U期工事のページでも少し説明しましたが、Rコンを採用したのは私の独断と偏見によるものでした。 当初は拙宅もよそ様のお宅並みに(?)コンクリート瓦や食洗機も
プランに入っていました。 どれもこれも採用できればそれに越した事はないのですが、自己資金とローンのみで家造りを強行せざるを得なかった私たちは至るところで「究
極の選択」をしなければならず、IHの採用、1.25坪のユニットバス、同じく1.25坪の洗面所と造作の洗面台はヨメの強い希望を優先しましたが(その引き換えに、琉球畳
を使った和室コーナーや造作棚で構成されたPCコーナーといった私の希望は却下されました!)、Rコンだけは私のこの上ない強い希望でヨメを説得し、瓦と食洗機は諦
めてもらうことになったのです。

今、思い起こせば、営業さんは確かに、「Rコンよりも瓦と食洗機の方が良いような気もする・・・Rコンは音が響くと仰るお客さんもおられる」ということでヨメの味方をすること
が多かったのですが・・・突っ走りました。 ・・・そしてコケました・・・。

上棟直後に現場に行った時に屋根材に誇らしげに印されている「R」の文字を見たときの嬉しさといったら何と表現して良いかわからない程の感動でした。。 でもその感動
はその時だけで、後は後悔の連続・・・・。 先ずはスレート瓦(ニューコロニアル)のあまりのカッコ悪さにはガッカリ(ま、これは私が貧乏人なのが悪いだけなんですけどね)。 この
スレート瓦を見たとき、「多少暑かろうが寒かろうがRコンなんてやめて、瓦はちゃんとしたヤツにしておくべきだった」と後悔したのは事実です(教訓:瓦代くらいちゃんと確保して
おきましょう!・・・笑)。

次にビックリしたのが音の問題。 確かに営業さんから指摘されていたのですが、実際に住んでみると最初はビックリします。 家全体の遮音性が比較的良好なせいか、寝
ている時などは特に気になります。 例えて言うなら、大雨の時に体育館の中に居る時のような気分・・・? ゴォー〜〜〜という感じで家全体に響きます。

引越しをしたのが引渡し日の2002年3月31日の翌日の4月1日。 それから暫くの間は春とは言ってもまだまだ肌寒い日が多く、GW前までは雨音が響くこと以外にRコン
の不具合を感じる事はありませんでした。 ところが・・・・。 少しずつ暖かくなってきたGW直前の土日、荷物の片付けをしていた時に、何だか変な臭いに気付きました。 
OSBの臭いに甘酸っぱい臭いが混じったような変な臭い。 新築の家特有の新しい木材の香り・・・のような気分の良い臭いではありません。 1FのLDKに居ると余程意
識しない限り臭いを感じることはありませんが、階段を昇って2Fへ上がる途中から明らかに臭いが強くなりスロープシーリングの主寝室と子供部屋は強烈な臭いです。 で
も夕方になり肌寒い位の気温になるとその臭いは殆ど気にならなくなる為、『壁紙の糊か何かその類の臭いなんだろうな』と余り深く考えず過ごしていました。

GWに妹家族が片付けの手伝いに来てくれました。 妹が子供部屋のロフトでおもちゃの整理をしてくれていたのですが、暫くして降りてきて『お兄ちゃんゴメン! この家何
か変な臭いがする!』と言いながら急に咳ごみ始めました。 妹はどちらかと言えば気管支が弱く、臭いにも恐らく敏感な方だとは思います。 ・・・因みに、私たち家族は
かなり鈍感な方だと思います。 結婚した当初は大阪でも有数のドブに囲まれたマンションで生活していましたが、回りの人が言うようには耐えられない程でもなかった
し・・・。

その時点ではっきりしていたのは『気温が高い日ほど臭いが強い』ということで、5月の下旬になると家に居るのが不快に感じるようになってきました。 その頃からこのHPでも
疑問を投げかけ、また一方ではMLに参加し情報収集した処、全国レベルでは数多くの三井ホームオーナーがRコンの臭いについて問題を感じておられることを知りまし
た。 そのことを拙宅を担当してくれた営業さんや現場責任者の方に報告し対処して欲しい旨、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もお願いしたのに、簡単
に言えば『前例がない!』という主旨の回答ばかりで全く取り合ってもらえませんでした。 あまりに誠意のない回答・姿勢だった為、更に詰問すると担当営業からは『私が
ウソを言ってるとでもいいたいのか?』と開き直られてしまう始末・・・・。

