これは私の知人、あらえさんからの依頼で掲載しています。
ある一匹の犬を助けて欲しいという訴えです。



あらえさんからのメールより

ワンちゃんの名前はクレア。シェパ−ドの老犬です。
クレアは重い乳ガンに冒されています
足にも床ずれができ、あまり歩けなくなっています
クレアは前の買主より仕事の関係で今の場所で番犬として飼われるようになりました。
私がクレアとはじめてあったときは犬小屋の周りはフンだらけ、異臭がして小屋の中は毛だらけ、砂利だらけで誰も近寄れない状態でした。
今の飼い主の方は犬は物、小屋と水があればいいという考え方の方のようで治療も私が全負担をしております。
しかし病状はもう手の施しようのないところまで悪化しています。(おなかの大きなかたまりがガンの腫瘍だそうです。)
せめてあと2、3月の生命ならもっときれいな環境で最後を迎えさせてあげたいと、引き取っていただける方を探しています。
クレアは警察犬訓練所に行き(※下記の「問い合わせにたいするお返事」をお読みください)表彰されたと前の買主の方が言っていたそうです。
そんな立派なクレアがぼろ布のように死んでいってっていいのかと・・・。
犬は人間にとって物に過ぎないのか。
怒ったり笑ったり、わがままを言ったり悲しんだりする感情があり、必死で生きているのに何故と考えています。
急にこんなことをお頼みして大変申し訳ありませんよろしくお願いいたします。









あらえさんは北九州で「なずなの会」という野良犬や事故、病気にあった犬たちの保護をするボランティア団体で活動され、
ご自身も全て自費で何匹もの犬を愛情をかけて育てていらっしゃいます。
先日この件でお話をお聞きした際に、本当に犬を愛していらっしゃるんだということをひしひしと感じました。
もちろんあらえさんはクレアも大好きで、「できるならわたしの腕の中で一生をおえさせてあげたい」と言われていました。
ですが、ご自身と家族の生活のため仕事を持っていらっしゃいます。
「クレアの病状が急変した時に私はそばにいてあげることができない」と・・・。

「ひょっとしたら何千人に、何万人に一人かもしれないけれど、クレアの最後を綺麗な環境で、たくさんの愛情で、迎えさせてあげられる人がいるなら、どこにでも連れて行きます」とおっしゃいました。

多くを代弁という形で掲載しておりますし、つたない文章でうまく伝わらない部分もあるかとおもいますが、できるだけ多くの方に読んでいただきたいです。
ご賛同いただける方はお知り合いの方にここのアドレスを回していただけますと幸いです。

クレアの最後を幸せに迎えさせてあげられる方が見つかることを、
人と犬(もちろん他のかけがえのない命たちも)との関係を考えるきっかけになることを祈っています。
この暑さですから、取り急ぎよろしくお願いいたします。

2002年8月4日



−−− 問い合わせに対するお返事 −−−


●「警察犬というと、年老いて役目を終えた後も、きちんとした施設などで一生涯世話を受けられるものでは?」
 先日、このようなメールを戴きました。そこで、福岡県警の警察犬担当の方にお話を伺うことにしました。
まず福岡県警の場合、警察犬は2種類に分類できるそうです。ひとつは警察が直接飼育・管理している犬。もうひとつは直接警察が関わっていない民間の訓練所で訓練され、警察の審査に合格した嘱託犬と呼ばれる犬。
もし、前者であれ、後者であれ、クレアが警察犬として活躍したのであれば記録が残っているのですが、該当の犬はみつかりませんでした。
さらにいただいたお問い合わせの内容については、前者の方に当てはまることで、常に警察の管轄のもとで育てられた警察犬は、役目を終えた後も引き続き警察の元で世話を受け、余生をのんびりと過ごすそうです。ですが、後者の民間で育てられ審査に合格した嘱託犬の場合は、元々飼育者は民間の方なので嘱託を離れたのちは分かりませんとのことでした。
クレアの場合、訓練所とは民間の機関であり、そういった機関が主催の競技大会などでの表彰に留まるようです。
文面に誤解を招く記載があったことをお詫びいたします。
また、ご協力戴きました警察犬担当の方、ありがとうございました。
(9月15日)