憧れのゲイ
〜さよならSAWAさん〜



みなさんには憧れのゲイっているかしら?
私にとってそれはDJのSAWAさんでした…。
知らない方のために一応説明しておくとSAWAさんはカミングアウトされているゲイで、大手の広告会社に勤めていらっしゃってて(伝聞なので詳細不明)、DJもなさってらっしゃるの。

 私がSAWAさんのことを初めて知ったのはまだ私が高校生の時で、桜沢エリカさんの漫画「私に優しい夜」の中でなのね。この単行本はゲイの弟と姉が登場する克也子オススメコミックなんだけど、この本には章ごとにエリカ先生の周りの人が写真付きで紹介されてるの。そこではSAWAさんは「ナンタラカンタラ(忘れた)広告新人賞を受賞されたヤンエグでDJ」として紹介されていたわ。

 まだ若くて権威とか賞とかに弱かった私はもうそれだけで単純に「すごい!」と思ったのよ。それに私、割と固い家庭+学校育ちだったのでクラブ(踊る方よ)とかには行ったことがなかったのね。そのころはゲイナイトなんて地方ではやってなかったし、DJなんてそんなオシャレな職業の人とは全く縁がなかったの。だからすごく特殊な人だと思ってた。それで「ヤンエグ(死語。まだバブル崩壊前の話だからね)+DJ」って響きにもうほんと単純に感心してたの。そして雑誌とかでSAWAさんがインタビューを受けてたりすると、熱心にどんな人なのかなあ、と読んでおりました。遠距離恋愛についてとか、ゲイと仕事についてとか。正直言って顔は好みじゃなかったんだけど、憧れの人でした。恋人になりたいとかそんなんじゃなくて、なんていうのかなあ、「こんなゲイライフが送れたらなあ」とか「こんな(実の)お兄さんがいたらなあ」って思ってたのね。DJには興味がないけど、「カミングアウトして仕事もきっちりやって趣味もプロとしてやっていってる+しっかり地に足のついた物の考え方」っていうのに子供だった私は憧れてたの。

 で、月日は流れて私もそれなりにゲイゲイした毎日を送るようになりました。って言っても高校生の時から男の人とはつきあってたんだけど…う〜ん、なんていうか昔はゲイであることが身についてなかった感じなの。そういう私の成長過程の中でもSAWAさんは常に私の憧れの人でした。SAWAさんの何が私を引き付けたかと言うと、「大人のゲイでしっかりした考えを持つ頼りになるお兄さん」っていうイメージなのね。それと自分の意志を持つ人の瞳、ってやつかしら。リブ系の下っ端の人に欠けてることが多いやつよ(敵を作る発言ねえ…)。

 で、まあインターネットも始めたし、まずまず順調なゲイライフを過ごしていた私はある掲示板に辿り着きました。そこにはSAWAさんの書き込みが…。

 違うの!僕のSAWAさん「でわでわー。」なんて言わないの!「すげーカワイーってかんじでチョーお気に入り」なんても言わないの〜!ああ…。
とか書きながらも1年くらい前のその文面をファイルにして残してるところが私もかわいいわね(^_^;)。でもまあ、この時はインターネットなんてやめときゃよかった…って思ったほどショックでした。

 一気にイメージが崩れて傷心のアタクシ。まあ、よく考えたら私がどうこういうことじゃないんだけど…。勝手にイメージを押し付けられたら迷惑よね。そんでまあそのことを人に話したら「あの人プレゼンでもオネエバリバリらしいわよ(真偽未確認)と言われてダブルショック。

 でも、ありがとう、SAWAさん、私が自分がゲイであることに全くといっていいほど悩まずにいられたのも、楽天的な性格になったのもきっと随分あなたのおかげです。感謝してます。これからも頑張ってください。いつかお話したいです。