ちょっとだけ東京国際マラソンを斬る!
2002東京国際マラソン(2/10・東京国立競技場発着) 世界最高:ハリド・ハヌーシ 2’05”42(99シカゴ) 日本最高:藤田敦史 2’06”51(2000福岡) 大会記録:ゲルト・タイス 2’06”33(99年) |
本紙 | BIB | 選手名 | 所属 | 自己ベスト | 直近の成績 | 寸評 | ||
× | 1 | アレマエフ・シメレツ(31) | エチオピア | 2’07”44 | 01・10・28マドリッド D 2’12”14 |
01・8・3世界選手権 I 2’17”35 |
01・4・1トリノ @ 2’07”45 |
|
○ | 2 | フリオ・レイ(30) | スペイン | 2’07”46 | 01・8・3世界選手権 37 2’27”59 |
01・4・22ハンブルグ @ 2’07”46 |
99・4・18ロッテルダム 3着失格 2’07”37 |
|
◎ | 3 | フランシスコ・コルテス(31) | スペイン | 2’07”48 | 01・8・3世界選手権 41 2’28”48 |
01・4・22ハンブルグ A 2’07”48 |
00・10・15アムステルダム @ 2’08”57 |
|
× | 4 | アルベルト・フズダド(35) | スペイン | 2’08”01 | 01・9・30ベルリン L 2’13”36 |
01・4・22ロッテルダム 途中棄権 |
00・10・1シドニー五輪 42 2’21”18 |
|
5 | 白承道(33) | 韓国 | 2’08”49 | 01・4・15クンサン B 2’14”20 |
01・3・4びわ湖 35 2’19”13 |
00・10・1シドニー五輪 65 2’28’25 |
||
6 | サラホ・ガディ(22) | タンザニア | 2’10”36 | 01・10・28ベネチア D 2’10”36 |
00・10・15カルピ C 2’14”38 |
|||
7 | アンドレ・ラモス(32) | ブラジル | 2’08”26 | 01・9・30ベルリン K 2’11”47 |
98・12・6福岡 21 2’17”27 |
98・6・7リオデジャネイロ @ 2’13”52 |
||
8 | ミハル・バートシャク(31) | ポーランド | 2’12”19 | 01・10・28フランクフルト D 2’12”59 |
01・2・18東京 K 2’14”40 |
00・12・29フランクフルト D 2’12”37 |
||
△ | 21 | エリック・ワイナイナ(28) | コニカ | 2’10”17 | 01・4・22ロンドン N 2’15”43 |
01・2・18東京 I 2’13”18 |
00・10・1シドニー五輪 A 2’10”31 |
|
22 | 砂田貴裕(29) | 積水化学 | 2’10”08 | 01・12・2福岡 S 2’21”40 |
01・8・26北海道 C 2’19”37 |
01・4・15長野 H 2’17”42 |
||
23 | 間野敏男(29) | 八番麺屋 | 2’11”52 | 01・12・02福岡 F 2’11”52 |
00・12・3福岡 J 2’17”04 |
99・12・5福岡 S 2’14”27 |
||
24 | 平山光典(26) | アコム | 2’12”25 | 01・10・7シカゴ H 2’12”25 |
00・12・3福岡 44 2’27”03 |
00・2・12東京 P 2’17”42 |
||
25 | 南 忍(28) | 小森コーポレーション | 2’13”23 | 01・8・26北海道 Q 2’26”32 |
01・2・18東京 G 2’13”23 |
00・8・27北海道 I 2’21”41 |
||
26 | 井幡政等(29) | カネボウ | 2’13”26 | 01・9・30ベルリン 25 2’15”17 |
01・3・4びわ湖 J 2’13”26 |
00・3・5びわ湖 21 2’16”40 |
||
▲ | 27 | 清水 昭(25) | 杵築東芝 | 2’09”11 | 01・2・4別大 H 2’13”29 |
00・3・5びわ湖 S 2’15”48 |
99・4・18ロッテルダム 26 2’18”26 |
|
28 | 福永勝彦(26) | 小森コーポレーション | 2’13”36 | 01・2・4別大 I 2’13”36 |
||||
29 | 伊藤健太郎(21) | 協和発酵防府 | 2’13”44 | 01・12・16防府 C 2’13”44 |
00・12・17防府 F 2’19”25 |
|||
