ログブック 9
アリグアイ島
10月22〜23日 アリグアイ島とスリノグ島
気温 寒い(28〜29度) 天気 ずーっと雨 水温 ぬくい
風 強風 波高 高かった
透明度 悪かった
最大深度 安全な深さ
潜水時間 程よい時間
潜水目的 下調べダイビング
ネグロス島・マラタパイからバンカーボートで約3時間、ほぼ真南へ走るとアリグアイ島がある。この島のちっと南はもうミンダナオ島のダピタンやディポログである。
北ミンダナオは大半がクリスチャンで、今話題のアブサヤフの活動はあまり聞かない。しかし、立派にミンダナオである。で、あれば、やはりちょっと考えてしまう。最近、誘拐や爆弾騒ぎが頻発しているので、おいしそうな日本人の御一行となれば、彼らも興味を持つやも知れぬ、などと想ったりもするのであった。
実際には何の危険も無く・・・アブサヤフやテロリストなどの危険は無かったのだが、ハバガットと呼ばれる南西風が雨を伴って強く吹き付け、時折高波を食らってバンカーボートは、船体から妙な音を立てていた。その時、この状況は少し危険かも知れない、と思った。
余談だが、縫合船というのを御存じだろうか。昔むかしの船だ。簡単に言えば板をロープで縫い合わせて組み立てる船である。目的は陸路を移動できるようにするため、と本には書かれていた。その縫合船の絵の型とバンカーボートは良く似ている。そしてバンカーボートを造る現場を見ていると、接着剤とナイロンのヒモ(太いテグス)を多用して船を造る。釘やネジなどはあまり使われていない。
そんな船の船体構造を知っているので、波の方向が定まらない海況、通称三角波の立つ場所で船が揉まれ始めた時には、バラバラもあり得るなぁとかなり心配だった。
さて、しかし船はベテラン船長の巧みな操船で、何ごとも無かったかのようにアリグアイに着いた。着いてすぐまず昼飯を食べて1本潜った。
エントリーしてすぐに、これはしまった、来ては行けない場所に来てしまったのかと不安がよぎった。まず、嵐続きのせいも有ろうが、透明度が悪い。10〜15メートルがやっとだった。そして、サンゴがほとんどいかれていた。したがって魚もいなかった。
いやいや、魚はたくさんいた。見渡す限りのアカモンガラの群れ。これ以外の種類はほとんどみられなかった。またまたBOMBEEおやじ、誇張して書いているなと思われるかも知れないが、本当に無数のアカモンガラがいるだけで、後はほとんど何もいなかった。なのでダイビングに関してはほとんど書く事が無い。
強いて、無理矢理ネタを探せば、オオバロニアだろうか。山渓フィールドブックNo9「サンゴ礁の生きもの」を持っていたら290ページの4を見て頂きたい。解説に、この種が見られれば感動ものである、と書かれている。しかし、このアリグアイではまったくの普通種になる。岩影やガレ場の窪み、岩の割れ目などをエビなど探しながら見て行くと、1ダイビングで5〜6個は嫌でも見つけてしまう。特にこの日は晩飯のおかずにする予定だった魚が全く釣れなかったので、このダイビング中に何かを調達しなければならない状況に有り、穴に潜ったアカモンガラを引きずり出す作業をしながら潜ったため、穴回りで余計にオオバロニアが目についたのかも知れない。
オオバロニアはアポ島近辺でも珍しくは無く、スミロン、シキホール、バリカサグ、マクタンエリアなどどこででも見られる。従ってフィリピンでは感動ものの種では無いような気がする。一つ心配なのは、私が見ている物がオオバロニアでは無いのかも知れない、と言う事である。しかし、もしもオオバロニアでは無いとすると、中バロニアやオオバロニアモドキかニセオオバロニア・・・かな? 図鑑によればこの他にはタマゴバロニアが載っているだけだから、オオバロニアでは無かったとなれば、結構大変な事になるような気がする。が、オオバロニアであると私は信じている。
正直に言えば、いくら感動ものと書かれていても、愛嬌も可愛気も動きも無いオオバロニアを何度見ても感動はしない。動かないし色彩も単調だから色気も無い。見ても何も面白く無いのである。
伊豆などではタマゴバロニアは普通に見られる。もしもこのような物に興味が有ってまだ見た事が無く、是が非でも見てみたいと言うダイバーが居られたらお申し出いただければ、100パーセントの確率を持ってお目にかけますので御連絡下さい。
潜ってみたけれど何にもネタが見つからなかったので、際物で攻めてみました・・・・どーも、失礼しました。
あ、そうそう、もう一つの島スリノグも似たり寄ったりでこちらもアカモンガラとスズメダイの群れでお終いでした。
さいしょに戻る
ログブック表紙へ