トップページ掲出歌
■2009年

きさらぎの幻(ゆめ)の雪ふるゆふぐれはいづくに発ちて狂ひゆかむや

02/11
きさらぎの幻(ゆめ)に帰らなジョバンニよ乗りてうたはむ銀河鉄道 02/01
■2008年
キーワードは「偽装」「不況」、雪椿いちりん持ちて暮の町ゆく
12/11
国亡びゆくまま議論せし雑魚の帰るべく山河あらず極月
12/02
紺青の夢にまぎれて謡ふなわれの反きの京の霜月
11/24
銀杏の皮剥きゐたる風の朝 世界は金融危機にゆらぐも 11/01
ヨワ吟の節にて舞へば秋の夜の月に問はむをゆめのぼろし 10/03
何告げむ吾亦紅よ酔ひくづれ”人間五十年・・・・”とよ「敦盛」よ 09/05
死は白き帽子に揺らぎおりたれば真夏ベニスのアッシェンバッハ 08/01
武州岩槻城本丸跡小庵にさればおもひの夏椿かな 07/05
まどろめばすなはち夏は決然とたくらみわれら歌に亡ぶも 06/20
水無月にこととひ夢にまぎれゆくあはれ伝説われの乱声(らんじやう) 06/05
さみだれの雲林院に告げざれば風にほゝゑみ逝きしきみはも 05/01
花いづこ舞ゆくかなたなほうたへさらば朝(あした)にかぎらふ扇 04/24
花しぐれゆるがるかなたすべもなきわがうつそみのいのちあらしめ 04/05
春立つと思へば詩歌(うた)のいづくにかあかときやみのことば引き裂き 03/20
春が馬車に乗つてくる夕べほゝゑみて届けし決闘書 ドルヂェル伯に 03/06
きさらぎの雪に戦後を滲ませてあそびせんとや風にうたひぬ 02/10
洛北に雪降りしかば鎮まざる世にくれなゐのわれの怒涛よ 01/11
神なびの千千の光に生(あ)れつぎぬやまと言の葉 今朝の初雪 01/01
■2007年
母よ 三弦六段を夕ざりに弾きてかなしき淡雪降りぬ 12/25
レクイエム、死者のためのミサ曲ーーつかのま地上(ここ)に雪のくれなゐ 12/18
極月の夜の瀧たづねわが赤き血の滲みて吟(さまよ)ひゆくも 12/10
霜月のたばしるこころ白刃のいかに語らな蒼きまほろば 11/25
月光(つきかげ)にさやぐ心ぞまほろばの夢乱れてや往きて遊びぬ 10/23
十五夜の月の煌く榛名湖に泣きぬれたるを舞ひてゆくはやて 09/29
夢告げてゆきしかひとのまぼろしに鎮めあへぬを彼岸花咲く 09/18
追へばまた風の昏れがたいづかたのうすきまぶたに秋ぞ来にけり 09/02
奈良坂のコスモス揺れてあかときのほゝゑむをみなあはれ夢影 08/20