欠場 | 30 | 市之瀬 進(26) | カネボウ | H1’01”30 | ||||
31 | 森政辰巳(25) | 中国電力 | H1’01”38 | |||||
189 | 神屋伸行(22) | 駒澤大学 | H1’03”23 |
【リーフの懺悔(笑)】
(2002.3.2)
☆いやあ、懺悔するのが遅れたことをまず懺悔しなくては。 ☆結局のところ、世界選手権の結果からレイとコルテスを「アップダウンに疑問符」として印を落としていれば予想屋としては勝ち、そうでなければ負け、というところでした。なので完敗、ということです。 ☆それにしても、フズダドは東京コースでは堅実に走ってきますね。適性もあるということなんでしょう。これを今後の予想の一助にしたいところ。 ☆それから、ワイナイナについては、寒さも克服してきたということで素直に脱帽です。 ☆清水君については、残念であるとの一言に尽きます。もうだめなのかなあ。 |
(2002.2.10 10:00AM確定)
【総評:マジでくるスペイン勢にはかなわない?】 ☆最初にメンバーが発表されたときには、オーガナイザーは何をやってるんだと憤慨したものですが、噛めば噛むほど味わいのあるメンバー構成だなあと今になると思うのですね。ちょっと渋好みにもほどがあるけれども。 ☆とにかくスペイン勢にとってこのレースが欧州選手権の選考レースでもある、というのが予想屋にとってはありがたいところですね。間違いなくスペイン勢はマジ出走です。また、東京に敬意を払ってくれるエチオピアのシメルツ(以前戯言でアレマエフて書いてた人のことね)も調整はちゃんとしてきているでしょう。しかしまあ、フルマラソン2週連続出場経験者の彼をしれっと招聘した日本陸連はナイスガッツでしょう。もしくは「あれは沢木氏が勝手にゆっとることや」というメッセージなんでしょうか。 ☆とにかくシメルツ、レイ、コルテスの3人は実績的には頭ひとつ抜けている感じですね。アクシデントがなければこの3人で決まりそうな気もするけど…、まあそうは問屋がおろさないでしょう。夏以降の成績で見ればどの選手も大差ないように見えます。伏兵の一発も十分ありえますよ。穴党は思い切って攻めてもよろしいんじゃないかしら。 ☆日本勢ではそろそろ清水昭くんが目覚めてくれることを期待したいんですが。…あれからもう4年がたったんですね。 ☆それから、予報では最高気温が7度(前日比ー5度)ということで、そこも考慮して予想したいと思う次第。 ☆印は出馬表のとおり。順位予想は、 優勝 コルテス 8分台 2位 レイ 9分台 3位 清水 11分台 4位 ワイナイナ 12分台 5位 フズダド 13分台 6位 シメレツ 13分台 7位 伊藤 14分台 8位 バートシャク14分台 ぐらいな感じで。イトケンにはかなり期待料込みで7位に抜擢しとります。 【レース展開を斬る】 ☆一般参加枠で来ているフィカ(南ア)がラビット役をやってくれるんでしょうね。男子の場合は基本的に5k15分をベースに流れるので、あまりここに書くことないんですよね(笑)。まあ、日本勢を活かそうとするなら5kを15分15秒とかでゆっくり入らせてあげた方がいいと思いますが、そんなしょうもない争いは見たくないので、「うまく乗れば6分台も狙える」といったペースで流れてほしいです。はい。 【外国招待選手を斬る】 ☆まずは橋尚子様も羨むであろう2週連続フルマラソン出場経験者アレマエフ・シメルツ(エチオピア)でありますが、なにやらアレムさんらの事例から「エチオピア勢は寒さに弱い」という印象が色濃く残ってしまい、最高気温7度が予想される今回の東京ではあまりいいところが見せられないかも、ということで評価は低めにしております。 ☆そしてスペイン勢、レイとコルテスですが、どっちもどっち。ハンブルグも世界選手権も大差ない結果なので、この二人のどちらが先着するのかを予想するのは非常に難しい。もう「えいやっ!」の世界。ただ、両者とも過去最高の仕上がりとのことで、欧州選手権の代表も取りたいこともあり、ハイレベルな争いの1・2着で決まる可能性も十分ではないでしょうか。比較材料としては、まず世界選手権ではコルテスは早々と脱落した一方、レイは35kからの5kが22分かかりました。年末からレイは毎週のようにクロカンに出ていますがコルテスは全く出ていません。ここをどう考えるかで印の付け加減が変わってくるでしょう。小生はコルテスに本命を打つことにしました。 ☆タンザニアの若いガディがどんな走りをするのかよくわからないのですが、去年のハーフベストは61分46秒とまずまずですね。ラビットとして来てる可能性もあるだけにあまり重要視は出来ないんですが、注意は必要かなあと思います。 ☆フズダドと白承道については、知れた顔ということで呼んでいるんでしょうが、最近の不振から考えると印はつけにくいです。ただ、フズダドはちょっと恐いんですが…。 【国内招待選手を斬る】 ☆まずはエリック・ワイナイナ(コニカ/ケニア)であります。記者会見では2時間7分か8分くらい出して勝つと言っております。練習はきちっとできたんでしょうね。ただ、本人は寒さが苦手ということなので、予想最高気温7度の世界はきついんじゃないでしょうか。評価を少し下げておかないといけないかなあと。 ☆それからこのメンツだと清水昭くん(杵築東芝)が急浮上してまいりますね。あの衝撃の別大からははや4年。同じく救世主と思った橋尚子様は一気に五輪金に世界最高まで行ってしまいました。経験も積んでメンタル面の持って行き方や練習の取組み方もうまくできるようになってきたとのことですから、今回こそは変わり身を期待したいところです。なんとか清水くんにはあの後半の伸び脚を再び見せていただきたい。是非ミラクル・アゲインを。 ☆森政辰巳選手(中国電力)にも期待できればいいのですが、去年の実業団ハーフの走りを見てると、いきなりはどうかなあ、という気も少しするのでちょっと様子見したいところです。 ☆後はやはり我らがイトケン(勝手に略した)こと伊藤健太郎くん(協和発酵甲府)の東京進出第一戦なのですが、 東京に来ること自体初めてなんじゃないだろうか などといらぬおせっかいをしてしまう小生でありました。とりあえず神屋伸行くん(駒大)とのバトルは楽しみです。 |
【過去のレース模様】
(2001年)
ラビットとおぼしきエリウド・ラガト(ケニア)が全く使い物にならないペースメイク。ラガトを追うメンバーと集団が序盤でくっきりと分かれてしまった。13kでようやくラガトと高橋健一(富士通)、尾方剛(中国電力)、渡辺共則(旭化成)の4人が一団となってまともなレースに。23kで渡辺が脱落し、30kでラガトが御役御免。31.5kで尾方を振り切った高橋が好記録で快勝、と思いきや35k以降は女子並みのペースにダウンする始末でもうメロメロ。前はもう誰もいないと思っていたジファールらの猛追にあわや逆転というところまで追い込まれたもののかろうじて高橋が逃げ切ったのであった。 優勝 高橋健一 2:10:51 2位 T・ジファール 2:11:07 3位 D・カピトノフ 2:11:09 |
(2000年)
1k3分ペースで安定した展開でサバイバル戦となり、30kでは9人の先頭集団。30k過ぎの給水あたりからレースは動き始め、31kで小島(忠)、32kで三木、清水(康)、33kでモネゲッティが相次いで脱落、34.5kで白承道も力尽き、ついに優勝争いはコスゲイ(ケニア)、李鳳柱(韓国)、フズダド(スペイン)、犬伏孝行(大塚製薬)の4人に絞られた。 犬伏は35kの給水が取れず、ゼネラルを取った直後に腹痛を起こし後退、36.5kでフズダドも脱落し、最後はコスゲイと李の意地のぶつかり合いになったが、終始イニシアティブを握っていたコスゲイが押し切り、無傷のデビュー4連勝を飾った。 優勝 J・コスゲイ 2:07:15 2位 李 鳳柱 2:07:20 3位 A・フズダド 2:08:08 |
(1999年)
1k3分を切るハイペースが落ち着きかけた7k過ぎで高橋健一(富士通)がそのままのペースで突っ走り独走状態。2位集団はラビットの1k3分ペースを守りサバイバルを展開しながら高橋を追う。その高橋は25kを過ぎる頃から脚色が目に見えて鈍り後続集団との差はみるみる詰まり、31kでゲルト・タイス(南アフリカ)、三木弘(旭化成)、清水康次(NTT中国)の集団に捕まる。タイスはそこですぐにロングスパート。単独首位にたちそのまま独走し、最後の坂も苦もなく乗り切って日本国内初の2時間6分台で堂々の優勝。2位争いは34.5kで三木が清水を引き離してそのまま2位を確保した。 優勝 G・タイス 2:06:33 2位 三木 弘 2:08:05 3位 清水康次 2:09:00 |
(1998年)
1k3分ペースでサバイバル展開は折り返しまで進み、ラビットの2人がお役御免で7人の先頭集団。しかし23kでフズダドがロングスパートを見せ、集団は完全崩壊。2位集団はリマ(ブラジル)、モレノ(ブラジル)、ガルシア(スペイン)となり、日本勢はそこからも脱落した。記録の期待ももたれたフズダドは35kから失速し残念ながら東京コース初の2時間7分台を逃した。2位は35kで単独2位に浮上したリマが確保した。 優勝 A・フズダド 2:08:01 2位 V・リマ 2:08:31 3位 J・M・ガルシア 2:08:40 |