日録●太田代志朗●2005年 |
8月8日(金) 外出は炎天下を避けて。さいたま35℃。 早朝起床。狭窄症ストレッチ。さいたま35℃。 ゴミ出しをしてから、8時過ぎの炎暑の小庭の背高くなったヤマモミジの剪定。 汗だくになり30分、熱中症の限界にて息荒くなり引き上げる。 家人が「大丈夫ですか」と心配する。 「いや、大丈夫も何もこれが運動でね」 ちょっとふらつき、昨今、話題のノナマナイウォ-ター。 【老残日誌】 河出書房新社によく行くと坂本一亀に「もっと京都で修行してこい」といわれた。 寺田博は大きな声をあげて校正をやっていた。 金田太郎は東京プリンスホテル前でハイヤーに乗ろうとすると近づいてきて、「お前は、もうこんなにしてハイヤ―で行くのか」と凄まれた。飯田貴司は 飲んだくれて新宿のビネスホテルに一緒に泊まったり、何かと面倒を見てくれた。川西正明は新宿の飲み家によくつれていってくれたが、その編集画策の傲慢無礼に肝をつぶし、絶交した。河出書房には縁なく一つも書く機会がなかった。 築筑摩の栢原成光とは何回かあい、「原稿は何枚でもいいから書け」といわれた。「南北」の常住郷太郎が「早く原稿を持ってこい」とけしかけた。三枝和子が「早く本気になって書くのよ」とのたまった。「現代詩手帖」編集長の山本雅男は同誌に「折口信夫論「書かせて、行方をくらました。 1969年11月、高橋和巳夫妻と三島由紀夫作『椿説雪ユミ弓張月』を国立劇場で一緒に見た。そのシルクスクリーンの横尾忠則のポスターは文化庁にいた星野絃宏にもらった。 畏友小松辰男は京都から旅立ちパリにゆき、そこから灼熱のチェニスを放浪していた。 仕事は忙しく面白かったが、社内の硬直、憤懣、怨嗟に加えワンンマンの社内構造改革のへったくれも何もない経営実態で、高田宏は「それじゃあ、新たにやってみるか」と某出版社を紹介され、デスクまで用意されたが、意を決さずにだらだら過ごした。激流の社会情報メデア、大衆社会構造の生の分析調査による宣伝広告の創造的PRもそれまでと、銀座~元赤坂に25年間勤めて辞めた。 ・お安い家族葬散骨いかにしやわが憎しみの海に雪降れ 8月7日(木) 立秋。 曇りで時々小雨が降るが、また暑くなる。 歴代最高気温が大幅に更新されている今年の夏。 立秋にて、時候の挨拶は「残暑見舞」にて健康運動スク-ルで1,5時間。 適度な運動でリラックス。ゆるやかな運動だが、老身にこたえてくる。 ・史書に「夜の星むなしく十悪の風に漂へば」と父が舞ふ「猩々」 8月6日(水) 広島「原爆の日」。 広島で平和記念式典 80回目の「原爆の日」。 炎天下、ウォーキング30分。午後3時過ぎ雷鳴とともに一時的な激しい雨。 その雨をついてF整形外科でリハビリ(牽引・マッサージ・低周波電気)。 ・さればよ”詩歌(うた)はロマンと鎮魂”なり しぐれ奔らむ彼奴の10回忌 8月5日(火) 群馬・伊勢崎で国内最高の41.8 ℃。 昼前の公園ウォーク30分。 家人が体調もよくなり大宮にでかける。 熱中症で救急搬送が各地で続出。 ・謡はざる夢にしあらば疾風の”昭和”よさらば父の晩年 8月4日(月) 炎暑。 炎暑のスポーツ公園にゆくと、シニアたちがテニスをやっている。 熱中症警戒アラート発令下、ウォーキング、杖行40分。 この公園で30年、いろいろな人々とのであいがあった。 お三時に西瓜。腹がでてきて体重1.5Kg、ゼッタイ減量のこと。 夜、月煌々。仄聞するに足腰の衰えにさいなまれた伝説の京洛の老詩人は意を決して手術をするも、歩行不能に陥ったと。 8月3日(日) 全国的に危険な暑さがつづく。 ![]() ネットで見るとたくさんの犬が保護され、飼い主を待っている。高齢者には保証人があれば検討するという。さてさて。 犬はマルチーズ(レオ)、キャバリア2代(スバル、アンジュ)と30年(1975~2005)、共に暮らした。犬たちとの日々の生活は楽しく素晴らしいものだった。 スバルのことは「花の森ゆく口笛ふいて」(日本ペンクブ編「犬にどこまで日本語ができるか」所収、2002年:光文社)を書いた。アンジュのことはWEBの項で挽歌108首を掲出した。ーー写真はありし日のアンジュと。 飛高敬さん主宰『曠野』(2025年8月号)寄贈さる。以下、読む。 江藤淳『妻と私』、津野海太郎『最後の読書』、山際壽一『共感革命--社交する人類の進化と未来』、富岡幸一郎『石原慎太郎の時の時ーー戦後への最後の反逆者』。藤沢周『刺青』ほか。睦月都・歌集。 8月2日(土) 台風9号去り、燃えるような暑さ。 夜半、雨がはげしく降っていた。その雨音に起き出し、しばしぼんやりしていた。 そしてまた寝て、起きたら陽が高くかがやいている。 台風第9号が去り、また燃えるような暑さ。 八月の石にすがりて さち多き蝶ぞ、今、息たゆる。 わが運命を知りそのち、 たれかよくこの烈しき 夏の陽光のなかに生きむ。ーー伊東静雄 夏雲が流れ、なぜか伊東静雄。 ”このとてつもなく辛いところに傷つきながら生きている魂の表出”。 さて、年々、自分のもうろく度はふかまっている。 もうろくしジタバタ、なぜかわからぬが気が急いている。 ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディ スヴァーハー。 8月1日(金) 葉月。台風9号の影響で雨。 8月ーー葉月になった。 葉月はこの頃から葉が落ち始めるからで木染月、紅葉月ともいう。 日没が少し早くなり、猛暑の日々にも何となく秋の風情がしのびこむ。 台風9号の影響で朝から小雨が降ったり止んだり。久方の雨にほっとする。 朝食に芋粥、アジの開き、納豆、糠漬けの胡瓜、梅干し。 元気になり家人は美容院を予約。10時前に美容院に家人をおくる。 そのルートで遊水池公園に車を停め、ウォーキング30分。ミンミンゼミ蝉がしきりに啼いている。木陰のベンチに憩んでいると、夏の日盛りに時の流れが身にしみる。 昼にNHKBSプレミアムシネマに『真昼の死闘』。テイクアウトで買ってきた寿司をひとり頬張りながら、メキシコの荒野における粋な流れ者のガンマン。クリントン・イーストウッドの魅力。 |
日録サイト:2002年7月~2025年8月 WEBサイト「花月流伝」は2002年7月より開信。 掌篇、短歌、高橋和巳研究、書評、エッセイ、著書目録など随時編纂・発信。 しかるにその大半がアップデートできず、鋭意検討中。 ネットワーク時代をたおやかに思索、迷走し、 「文学終焉」の荒野に、ロマンの夢の文法体系を構築する。 ▲TOP▲ |