父なれば真夏に謡ふさやさやと命知らざる志賀のさざなみ

08/06
(い)にし世に書きたる手紙みづうみに燃へ吟(さまよ)ひて夏過ぎゆきぬ
07/21
七月の夜空(そら)に花火を打ち上げてわが美しき棺かつげよ 07/05
悪事終へわれら酢牡蠣の晩餐に知るかなしみの水葬祭り 06/04
夢ならば行方しれぬも煌きのわがはつなつのマリエンバード 05/18
はつなつのヴェネツィアあはれこゝろせよ歌はざりけり水の底より 05/02
晩春の喪家燃へつき叫びしを絵葉書売りが街を出で行く 04/21
今いくたびか春にとふただ狂へ腰折風に舞ひて行くはや 04/04
さくら揺れ地獄吹雪ていとほしきわが前世(さきのよ)の夢裂きゆかな 03/21
群青のこころ、くちびる壮年(さかり)すぎ冬の銀河の砂を浚ひぬ 02/10
あはれ雪降るらむ朝に青髭(ひげ)剃りていざ叫び駆けゆくわが実朝忌 02/08
六波羅に軍兵数万騎馳(は)せあつまり如月の雪降りにけらしも 02/04
きさらぎの雨降るこころ韻文のひびけよ修羅の深きまぶたに 02/01
ながらへて風の刺客にあらざればまた書き急ぐ花の列伝
01/21
寒入りの夕べ謀叛のありしとや刺し違へむもよしや連唄(つれうた) 01/17
はつはるに告げてゆくはや千体のほとけに向けし銃の重きを 01/02
■2006年
ツィゴイネルの舞ひに狂ひて悔ひざるか義もて絶へぬる風に歌はむ 12/21
冬の午後ダリの画集をひもとけば炎へる麒麟が泪をながす 12/02
「哄笑の交響楽」華やかに円空仏ありぬ武州の里よ 11/14
紅葉の散る夕まぐれ青髭を剃りて苫屋に酔ひて候 11/07
秋雨に王宮燃えて手品師は竹笛吹きぬ故国に還り 10/20
この国に夢と栖みしにあざらけし核実験に秋深まりぬ 10/15
オペラ座の支配人下血する朝 秋雨(あめ)降りしきり沙汰無之候 09/12
夏去りて父還る掌(て)に小癪にも血滲むしるし「甲冑を愛す」と 08/15
漆黒の馬洗ひ払暁ひとり恋ひゆけばまた人羞しくあやむ 07/18

