オルカに逢いに行く

 

20061122OsloからBodø(英語発音ボードー、ノルウェイ語発音ブードゥア)に向かう飛行機の中で、14:00頃日没を迎えた。


Bodøに向かう機窓からフィヨルドを望む

 Bodø着14:30。ノルウェー名物の小エビのサンドウィッチを食べ、レンタカーを借りて15:30空港を出発。既に道は暗くなっていた。路肩には雪が積もっていて、轍を外れると凍った硬い雪を踏み、滑りはしないかと気が気ではなかった。
結局スリップすることはなく、慎重に走ること3時間半、Tysfjord Turistsenterに着いた。
 Tysfjord TuristsenterはE6号線沿いにあり、1km手前にも案内板が立っていて見過ごすことはないと思う。Turistsenterには高級ホテル、キャビンに格安のバックパッカーズモーテルが併設されていた。ケチな私は、当然一番安いバックパッカーズモーテルに泊まった(一泊185クローネ=約3700円)このモーテルは1部屋に二段ベットが2つ入っていて4人相部屋のようだが、空いていたため、1部屋を僕1人で借り切る形になった。寝袋は持参せよとのことだったのでそうしたが、ベットに布団はついているので、シーツと枕カバーを持参した方が気持ちよく寝られる(次回はそうしようと)と思う。
部屋には十分な暖房が付いていて快適だった

トイレは同じ建物内にあるが、シャワーは約100m離れたホテル本館にあった(無料)。何時行っても誰も使った形跡がないのは良かったが、床が泥で少し汚れているのが気になった。シャンプーや石鹸がないので、持参するか隣のスーパーで購入する必要がある。売店では大きな容器のものしか売っていないので、旅行用の小さなものを持って行った方が良い。
シャワーを浴びた後、部屋に帰る途中、見上げるとオーロラが緑色に光っていた。オーロラはみるみるうちに明るく大きくなり、そして消えていった。
モーテルは1泊僅か185クローネなのに、ホテルのカフェで食べるハンバーガーはポテト付で1個150クローネもした。バイキング式の夕食は190クローネもするが、費用対効果ではハンバーガーよりはましだと思った(もっとも安く済ませるにはスーパーで材料を買い、モーテルの調理室で自炊することだが…)。
 1123日 7:30から始まるホテルの朝食を摂り、8:30からのオルカについての講義を聞く。9:30にホテルフロントに集合し、バスで港まで移動。9:50 大きな船レオノーラ号に乗船し出航した。北緯68°05.048′東経15°45.584′日の出9:45、日の入13:41太陽が出ている時間は僅か3時間56分しかない。

レオノーラ号

まもなく、カモメがたくさん群がっているところを見つけ、船はそこに向かった。そこにはオルカの群れがいた。北緯68°21.533′東経15°56.482

オルカ(雄)
オルカは漁をしているに違いなかった。オルカはニシンを追い詰め、ニシンが怖がって密集したところを尾びれで叩き、殺すなり失神させるなりした後、一匹ずつ食べるそうだ。そのおこぼれをカモメや海鷲が失敬する。スパイホッピングやテールスラッピングをするオルカを何回も見ることができた(残念ながらスパイホッピングもテールスラッピングも写真に撮ることはできなかったが)。レオノーラ号はしばらくその周りを回っていたが、他の船も集まっていて、あまりオルカの邪魔をする訳にはいかないと、その場を立ち去った。
その後、ロフォーテン諸島に沿って西進したが、オルカにはばったり出会わなくなった。
ロフォーテン諸島は雪に覆われた急峻な尖ったピークが林立していて、それらはモルゲンロートでピンクに染まり、とてもきれいだった。モルゲンロートはいつまでも続き、真昼になってもそれは終わることなく、そのままアーベントロートになった。

ロフォーテン島

 昼食にシーフードのクリームスープとパンをもらった。冷たくなった体に温かいスープはとてもありがたかった。このスープはあまりに美味しかったので、2回もお代わりさせてもらった。船員さんは愛嬌があり、この船に乗船している日本人は僕一人だけだったが、片言の日本語で応対してくれた「ありがとう」「おいしい」。
その後、甲板に戻ったが、オルカは見つからなかった。
ガイドさんが言った。「今日は途中からはオルカが見つからなくなりましたが、きれいな風景も見られましたし、朝、たくさんのオルカにも逢えたことですので、これから帰ることにします。」
 このまま帰るのは少し不満だった。もっとたくさんオルカを見たかった。このまま帰りたくはなかった。自分でオルカを探さなくては。ハワイでザトウクジラを探した時、誰よりも早く、遠くから潮吹きを見つけることが出来た。遠くに行く船は、地球が丸いので、まず本体が見えなくなり、マストだけが見える。そのマストも沈んで行き、最後にマストも見えなくなる。こうなる船もよく見えた。自分は異常に遠くがよく見えることをこの時悟った。オルカも見つける自身があった。自分で見つけなければ。自分の探し物は自分で見つける。僕は必死でオルカを探した。
しばらく探すとオルカの群れを見つけた。「オバーゼアー!オルカ!」船長に聞こえるように操舵室に向かって大声で叫んだ。
レオノーラ号はオルカに向かって転進してくれた。
その後、たくさんのオルカの群れを見つけた。ある群れはこちらに興味を持ったのか、スパイホッピングや、それには至らなくても呼吸の時に頭を少し持ち上げるようにしてくれた。

頭を持ち上げるオルカ
ある群れは休んでいるのか?メザシのように皆で並んで浮いていた。

並んで休憩するオルカのファミリー
中央の背びれの長いのが雄、左端の2頭は雌、その奥と一番右は子供。

ある群れは船に伴走してしばらく付いてきてくれた。1歳未満の赤ちゃんオルカは目の上の白い斑がピンクとかオレンジ色だそうだが、確かにピンクの赤ちゃんオルカも見つけた。


手前は子供だが、文章中の赤ちゃんではないもっと大きくなった子供

それから帰る途中ずっとオルカに会えた。オレンジ色に燃える空をバックに泳ぐオルカは美しかった。

あまりにたくさんオルカに出会えたからか、船はずいぶん長いこと航海してくれた。
大幅に予定を超過して、帰港した時は既にずいぶん暗くなっていた。
本当に満足した一日だった。まるで夢のようだった。
18時からはナイトサファリに向かった。上下つなぎの防寒服を借りてゴムボートで暗い海に向かった。光のないところまで行き、明かりを消して空を見る。光のない暗いところから見るオーロラはとてもきれいだった。はるか水平線から緩やかに孤を描いてやってきて、反対側の水平線へまた緩やかに孤を描いて消えてゆくオーロラは雄大だった。オーロラは緑色に光っていた。時によっては赤やピンク、紫に光ることもあるそうだが、普通は緑だそうだ。今回は緑だけだったが、とてもきれいだった。写真に撮りたいところだが、小さな小船の上からではスローシャッターが切れる訳もないので、帰ってから車で暗いところまで走って、長時間露光した。