦争に反対。
テレビ「報道1930」に、保阪正康氏


8月14日(木) 公園で蜩。
曇天で暑さも少しやわらいだようなお盆休み。
健康運動スクール(毎週木曜日)で90分。硬直の身体が解き放される。
昼過ぎに図書館に寄ってからヤマダ電気で豆電球を購ってくる。
公園で蜩(ひぐらし)が啼きはじめた。

加藤典洋著『言葉の降る日』(岩波書店:2016)に掲出された懐かしい人たち。
吉本隆明、鶴見俊輔、太宰治、井伏鱒二、坂口安吾、江藤淳、三島由紀夫、多田道太郎、小高賢ら。


8月11日(月) 熊本に大雨警戒警報。
当地は雨が降ったり止んだり。熊本に大雨特別警報。
早朝に起床、パソコン、シャワー、朝食に卵ご飯。
蒸し暑く、切っていた冷房を入れる。

またぞろ終戦日が近くなった。
昭和百年・戦後八十年。心ただ騒ぎ三島由紀夫、江藤淳、石原慎太郎よ。
そして與那覇潤『江藤淳と加藤典洋ーー戦後史を歩きなおす(文藝春秋)
風元正著『江藤淳はいかに「戦後」と闘ったのか』(中央公論新社)ほか読む。


8月9日(土) 晴れ時々曇り。
夕べは月が美しかった。時折の雲間に隠れ、また煌々。
朝曇りに少し涼しく、34℃、お盆の前の3連休。
別に外出することなく、のんびり過ごす。
カメラは「ニコンコCOOLPIX7100」を永く使用してきたが、そのサポートも終了。
よって同じく「ニコンデジタル一眼フカメラZ」を検討中だが、高価で手がでない。
消失のサイト「三島由紀夫小論」をWEB表紙に復元掲出。

・そはわれのかくも美しき物語 月下にひとをやさしく殺(あや)
・望郷の雨の峠にいかなればトランペット吹く狂はづにゐる


8月8日(金) 外出は炎天下を避けてーーさいたま35℃。
早朝起床。狭窄症ストレッチ。さいたま35℃。
ゴミ出しをしてから、8時過ぎの炎暑の小庭の背高くなったヤマモミジの剪定。
汗だくになり30分、熱中症の限界にて引き上げる。
家人が「大丈夫ですか」と心配する。
「いや、大丈夫も何もこれが運動でね」
きょうも朝からよう動いた。気力も確かだ。冷えた水、手がきのかき氷が美味しい。

【老残日誌】
河出書房新社に行くと坂本一亀に「もっと京都で修行してこい」といわれた。
寺田博は大きな声をあげて校正をやっていた。
金田太郎は東京プリンスホテル前でハイヤーに乗ろうとする私に近づいてきて、「お前は、その身分でハイヤ―で行くのか」と凄まれた。飯田貴司は 飲んだくれて新宿のビネスホテルに一緒に泊まったり、何かと面倒を見てくれた。川西政明には飲み屋や会合にと連れまわされたが、次第にその隠微な編集画策にあって、絶交した。かくて河出書房には縁なく一つも書く機会がなかった。
築筑書房の栢原成光とは何回かあい、「原稿は何枚でもいいから書け」といわれた。手紙をもらって「新潮」編集部におくった原稿100枚はそのままで、担当者は三島由紀夫事件にまきこまれ埒がなかった。「南北」の常住郷太郎が「早く原稿を持ってこい」とけしかけた。三枝和子が「早く本気になって書くのよ」とのたまった。「現代詩手帖」編集長の山本雅男は同誌に「折口信夫論「書かせて、行方をくらました。
1969年11月、高橋和巳夫妻と三島由紀夫作『椿説弓張月』を国立劇場で一緒に見た。そのシルクスクリーンの横尾忠則のポスターは文化庁文化課の星野絃にもらった。星野は京大創造座にいたころからの知り合いだった。
畏友小松辰男は京都からパリにゆき、そこから灼熱のチェニスに向かっていた。「対話」同人の林広茂、古川修、中西省吾らとは京都で議論に明け暮れた。
小説を書こうとして、書かねばならぬ時代と生活に向きながら、いつも自分を騙しつづけていた。新橋、銀座界隈の一流料亭の味や遊びをおぼえ、銀座のクラブで唄い、それでもポストモダンの荒野に文学の志を持っているつもりだった。
仕事は忙しく面白かった。だが、ワンマン経営者のもとに社内組織の硬直、憤懣、怨嗟にへったくれも何もない環境に、高田宏は「それじゃあ、新たにやってみるか」と某出版社を紹介され、デスクまで用意されたが、だだらだら過ごした。そして「これまでよ」と、やっとのことで意を決し70~80年代のバブル東京の歳月をカバンにおさめ、銀座~元赤坂25年間を切りあげた。55歳、やることがいっぱいあった。