「臭いがする・・・しない」の感覚的な問題だけならどうでも良いのですが、人体に悪影響を及ぼす可能性がある物質が蔓延しているとすれば、それは非常に怖いことで、
家族のことも考えると今ここで三井ホームとケンカをして時間を潰している場合ではないことに気付き、MLで知り合った方から国土交通省所管の公益法人である(財)住
宅リフォーム・紛争処理支援センターの存在を教えて頂き、早速ホルムアルデヒド/VOC測定をお願いしました。 ・・・測定の方法や状況は本HPの『U期工事』編をご参
照下さい。

住宅リフォーム・紛争処理支援センターに申込みをした直後に三井ホームからも「VOC・ホルムの検査をしましょう」とのお申し出があり、一番臭いの気になる子供部屋と
LDKを三井ホームにお願いし、主寝室はセンターから送られてきたバッジで測定することになりました。

結果は以下の通りです。


分析項目 単位 小屋裏 1F LDK 2F子供部屋 指針値
トルエン μg/m3 1100 33 52 260
キシレン 130 20 42 870
エチルベンゼン 370 9 14 3800
スチレン 290 2 3 220
ホルムアルデヒド 4 11 28 100
室 温 36.0 27.3 32.3



表の中の「指針値」とは厚生労働省が設定している数値ですが、法的拘束力はないとのこと。 結果的には測定した居室は指針値を大幅に下回る数値ですが、測定
時には居室内はほぼ窓を全開にしていた(換気が充分に出来ていたとも言えるかも)事、これまで臭いが特に気になるのが1Fではなく2Fのスロープシーリングを採用した
二部屋であることを考えれば、臭いの原因は小屋裏(=屋根裏)で非常に高い数値のでたトルエンやスチレンが臭いの原因ではないか?と思います。

一方で、住宅リフォーム・紛争処理支援センターにお願いしていたバッジテストでは、もう一方のスロープシーリングを採用した部屋である主寝室の測定を行いました。 こ
ちらの結果は以下の通りです。

項 目 単 位 主寝室 指針値
トルエン ppm 0.02 0.07
キシレン 0.01 0.20
エチルベンゼン 0.01 0.88
スチレン 0.01 0.05
アセトアルデヒド 0.03 0.03
ホルムアルデヒド 0.03 0.08
室 温 31


こちらの結果もアセトアルデヒドを除くと指針値の数分の一の結果でした。 この結果を安心して良いものかどうかよく分かりませんが、三井ホーム側と検討した結果、やは
り小屋裏は居住空間ではないものの、ここの数値が三井ホームとしても思ったより悪い数値であり、また居室内も指針値の数値はクリアしているもののこれまた思ったより
悪い数値であったようです。 色々時間を掛けて検討してもらった結果、全く換気されていない小屋裏を換気することで小屋裏はもちろんのこと、居室内の臭気の低減に
繋がるのではないかということで、小屋裏に換気装置を設置し、臭いの吸着を目的に小屋裏に竹炭を一面に敷き詰めてもらうことになりました。

そんなこんなで気が付けば10月に入り、改めて三井ホームに小屋裏のみのVOC測定をしてもらいました。 但し、引っ越してきた当初は臭いは全く気にならず初夏になる
頃から気になり出した為、今現在臭いが少なくなってきたのが新たに設置した換気装置や竹炭のおかげなのか、それとも単に気温による影響なのかわかりません。 取り
敢えず今年最後のVOC測定の結果は以下の通りです。

分析項目 単位 小屋裏 指針値
トルエン μg/m3 46 260
キシレン 72 870
エチルベンゼン 20 3800
スチレン 9 220
ホルムアルデヒド 4 100
室 温 30.0


ご覧の通り、数値は劇的に下がっています。 これで暫くは(少なくとも来年の暑い季節が来るまでは・・・)安心して生活できます。 この件に関しては、三井ホームとの間
で大バトルを繰り広げてきましたが、色んな情報を提供くださった皆様と最終的にはこちらの思いを充分に考慮して下さった三井ホームの方々に御礼申し上げます。 来
年、再度VOC測定を行って頂く迄の間、この件は冬眠致します♪ ・・・それではまた来年の夏♪ 乞うご期待!