元荒川百千鳥の巻
【壽雪独吟】


●オ
発句    明けゆけば元荒川の百千鳥
    こけた庵に水草揺れる
第三    春かなし格差社会に背を向けて
4     いなせに通ふメディカルサロン
月の定座    十六夜の反れた雪駄に男泣き
折端     露けき谷戸(やと)にあはれ屈源
●ウ
折立    里ごころ出して駆けゆく夜寒かな
2     履歴詐称で明日出奔 
3    腰越やビギン・ザ・ビギン口づさむ
4     ダンスフロアに揺れる黒髪 雑 恋
5    さようなら見つめて告げる宵闇よ 雑 恋
6     カサブランカに革命勃発
月の定座    夏の月イージス艦を照らし出す
8     石首魚(いしもち)にぎる寿司屋の親父
9    休日にイナバウア−で腰痛め
10     華麗に踊る舞台に拍手   
花の定座    花しぐれ稽古帰りの臍まがり
折端     レトロな町の春風(かぜ)に吹かれて
●ナオ
折立    三丁目夕陽を浴びて雛流し
2     披露宴終へ全裸怪死と
3    鞭打ちで首回らぬも通夜に行く
4     サドの悪事も昨日露見
5    麻布(さらし)巻き急ぎ鍋焼うどん食べ
6     待ってるわ出入にわたす雪眼鏡 冬 恋
7    泣きを見る恋のしがらみ堰止めよ 雑 恋  
8     保津川下る片道切符
9    悲しやな戻れず忍び漕ぎ出(いだ)
10     自転車泥棒やもめ暮らしぞ
月の定座    夕月夜ひとり旅なる山の峰
折端     紅葉狩にて重箱広げ
●ナウ
折立    秋深し地酒に酔へば眠り入る
2     うつつか夢かこのガセメール
3    国会はバカな審議に空転す
4     赤い絨毯踏み行く薄暮  雑または春
花の定座    鼻唄に花曼荼羅のかよひ道
挙句     朧にさわぐ宴なりてよ 


2006年3月6日起首
2006年3月8日満尾

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