オネエであること


 オネエは氾濫している。私自身もかなりオネエだ。なぜこんなに高いパーセンテージでオネエが存在するのだろう?意図的にオネエになった人は少ないと思う。いつのまにかなっていた、うつされた…っていうのが多数派だろう。

 なぜか?ということを突き詰めていくと「ゲイがストレートの社会でうける精神的重圧が…」とかそんな心理分析的な話になっていきそうなのでパス。それに正解があるのかないのか私にはわからないし、わかったところで役に立たないからね。

 オネエというのは「オネエ言葉」と言われる女言葉のようで実際の女性とは違う言葉を使ったり、言葉では言い表しにくいけど「オネエなファッション」をしたり、そういった仕種をする人のことを指す。

 それ以上にオネエというのは一種の人格の変換装置だと思う。つまり「傲慢で高飛車できついオンナ」っていう性格を過剰に演出する道具なのね。だからオネエさん=きついっていうのは定番だし、そのへんが馴染めない人には馴染めないだろうと思う。だけどはまるとはじけられて楽しいの。

 だから逆にオネエ言葉できついことを言われても実際に言われていることよりもきつく感じないことが多い。これがオネエ言葉の一番の利点だろう。だけど、私も指摘されたことがあるんだけど、だからと言って何を言ってもいいわけじゃない。「オネエ言葉で言えば何を言っても許されると思ってる勘違いバカ」っていうのは確かにいる。私も昔はそうだったと思うし、今でもそういうことをして自己嫌悪に陥ることもある。

 オネエでいることは簡単。だけどそれでいて自分をきちんと制御して人を傷つけないようにしたり、魅力的でいることはストレートの男言葉で話している時よりも多分、難しい。素敵なオネエ様だったらアタクシも侍女でかまわないけど、「アンタ女王の器じゃないわよっ!傲慢かますのもいいかげんにおしっ!」と言いたいオンナもいるのよねえ。