ネズミイルカ (Harbour Porpoise ハーバー・ポーパス)


 イルカ・クジラ類は、英語では成体で体長4m以上をWhale、4m未満、2m以上をDorphin、2m未満をPorpoise(ポーパス)と言う。
 2006年5月、スコマー島でポーパスを見た。時々呼吸のために水面に顔を出したが、広い海原のどこから出てくるのか判らなかった。500mmレンズで撮ろうとしたが、水面に顔を出してからレンズを向けたのでは到底間に合わなかった。上手く画角に入れてもタイミングが遅すぎて背びれ位しか写真に収めることはできなかった。
 2008年5月、スコマー島を再び訪れた。今度は前回ポーパスを見た島の北端の岬に直行した。
 一昨年逢ったところにやはりポーパスは居た。少し遠過ぎてまともな写真は撮れなかった。そこから崖の上の小道を西端の岬まで辿った。西崎にもポーパスは居た。先ほどよりも近い。御蔵島のことをふと思い出した。沿岸性のミナミハンドウイルカは本当に岸の近くまでやって来た。下手にイルカに近づき過ぎると誤って打ち上げられてしまう程、岸辺近くを泳ぐことが多かった。
もしかしてポーパスも...岸辺近くを見るとそこにポーパスはいた。
しかしながら、前回同様、いつどこに出てくるのか判らなかった。これはモグラ叩きゲームそのものだ。左目で周辺を見ながら右目でピントを合わす。どうしても遅れてしまう。何回トライしてもなかなか姿を捉えられなかった。
しばらく頑張っていると、潜った後も水の中に薄っすらと姿が見えていることに気が付いた。
「見える、見えるぞ。そこだぁ!」(ニュータイプになったアム□の気分)水面からポーパスが出そうになったらシャッターボタンを押し続けた。カシャカシャカシャ...。ずっと追尾しながら浮上する度に秒間8コマで連写した。水中のイルカはよほど注意して見ないと判らないから横にいたおじさんやおばさんが不思議そうにこちらを見ていた。