ログブック 11
水中散歩
06月15日頃 マサブロド・ノルテ
気温 暑い(30〜33度) 天気 思いっきり晴れ 水温 28度
風 強風 波高 0.5m
透明度 10〜15m
最大深度 25m
潜水時間 120分
潜水目的 あおそび
お客様が帰ってふっと暇になった1日・・・あっれぇー・・・いつだって暇じゃ無いかってぇ?・・・当りです。
ちょっと見栄を張ってみましたが、とにかく、久しぶりにマサブロに、個人的に潜ってみました。噂ではゴーストパイプ・・・が今もいるとかいないとか。結局はいなかったのですが、まあ、相手は魚、海の中ですから。しかも情報の提供者はフィリピン人。5年前のジンベイ出現だってまるで昨日のように言う事も普通に有りですからね。
3週間ぶりに潜ってまたまた変化した水中の様子にびっくりしました。水深10メートルからのサンゴがまた減っている。カゴが、魚捕りのカゴがそこいらじゅうに増えていました。また始やがったかこの野郎ども・・・しかし、ここは彼らの海。彼らの生活の実態を知ってしまってからはなんだか強気で言えなくなってしまいました。私は日本人のお金持ち相手のダイビング屋、彼らにとってみれば私は、「俺等の庭を利用して短時間で大金を稼ぐ、とんでも無い奴」なのですから、サンゴの保護を訴える声も力を失います。
それともう一つ問題が有るようです。私が目くじらを立てるサンゴ礁は西側のサンゴですが、他の外国人のショップのガイドは東側しか眼中に無いようなのです。声が大きくて腕力も有り顔も恐い白人が大切にしている東側は網やカゴが入れられる事は有りません。
エントリーしてすぐは浅い砂地なのでカゴでは魚も捕れませんから、コーラル類も変化はありません・・・と、言うよりもサンクチュアリと言っている範囲の真只中ですから流石に漁師も手を出さないのだと思います。いつものようにガーデンイールを見ながら深度を下げて行きます。この日は砂地で補食する魚がたくさんいて賑やかでした。私の個人的な経験で言うと、波が静かで透明度が良い時には大きめの魚が、魚種を問わず和気あいあいと補食しています。この場合魚種は様々混じっているのですが、面白いのは固体の大きさが魚種に関わらずほぼいっしょと言う事です。
ちなみに波気が有って濁っていると、根やサンゴの周りにはオヤビッチャやスズメダイが大軍で群れ、砂地の水面近くではイッセンタカサゴやクマザザハナムロが群れています。それらの群れに向かって、コガネアジやロウニンアジ、サワラなどが突っ込んで行くのが見られます。
夕方、日没近い時間帯は透明度が良く静かな日でも波気がある日と同じような魚の動きになっています。
ナイトダイビングになる直前のトワイライトダイビングは、マサブロで一番エキサイティングな時間帯です。移動しないでずーっと一つの根の周りにへばりついていても魚の方から動いて来ますので、ありとあらゆる魚種が見られます。
この時間帯、リゾートホテルに滞在のダイバー達は夕食の時間になりますからほとんど潜る機会の無い時間だと思いますが、もしも、チャンスが有ったら是非潜ってみて下さい。できればガイド1名にお客さん2名程度がベストです。
さて、深く潜って行く途中にいつものエビやなどを見て行ったのですが、個体数が少なくなって、どんなビギナーが探しても見つかった以前と違って、日本のマクロシーンのように指し棒で丁寧に探って行かなくては見つからないものも有りました。
みんなの目印だつたツボカイメンが半分削り取られたのが今年の春だったと思いますが、そのツボカイメンの残り半分も無くなり、そこの住人だったタテキンの親子は、いよいよ、15メートルほど離れた岩の穴に住まいを引っ越しました。もうそろそろどちらが親か分からないくらいに子供も大きくなっていました
パラオクサビライシの数が減って、コロールアネモネシュリンプの数も減っていました。
日中には見る事の少なくなったヘコアユの群れをウミカラマツの側で見つけました。夜にはもっと大きな群れで見る事が出来ますが、こんな食用にならない魚でも、最近は数が減っています。
一通り確認して回って東側のサンゴ礁に移りました。こちらはほとんど変化してないように見えました。キンセンフエダイの大軍、ツバメウオの群れ、大きなカメ、ギンガメの子供達の群れなども健在でした。
西側のサンゴが傷んでから大型の補食魚も東側に群れる事が多くなったようで、水深6〜8メートル前後の大きなエダサンゴの群生の周りでは警戒中のホシカイワリが数匹づつの小さな群れでゆっくり廻っていました。
ここから砂地を横断してエントリーポイントに戻ってしまうと、伊豆の大瀬崎のような、生物の少ない地味な所を泳ぐ事になるのですが、この日は一気に3メートルまで浅場に進んで、そこから西へと言う、お花畑ルートをとりました。
普段もこのコースは面白いのですが、少し流れ出すとエントリーポイントへ逆潮が強くなるので、なかなか選択するタイミングが難しいコースでも有ります。
たまに逆潮なのに浅くコース取りしてしまって進む事が出来なくなり、陸に上がって歩いて戻って来るダイバーを見かけます。特に女性ではタンクを背負ってゴロタと砂の上を歩くのは辛いですから、ちよっとした難コースと言えるかも知れません。
もっともここでビーチエントリーをするDSは少なくなって、浅場のお花畑を見せるガイドも減っていますが。
お花畑はハード、ソフト共にコーラルの種類の多さは目をみはります。そのコーラルには様々なマクロ系の魚たちが隠れていて、小さいもの好きのダイバーには天国です。
浅いので水面が荒れている時には濁りやすく、うねり、波にも揉まれるので気持ち良く潜れる日と言うのはそう多くは有りません。
しかし、タンク1本で誰でも2時間は入っていられますから、水中で昼寝でもしながら、夕方セブへ帰る日に「のんびり1本」のダイビングに如何でしょうか。
夕方であればこの水深でも1メートルクラスのロウニンが頻繁に駆け抜けて行きます。
この日はのんびり浅場のマクロ撮影に終止し、タンク1本で2時間潜りました。撮った写真はほとんどピンボケで、100枚以上も撮ってお見せできるような写真は有りませんでした。
へコアユの写真

へコアユは光るので結構難しいです
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