市橋有里(いちはしあり・1977.11.22生)
 自己ベスト 2時間27分02秒(99年・セビリア)

 過去の戦績(5戦0勝)

日付 大会 タイム 順位 1位(2位)の選手 タイム差
97.03.09 名古屋 2:29:50 ビクタギロワ(ベラルーシ) 00:20
97.11.30 東京 2:31:25 伊藤真貴子 03:40
98.11.15 東京 2:28:29 浅利純子 00:00
99.08.29 世界選手権 2:27:02 チョン・ソンオク(北朝鮮) 00:03
00.09.24 シドニー五輪 2:30:34 15 高橋尚子様 07:20

 過去のレース模様

(97年:名古屋)スローペースのサバイバルな展開に、初マラソンながら積極的に先頭集団を引っ張る。39kで4人の先頭集団にまで絞られた。残り1kでビクタギロワがスパート。これにはさすがについていけず後はマイペースでフィニッシュ。大器を予感させるデビュー戦であった。

(97年:東京)海外豪華メンバーが続々脱落する中、35k手前まで4人の先頭集団に入る健闘。しかし伊藤とジョイス・チェプチュンバのペースアップに取り残され、ずるずる後退。最終的に6位まで順位を落としてしまった。

(98年東京)29kから浅利、宮崎安澄との3人の先頭集団、38kではついに浅利とのマッチレースに。競技場に持ちこまれた勝負は最終コーナーからのスパートで浅利を下したかに見えたが、差し返され無念の2着。しかし初めて感情が表情に表れ、勝負に対する執念が出てきたような感じのする一戦であった。

(99年セビリア世界陸上)スローな展開から一転、27.5kからペースアップ。34k時点でファツマ・ロバ、リディア・シモン、チョン・ソンオクとともに4人で先頭集団を形成。34kでのロバのスパートに一時は離されるが、チョンとともにロバを追走、38kでロバを捉え勝負はチョンとの一騎討ちに。しかし残り1.5kでのチョンのラストスパートに虚を突かれたか、ここで離された3秒を最後まで詰めることができなかった。

(2000年シドニー五輪)18kの橋尚子様のスパートに果敢についていくも、アンザックブリッジの急勾配で力尽きる。

 寸評

冷静沈着、クールな表情には「何かやってくれそうだ」という期待感を抱かせるものがある。サバイバル展開で集団からこぼれ落ちた経験がないというのも実力のある証拠。しかし裏返せば勝負どころでの対応力・決定力の強化が課題であるといえる。セビリアではまさにその点が露呈、シドニーでは果敢に勝負に挑むも完全に力負け。まあ、これからです。