フライドキック(ドルフィンキック)

 イルカ跳びの次はいよいよドルフィンキックになる。
ドルフィンキックはバタフライの基本中の基本。これができなければいくら腕を動かしても意味が無い。
逆の言い方をすると、バタフライが泳げるようになりたければ、まずはドルフィンキックができるまで、腕を動かすのは我慢すべきだ。
これはイルカ跳びと違って非常に難しい。刀根コーチに「バタフライがきれいにできるまでに普通1年位かかりますよ。気長に頑張りましょうね。」と言われたが、そんなに時間がかかるのは、主にドルフィンキックを習得するのに時間を費やしてしまうからだと思う。
コーチが言った。「まず私がやって見ますから見ていてくださいね。」コーチはゆったりと泳いだが、速かった。体がきれいな正弦曲線を描いて進んでいった。何て美しいのだろう。数学的に完璧とも言える、本当に綺麗な波を描いていた。本物のイルカのように、人魚姫のように。それはそれは美しかった。これだけ美しく泳ぐ者には水の分子も邪魔をしたくないのか?ゆっくり体を動かす割には、人とは思えないような速さでコーチは滑らかに泳いでいった。
本当に良いものを見てしまった。僕はあまりに感動したので息を止めてしばらく呆然として沈んでいた。この時のコーチの泳ぎは僕の脳裏に刻み込まれた。この時からいつも刀根コーチの泳ぎを思い浮かべながら僕は練習している。
その後、何年かして、海で本当のイルカに会った。イルカがゆったり泳ぐのを見てもいつも彼女を思い出す。本物のイルカと同じくらい、彼女の泳ぎは美しかった。


まとめ:
ドルフィンキックの注意点
@初めに膝を少し落とす(膝はわずかに曲がるが、曲げすぎないように注意)。
A膝下を下に蹴りこむと同時にイルカ跳びの要領で頭から水中に突っ込む。
これによりお尻が水面から出る。
Bお尻が水に沈む時の力を利用して前に進む。
C下に蹴り下ろした脚はすぐに後ろへ直ぐ伸ばす。
バレリーナのトウステップのようにつま先は後ろに向けてできるだけ背伸びする。
この時、蹴り下げた脚を蹴り上げようとすると膝が曲がってしまい、脚が水面上に出てしまう。そうすると水面に上がった反動で脚が沈んでしまうので要注意。蹴り上げるのではなく後ろに遠くへ伸ばして背伸びする気持ちを忘れずに!
脚を蹴り下ろした時にお尻が水面上に出ることと、蹴り下げた脚を戻す時に足先が水面上にでないこと。この2点ができれば、ドルフィンキックはかなり上達したものを考えてよい。
D初めは近くに潜ってもよいが、慣れたらできるだけ遠くに潜り(3m先)、遠くに浮き上がる(6m先)
E力を抜く(特に腕、首)
F息は少しずつ吐き続ける。決して止めない。
Gきれいなうねりが作られるようにイメージして体を動かそう。