はるかなる祇園囃子よ酌む酒の武州本丸城址に暮れぬ

07/13
六月の雨降りしりしきり老いざらめ「国会へ行こう」朝の絶叫 06/02
五月雨に濡れ駆けゆかな老いてのほ国を憂れへど国捨つる日よ 04/10
あかときの比良坂越へてゆくきみの頬に降りたる花の雪なれ 04/17
いざ湖(うみ)に向かひてさらば髭剃りぬ春に告げたるわれの荒魂 04/06
悪王子町に花訪ね行く夕べわが悪業もつきてかなしき 03/28
あかときの虚空日月さみなしにみづかありなむ春ぞきしむも
ーー山中智恵子さんを悼む
03/15
駆けてくる馬車に告ぐるも春さむき夕べの町にきざすかなしも 03/05
をみな行くあはれ比良坂くれなゐの夢のそよぎに舞ふ雛あられ 03/02
やさしげな左翼リベラリズム抱きし幻想、革命、さらば雪降れ 02/20
きさらぎの雪降るあはれ血に翳り銃に撃たるる夜明けに哭くか 02/14
きさらぎの夢に傷(いた)みて問ひたるを朝のことばに吟(さまよ)ふ山河 02/06
冬の海、怒涛よわれの言葉なき日々は昏れゆきただ思へとや 01/20
千代の春知るや寿ぎあかねさす瑞穂の国に雪は降りけり 01/01
■2005年
往く歳月(とし)を負ひて舞はむかきらめきの悪業(あく)につゆけしわれの背(そびら) 12/28
わが冷たき死体に飾れ人恋はばその絢爛の櫻花図屏風 12./15
まこと人間五十年、謡ひ舞ふ汗のしたたるうつけが首よ(--安土城にて) 12/01
小しぐれの釘隠町の露地灯りつとさびしきにうたひきたるも 10/20
愛恋の苦しき秋に断ちゆきて瞑れる深井の面(おもて)砕きぬ 10/10
秋雨に濡れにし城下(まち)の乱思(も)へばいづかたもなく夢に逐はれむ 10/02
この国の空飛び行けば瞼覆ふ悲しき風の蒼きかりがね 09/25
秋蝶の舞ひたる夕べ母と姑(をば)琴弾きあそぶ遠き夢はも 09/10
迷宮のサロメに会ひて一期なるゆめ研ぎはてよ夏の終わりに 09/01
舞踏会の手帖焼きたる夏の湖昏れて母なる夢を絶ちしか 08/25
行け早くわが恋なればほほゑむを夜霧にけむるカサブランカ空港 08/21
愛と憎しみのアメリカ 戦後六〇年目の今朝なる粥のうめぼしよ 08/15
佐保川の蛍よあはれ灯を思(も)ひて葉月さらばの風に伝へむ 08/10
いかなれば生くるかぎりを担はれよしなやかにわが夏にさらばと 08/01
すべなくも身さへ死ぬべき夢なるを雨の秩父の哀しくあれば 07/19
うつそみは何の遊びをすと問ひてこころさばしる雨の上洛 07/07
国歌なき日本にあしたいもうとよ髪洗ふ母よりも哀しく 07/01
天籠の詩歌いづこにほほゑみて皇帝ペンギン行方知れずも 06/20
昏昏と眠れ水無月わが背中(せな)に揺れゐる母の紅(あか)き簪 06/15
拒むものなき蒼穹(そら)にたとへ愛の洋傘させよつひに堕ちても 06/31
マーラーよ五月の風よいかでかる往きてすさびの壮士(をとこ)なりける 05/25
悪行のかぎりを紅きくちびるの炎へてかなしく明かせジュネ伝 05/15
なだれしを切なく問はばいかでなるわがロマンセの初夏(なつ)のあかとき 05/10
さらば永久(とは)なる青嵐おちゆけば邪宗の門はきしみ開かずも 05/01
散る花の愁ひの風の夕べなるいまひとたびの詩歌(うた)にあはざる 04/23
散り急ぐ花に名残の益荒男の酌みしゆふべの酒の悲しも 04/15
花散らす雨にかなしき山ざくら名残りのあした行方知れぬも 04/12
われはまた黒き花伝に告げ狂(ふ)れぬあはれ三月雪の夜明けに 03/06
つひに維新も革命もなくあはれ雪降り遠き昭和よわれの 02/17
何せうぞ一期の夢にゆき昏れて赦せしづかに花眠らざる 02/10
われいまだ知らざりき風のゆくへに目を瞑りゐる睦月如月 02/01
寒月に椿告げざるうすべにのくちびる愛(かな)し眠りの前は 01/21
イージス艦出港せる朝雪降りて こころの奥のよしの山かな 01/14
あらたまの新春(はる)を寿ぎしづかなる武州の城下(まち)の今朝の白雪 01/01
■2004年
冬ざれの野面をくれば鴨啼きて元荒川の流れかなしも 12/24
地吹雪けば次の北行き待ちゐたるわが華やぎの悪業もつき 12/20
かくてまた過ぎゆけりせつなかりしをその渺茫のくれゆく枯野 12/12
わが蒼茫のウエブ・ラビリエンスよ しぐれ怒涛に裂けし夢かや  12/10
ものがたりゆく蓑も笠もなき夜の枯野に討ちはてむあやかに 12/03
日本を愛す椿に何告げむしぐれて愛すべくもなき夜に 11/25
床紅葉(ゆかもみじ)見たる日に別れきてわがくるめけり舞踏会の手帖 11/23
こころざし秘めたるあはれ霜月のいまひとたびの蒼き太刀なる 11/06
わが道は非なるかしぐれこころざし愁いひのかぜにうそぶきてゐる 11/01
水無月の男あやふき亡国の夕べ薄紅 愛を捨てたる 06/10
一杯(ひとつき)の濁れる酒を酌みいそぐ花曼荼羅のわれの明日香路 04/02
われ明かさぬ恋ありて住基ネットに虚偽申請す春の夜の月 02/10
詩歌(うた)亡びなほ洛北に降る雪の夜の遊子の泣きて候 01/22
■2003年
カエサルの眉暗き日に国亡ぶことありぬ物語に泣くか 11/30
(たま)さかるさびしさゆゑにひとりきて旅のゆくへに泣きぬれておる 11/05
黒き紅葉にわが謀反 鳥羽殿の夕映えに告ぎ急ぎゆくはや 10/30
吐血して三月嘯きながらへてうすずみいろの忍ぶ恋かな 10/03
(さき)の夜の夢いずこなる水無月の方丈記に「濁悪世にしも」 06/11
人を恋ふ五月泪羅(べきら)のたそがれにゆめいひわけは申すまじくを 05/13
こころざし潰へさやめくこの朝(あした)青嵐にぞ急げ鎌倉 04/29
愁ひきざす肩に降りかかる残花われら別れの夕べうたふか 04/23
鳥羽殿にさはれ駆けゆく五、六騎の夢の夜半なる花は吹雪きぬ 04/13


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