・お安い家族葬散骨いかにしや海に雪降れわが憎しみの


8月7日(木) 立秋。
曇りで時々小雨が降るが、また暑くなる。
歴代最高気温が大幅に更新されている今年の夏。
立秋にて、時候の挨拶は「残暑見舞」にて健康運動スク-ルで1,5時間。
適度な運動でリラックス。ゆるやかな運動だが、老身にこたえてくる。

・史書に「夜の星むなしく十悪の風に漂へば」と父が舞ふ「猩々」


8月6日(水) 広島「原爆の日」。
広島で平和記念式典 80回目の「原爆の日」。
炎天下、ウォーキング30分。午後3時過ぎ雷鳴とともに一時的な激しい雨。
その雨をついてF整形外科でリハビリ(牽引・マッサージ・低周波電気)

・さればよ”詩歌(うた)はロマンと鎮魂”なり しぐれ冷たき彼奴の10回忌


8月5日(火) 群馬・伊勢崎で国内最高の41.8 ℃。
昼前の公園ウォーク30分。
家人が体調もよくなり大宮にでかける。
熱中症で救急搬送が各地で続出。

・謡はざる祷りて眠れ疾風の”昭和”よさらば父の晩年


8月4日(月) 炎暑。
炎暑のスポーツ公園にゆくと、シニアたちがテニスをやっている。
熱中症警戒アラート発令下、ウォーキング、杖行40分。
この公園で30年、いろいろな人々とのであいがあった。
お三時に西瓜。腹がでてきて体重1.5Kg、ゼッタイ減量のこと。
夜、月煌々。仄聞するに足腰の衰えにさいなまれた伝説の京洛の老詩人は意を決して手術をするも、歩行不能に陥ったと。


8月3日(日) 全国的に危険な暑さがつづく。
保護犬センターが近くにあるので行かぬかと誘われている。
ネットで見るとたくさんの犬が保護され、飼い主を待っている。高齢者には保証人があれば検討するという。さてさて。

犬はマルチーズ(レオ)、キャバリア2代(スバル、アンジュ)と30年(1975~2005)、共に暮らした。犬たちとの日々の生活は楽しく素晴らしいものだった。
スバルのことは「花の森ゆく口笛ふいて」(日本ペンクブ編「犬にどこまで日本語ができるか」所収、2002年:光文社)を書いた。アンジュのことはWEBの項で挽歌108首を掲出した。ーー写真はありし日のアンジュと

飛高敬さん主宰『曠野』(2025年8月号)寄贈さる。以下、読む。
江藤淳『妻と私』、津野海太郎『最後の読書』、山際壽一『共感革命--社交する人類の進化と未来』、富岡幸一郎『石原慎太郎の時の時ーー戦後への最後の反逆者』。藤沢周『刺青』ほか。睦月都・歌集。


8月2日(土) 台風9号去り、燃えるような暑さ。
夜半、雨がはげしく降っていた。その雨音に起き出し、しばしぼんやりしていた。
そしてまた寝て、起きたら陽が高くかがやいている。
台風第9号が去り、また燃えるような暑さ。

八月の石にすがりて
さち多き蝶ぞ、今、息たゆる。
わが運命を知りそのち、
たれかよくこの烈しき
夏の陽光のなかに生きむ。ーー伊東静雄

夏雲が流れ、なぜか伊東静雄。
”このとてつもなく辛いところに傷つきながら生きている魂の表出”。
さて、年々、自分のもうろく度はふかまっている。
もうろくしジタバタ、なぜかわからぬが気が急いている。
ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディ スヴァーハー。


8月1日(金)  葉月。台風9号の影響で雨。
8月ーー葉月になった。
葉月はこの頃から葉が落ち始めるからで木染月、紅葉月ともいう。
日没が少し早くなり、猛暑の日々にも何となく秋の風情がしのびこむ。

台風9号の影響で朝から小雨が降ったり止んだり。久方の雨にほっとする。
朝食に芋粥、アジの開き、納豆、糠漬けの胡瓜、梅干し。
元気になり家人は美容院を予約。10時前に美容院に家人をおくる。
そのルートで遊水池公園に車を停め、ウォーキング30分。ミンミンゼミ蝉がしきりに啼いている。木陰のベンチに憩んでいると、夏の日盛りに時の流れが身にしみる。
昼にNHKBSプレミアムシネマに『真昼の死闘』。テイクアウトで買ってきた寿司をひとり頬張りながら、メキシコの荒野における粋な流れ者のガンマン。クリントン・イーストウッドの魅力。


 日録サイト:2002年7月~2025年8月

WEBサイト「花月流伝」は2002年7月より開信。
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しかるにその大半がアップデートできず、鋭意検討中。

ネットワーク時代をたおやかに思索、迷走し、
「文学終焉」の荒野に、ロマンの夢の文法体系を構築する




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